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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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32話 街と約束

モチベあるのにやる気が起きないこの頃。

モチベあるんですよ。モチベは。

北の街ウヌスは北の村ヤヌスより先にある街。そのため朝早く出たものの到着したのは昼前になった。

そして今回は村の時とは違い、街に着いたら俺達の方から街長会いに行き話を聞く。

当たり前の事ではあるが依頼しているのだから出迎えて欲しさはある。というかそっちの方が楽だし。

そんな事を思いながら俺は今回の依頼の内容を頭に通し、街長のいる公民館から出たところだ。

さて、これからどうするか。昼前という事で若干小腹を空いてなくもない。ただ、今回の依頼は前回と違う点として宿はこちらで探せということ。

面倒極まりないが街にまで来て野宿。は、流石に避けたい。なんなら夜は死徒と戦うかもしれないのだから休めるところは確保したい。

ミアも同じ気持ちのようで俺達は宿を探すと同時に街を観光することにした。

遠征はどうか知らないが、依頼で街に来た時はこんな風に二人で観光出来るようだ。

村かその周辺の村にしか行った事のない俺からすれば見るもの全てが初めての体験だった。

正直かなり興奮してたと思う。

隣を歩くミアが楽しそうにする俺を見て優しく微笑んだ。


「楽しそうだねアルト...」

「そりゃ...まあ、依頼ではあるけど他の街や国は行ったことがなかったから」

「私も楽しいよ...」


存外ミアも楽しんでいるらしい。そういう表情は見受けられなかったが、それでも本人が言うのだからそうなのだろう。

存分に歩き回ったところで俺達は安い宿屋を見つけ夜まで休む事にした。


------------------------


日も街も暗闇に沈み出した頃。俺とミアは街の外へ出た。

今回の依頼はここ最近街の外で頻繁に出没する死徒の殲滅。

前回の依頼の続きと学園長は言っていた。恐らくは異死徒拾伍段が倒されたことで村を襲うのをやめ街まで来たのだろう。


「でも、普通リーダー的存在の異死徒拾伍段が倒されて村より大きい街を襲うもんか?」

「どうだろう...ただ、ここの街は騎士もディフェレンターも居ないからね...」

「確かにそうかもしれないが...それでもじゃないか?」


たとえ、騎士やディフェレンターが居なくても襲うのか?少なくとも俺なら襲わない。


「もしかしたら...この先に何かあるのかも...?」

「この先というと...あとは北陸か?」


北陸。

ここ東洋とはまた別の国。

貴族や身分の高い人が多かったような気がする。俺自身行った事がないため実際どうかは知らない。

エルモアが北陸に詳しかったはずだから帰ったら聞いてみよう。


「まあ、とにかく俺らは俺らの仕事をしよう」

「そうだね...」

「じゃまた後で...」

「え...?」

「え...?」


俺が手を振り去ろうとした時、ミアが不意を突かれたような声を上げた。


「何処行くの...?」


振り返った瞬間ミアが不安そうに俺の手を掴み聞いてきた。


「何処って...死徒倒しに行くんだよ。二人一緒に行動してたら時間かかるだろ?」

「そうかも...しれないけど...」


ミアの不安げな表情が濃くなる。

俺はミアの顔を見て、ただ思った事を口にした。


「そんな顔はしないでほしい。ミアのそんな顔を俺は見たくない」


ミアが心配する理由はわかる。

ほんの数週間前の依頼で俺は異死徒拾伍段と遭遇し死ぬ寸前まで追いやられた。

ミアがいなければ間違いなく死んでいただろう。

恐らくミアはその事を自分が一緒に居なかったからと思っているのだろう。

だからこそ。ミアに心配させたくなかった。

俺はミアが安心できるよう言葉を紡いだ。


「俺はもう負けない。絶対に死なない。誰が相手でもだ」


親が子をあやすかのように、俺はミアを安心させようとミアの肩に手を置いた。

そして言う。


「大丈夫。絶対ミアの元に帰って来るから...俺を信じてほしい」


俺の言葉がミアに届いたのか、ミアは俺の手を離した。


「わかった...アルトを信じる...だから...絶対帰って来て...」


ミアは不安そうな表情を残しながら俺に言った。

俺もそれに答えるように、精一杯笑顔の笑顔で言う「当たり前だ!」と。

そこで俺とミアは別れた。

互いに互いの姿が見えなくなるまで振り返る事はなかった。

振り返る必要はない。

絶対に帰ると約束したから。

例え誰が相手でも生きて帰ると約束したから。

そう。例え相手が異死徒拾伍段でも...


「あなたね。ユサを倒して私に余計な仕事を押し付けた人間は」


頬に拾肆の文字が刻まれた肌白い娘が、俺に敵意を剥き出しにして言ってきた。

俺も相手に習い挑発気味に答えた。


「なるほど...俺は悪運がかなり強いらしい。で?俺がそのユサ?を倒した奴だとしてどうするんだ?ちなみに俺はお前が誰であろうとぶった斬るだけだが?」


そう言って刀をちらつかせると死徒は腹を抱えながら大笑いした。


「私をぶった斬る?なかなか面白い冗談を言う人間もいるものね。愉快だわ」


ひとしきり笑った死徒はこちらに向き直り、睨みつけながら名乗りした。


「私は異死徒拾伍段第拾肆段カラキ。あなたのような人間如きじゃ触れることすらできない雲の上の存在よ。まあ、これから死ぬ相手に名乗るのもあれだけど特別に名乗って...ッ!!」


死徒の首筋から血が溢れる。

いつの間にか自分の首が傷つけられてる事に驚いたようでカラキは咄嗟に後ろを振り向く。

そして一瞬で移動した俺の姿を見てさらに驚く。

そんなカラキに俺は血を振り払いながら言う。


「誰もこれから殺す死徒の名前なんか聞いてねぇよ!帰りを待たせてる相手がいるんだ。長い名乗りは他所でやってくれ」


俺は血が取れた黒い刀をカラキに向ける。


「舐めんじゃないわよ!!」


俺の挑発に怒りを露わにしたカラキは掌をこちらに向ける。

しかし、そこから何が放たれるわけでもなく、ただただ静かだった。

俺は咄嗟に横へ飛んだ。

何かが見えた訳じゃない。ただ、本能が避けろと告げてるのを感じ取っただけだ。

その判断は正しかった。先まで俺のいた場所は、見えない何かによって削り取られた。

その光景に驚き目を剥いているとカラキが再び、見えない何かを放った。

俺も再び飛び避ける。


「ッ!!」


しかし、ほんの少し遅かったらしく、マントと太腿の肉がえぐられた。


(人の肉やものをえぐるほどの威力を持つ、見えない何かを放つ異能力か?普通に厄介だな)


俺はマントを少しちぎり足を止血する様に結ぶ。

カラキは悠長なことをしている俺に再び何かを放つ。


(見えないから大きさもわからない。ただ、問題は見えないと言うだけ!)


俺は刀で地面を掘り土煙を起こす。それにより見えない何かが見えるようになった。


(球体。大きさは掌で収まるサイズ。速さはそこまで速くない)


その一瞬でわかる情報を頭に留め球体を避ける。

カラキの方を見るも、自分の異能力の正体を知られたことを気にしている様子はない。

バレても関係無いと言うことだろう。

再び掌から球体を放つ。

俺も先と同じように土煙を起こす。 

そして試しにと、球体に対し刀で縦から斬りつける。

けれど、俺の刀は球体を滑るようにズレた。


「くそっ!斬れねぇのかよ!」


自分の腹の前まで来た球体に愚痴を吐きながら俺は地面を蹴って避ける。

しかし、今回の球体はそれでは終わらなかった。

球体は方向を変え、俺の元へ飛んできた。


「あはは!避け切れたと思った?残念でしたー。あはは!」


頭の悪い笑い声が耳に届く。

どうやら球体はカラキによって方向や動きを操れるらしい。


(斬れず、避けても追いかけて来る。しかも触れれば肉をえぐられる。とんでもねぇな)


チート気味の異能力に心底うんざりしながら俺は刀を構える。


(少し前の俺だったら即死だっただろうよ...今は違う!)


逃げるのをやめ、距離を取った所で向き直る。


影陰乱舞(えいいんらんぶ)...水無月(みなづき)!!」


刀を地面に突き刺す。それにより突き刺した刀の周囲から影が生み出される。


陰層天守(いんそうてんしゅ)!!」


そして、刀を引き上げる事によって影の壁が作られる。

球体は影の壁に触れ打ち砕かれ消えた。

その光景にカラキは驚き固まっている。

ただ、これに関しては俺も驚いている。俺の技が通じた事。俺の影が通じた事。

その全ての驚きを胸に留め。俺は刀を向ける。

そして、俺は勝てるぞと、お前を殺せるぞと圧をかけ、いつもの台詞を放つ。


「さぁ、覚悟を決めな!」

本編書くより他の調べ物に時間を使いまくったリヴァイ論です。調べた結果「もう、これオリジナルでいいや」ってなりました。


さて今回、いつにも増して駆け足感が凄いですね。いや実際「話を進めよう。話を進めよう」って必死だったんでしょうがないんですが...面白くなり出した頃に駆け足になるって言う...

さあ、アルト君。新技出ましたね。最後ですけど。

影陰乱舞。なんで影陰乱舞なのか?って適当です。ガチで適当です。由来はなんとなく考えてあるんですけど、まあ本編で語る機会あれば語ります。語るとしたら次回か依頼終わってからになると思いますが。

あとはミアちゃんの過去ですね。これもそのうち語ります。ただ!そのためには!話を進めなければ!

はぁ...辛い。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。

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