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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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36話 仲間とパートナー

一週間前にバイト代四万が入り、現在一万五千円しかないこの頃。まあ、今月はこれ以上使う予定がないのでまだ許容。使いすぎ感は否めない。

遠征。

北の街の依頼から帰ってきて三日、広場のベンチにてミアから知らされたのはまた新しい大事の内容だった。


「遠征って確か学園から選出された生徒と引率の教師何人かで行くんだよな」

「うん。だから依頼な時より負担はない」

「そうだなぁ。確かに何度も異死徒拾伍段とは戦いたくねぇしなぁ」

「そうじゃなくてもアルトは無理する」

「うっ! まあ、その点はホント迷惑かけて悪いと思ってるよ」


完治してない傷をさすりながら俺は申し訳なく答えた。

依頼から帰ってきて真っ先に行った医療室ではユスケに「また怪我したの?」とネチネチ言われながら治療されたのを覚えてる。

ホント無理してごめんなさい。

ただそれはあくまで二人しかいない依頼でだったからで、遠征では、


「確かチームがあったよな五人から六人くらいのメンバーのやつ。あれがあるから多少は無理しなくて済むな」

「そうだね」

「俺のチームって誰がいるかわかるか?」

「私はパートナーだから一緒、他は当日わかる」

「つまり知らないんだな」

「前回の遠征からメンバー変えられるから」

「あーね」


確かに遠征でメンバーが欠ける事もある。毎回毎回同じの方が少ないのかもしれない。


「そういえば前回の遠征というと俺とミアがあった遠征だから......ミアさん単独行動してるじゃないですか」

「あれは先行って良いって言われた」

「先に行ったけど帰りは遅れるって......」

「それはアルトがいたから」

「まあ、あそこでミアがいたお陰で今の俺がいるからな、それはその、うん、ありがとな」

「うん」


あの日のことを思い出して、少し懐かしく、照れ臭くなり後ろ髪を掻く。


「なーに、甘ったるい空気作ってんですか二人共」


どこから湧いて出てきたのか、アキハが俺とミアの間に顔を出し声をかける。


「うおっ! アキハいつのまに!」

「アキハ終わったの?」


びっくりして思わず前に倒れる。対してミアは落ち着いて聞く。


「はい、私の方は終わりましたよ。ミアの方は行けますか?」


アキハに聞かれたミアは一度こちらを見て微笑み、


「うん。行けるよ。じゃあねアルト」


ミアは手を振ってアキハと一緒に行ってしまった。

取り残された孤独感とよくわからない失踪感が胸を締め付けた。

特にやる事もないので部屋に戻ろうとした時、また後ろから声をかけられた。


「そこの暇人、少し付き合ってくれないか?」


俺は慌てて振り向く。そこに居たのは。


「カエデ、エルモア? 二人ともどうした? 何かあるのか?」


二人が顔を見合わせたのちカエデが代表して説明する。


「この後、里帰りしてたエルモアのパートナーが帰って来る。迎えに行かないか?」

「エルモアのパートナーを迎えに? 別に良いけど、どうして?」

「アルトは会うの初めてだからな。紹介ついでに」


エルモアのパートナーというだけでこれから何らかの関わりを持つかもしれないと。

まあ確かにそうかもしれないが、別に俺が迎えに行く必要もないのでは? と思った。口には出さないが。


「そういう事か、そういえばカエデってパートナー誰だ?」


エルモアのパートナーはこれから会う。しかし、カエデのパートナーはまだ知らない。聞いてみるとカエデは笑って答えた。


「俺のパートナーなら行けば会える」


と悪戯ぽく。

いや、普通に教えてくれよ。


------------------------


三人で街を歩いてる中、俺はいくつか疑問に持っていた事を聞いた。


「そういえばハヤテはどうした? あいつのパートナーは?」


それを聞くと二人は唐突に笑い出した。

え、何? 二人とも壊れた?

二人に冷たい視線を送っているとエルモアがまだ笑ったまま答えた。


「あいつはパートナーがいないんだよ。あいつは異能力的に一人の方が良くてな、それで今回誘ったら、二人組のパートナー案件でボッチの僕を誘うな! って追い返された」


確かに笑い出すくらい面白い内容だった。というか俺も笑い出した。


「ははは、なんだよそれ。てか、そういえばハヤテの異能力って何だ?」

「それは次の遠征わかるだろう」

「次の遠征ってあれは選抜形式だろ? 俺行けないかもしれないだろ? 今教えてくれよ」


俺が急かして聞くとカエデが笑いを堪えながら安心しろ。と言った。


「遠征は確かに教師達が生徒達の実力を見てメンバーを選抜するが、正直な所お前はほぼ確定枠だろう」

「確定枠? 俺が?」


話を繋げるようにエルモアが答えた。


「まずヴァイズ・レットのパートナーって事を抜いてもお前は二回の依頼で異死徒拾伍段と遭遇し、どちらも生きて帰還してる。ついこの前なんか拾肆段の単独撃破だろ? そんな偉業Aランクでも出来る奴はほとんどいない。その実力は教師達の中でも評価されてるはずだ。だから確定枠」


俺は異死徒拾伍段を倒している。未だに実感は湧かないがその事実は学園にも伝わってるらしい。

結局俺は微妙な表情で「そうか」とだけ言った。

俺は次の質問をした。


「そういえばお前らって何ランクなんだ? ずっと気になってたんだよ」


二人は顔を見合わせ、少し考えたのちカエデが答えた。


「俺もエルモアもSランクだ」

「は? Sランク? マジか」

「マジだ」


まさか村で先に行った幼馴染みが学園で最高位のSランクと。

二人の異能力は理解してるが、確かに二人とも強いが、えっ、待って本当に?

状況を飲み込めず動揺する俺にエルモアが話を逸らすように口を開いた。


「そろそろ着くぞ。変に考えないで簡単に受け入れれば楽だぞ」

「簡単に受け入れられないから考えてるんですけど!」


納得のいかない事に頭をを抱えながら俺は二人の後を追った。

道中何度も聞き返したが二人とも曖昧な答えばかりでやはり納得がいかない。そんなこんなしてるうちに首都の北口に到着した。ちなみに俺が首都に来た時入ったのは東口。

ここから入ってくる馬車にエルモアのパートナーがいるらしい。なんか妙に緊張する。

世話しなく辺りを見渡していると知ってる顔を見つけた。というか、


「ミア! 何でここに?」


先程別れたパートナーがそこにいた。


「私はカザミを迎えに、アルトこそどうして?」

「俺はエルモアのパートナーが里帰りから帰ってくるからって......そういう事か......」


俺は呆れたように顔を押さえる。そしてギロリと俺の後ろにいる二人を睨んだ。


「お前らなぁ!」


カエデとエルモアはやっと気づいたかと言いたげな顔でニヤニヤしている。

そんな中、エルモアがいやらしそうに答えた。


「いや別にお前がヴァイズ・レットと離れて物足りなそうに、寂しそうにしてるのが面白くて声掛けた訳じゃないしー」

「いっぺん死ね!」


煽るエルモアを蹴ろうとした所でアキハが止めに入った。 


「何やってるんですか二人とも。そろそろカザミが帰ってくるんですからふざけないでちゃんと待っててくださいよ。特にエルモア」

「へいへい」

「はいよー」


俺とエルモアは適当に返した。

そしてその後すぐに馬車が入ってきて、停留所と書かれた札の場所に止まった。

馬車の中からは十人近くの人が流れるように出てきた。子供からお年寄りまで多くの人が出てくる中、一人だけ明らかに違う服装をし、重そうな荷物を持った灰色の長い髪の少女が馬車を降りるのを見つけた。

他のみんなもその少女を見つけたらしくアキハが手を振って呼んだ。


「カザミーおかえりなさーい」


カザミと呼ばれた少女はこちらに手を振り返し、走って近づいてきた。


「みんなただいま。久しぶり......って程でもないわね。アキハも相変わらずうるさいし、カエデも相変わらず無愛想よね。ミアも相変わらずおとなしいし、エルモアも元気そうで何より」

「そっちこそ、それなりに楽しい里帰りなったようで。土産話や色々聞きたいところだけど、それは学園に着いてからで。先にこいつを紹介しするよ」


エルモアは俺を指す。俺も軽く頭を下げ名前を名乗った。


「どうもエルモアの幼馴染みのアルト・シャドウです。つい先日入ったばっかの新人ですがよろしく」

「アルトはミアのパートナーだ。少しは絡む事もあるだろうから、その時は仲良くしてやってくれ」


エルモアは俺の挨拶に付け足すように紹介した。


「あなたが例のミアのパートナーね。私はカザミ・テルノ。エルモアのパートナーでAランクよ。よろしくねアルト」

「カザミはこう見えて良いところのツンデレお嬢さんだからあんま無礼な事すんなよ」


エルモアはカザミの挨拶に付け足すように説明した。

いやツンデレって、お前もかなり無礼だけどな。


「そんなんじゃないわよ。それとアルトの事はアキハの手紙から色々聞いてるわ。決戦でダイチを倒したんのよね? 異能力をまともに使えないのに」


アキハと手紙のやりとりをしてるという点に不安を感じたが、あながち間違ってないので少しほっとする。


「それにミアとの依頼で異死徒拾伍段と遭遇して帰還したのでしょ? 実力はそこまでって聞いたけど凄いわね」


本人は無意識なんだろうけど、こっちからすれば煽ってるように聞こえる。表情見る限り悪気はないようなので何も言わないが。

カザミの話を聞いていたミアが珍しく口を挟んだ。


「カザミ、アルトは強いよ」

「そうなの?」

「うん。この前の依頼で異死徒拾伍段の拾肆段を倒してる。一人で」

「うそっ! 異死徒拾伍段の拾肆段!? 一人で!? 本当?」

「うん」

「本当にすごいじゃない! 何よアキハ、実力そこまでって」


異死徒拾伍段単独撃破という事にカザミは驚きアキハをペシペシと叩き出した。


「それは三日前のことですから手紙出しても間に合いませんよ。だから帰ってきたら話そうと思ったのですが、先にミアが話しちゃいました」

「そういうことね。それでも凄いわ......」

「そりゃどうも」


俺は軽くお辞儀をした。

それから俺の編入の経緯や依頼であった事などを話しながら学園に戻った。

その後、夜にはハヤテと合流し、食堂でカザミの里帰りの話を聞きながら夜を過ごした。

曰く今回の里帰りは次の遠征の下調べも含めてだったものらしい。当初は依頼扱いでエルモアも行くはずだったのだが、エルモアの方が別の用事で一人で行くことになったとのこと。

それと帰ってきたばかりではあるが本人は遠征に行くつもりでいるらしい。

Aランクと言っているから実力上問題ないのだろうがよく働くものだと感心する。

話も終わり時計の針が零時を回った所で俺らは解散した。俺はすぐに部屋に戻りベッドへダイブ。

今日のことを思い出しながら、


(そういえばエルモアのパートナーは誰か分かったけどカエデのパートナーって誰だ?結局わからず仕舞いじゃないか。まあ良いや)


と考えるのをやめ眠りに着いた。

結構書くのに疲れたリヴァイ論です。地味に話が長くなりました。お陰でかなり疲れました。

因みにディフェレンターはストーリが決まってるので良いんですが、旅彼は地味に細かいなストーリー決まってないので悩んでます。


さて今回36話、日常回+新キャラカザミの登場。これからも出てくる主要キャラが36話に新登場ってのもあれですけど...あとは今回出されずに終わったカエデのパートナー。別に尺がなかった訳ではありません。ただ物語的に遠征の時に出した方がいいかなって...まあ、読者の中には薄々気がついている方もでしょうけど敢えて言いません。

次回は遠征です。第一回の遠征。どのくらい長くなるかはわかりませんが、これまで出てきたメンバー戦います。異能力の予想をしながら気長にお待ちください。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見てください。

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