27話 復活と日常
そろそろ体力尽きて死にそうです。
日の光に負け目が覚めたのは既に昼を回った後だった。
昨日一度目覚めたのが夜中だったこともあり、こんな時間まで寝てしまったのだろう。
未だに残る痛みを堪えながら体を起こす。
視線を動かすと、隣の机にラップに包まれた料理と一枚の手紙が置いてあった。内容はユスケからのものだった。
かなり長く書いてあったが、簡潔に言えば飯食って、薬飲んで安静にしてろ。動けるようになったらとっとと出てってくれ、だ。
俺は苦笑しながらラップを外し食事を取る。
自分でも気づかない程腹が空いてたらしく、あっという間に食べ終えてしまった。いや、よくよく考えれば、五日間寝たきりで、昨日起きても何も口にしてないので腹が減っててもおかしくないものだ。
食事を終えた後は用意された大量の薬を飲む。
かなり苦かったが何とか飲み切った。
やることもなく、安静にしてろと言われたのでもう一度寝ようとした時、医務室の扉が開いた。
「アルト...起きたのか!」
懐かしさを感じさせるその声の主は、幼馴染みのカエデだった。
いつも冷静なカエデだが、今はとても動揺している。
俺が起きてることに気がつき、近くまで寄って肩を掴んできた。
「アルト!無事だったか!良かった...」
何故か酷く疲れた様子で肩を下ろすカエデ。何があったのか聞こうと思ったが、それより早く何人かが部屋に入ってきた。
「アルト!アルト!生きてるのか!」
「アルト!無事だったの?すごい怪我だって聞いたけど...」
「ミア!アルトが起きてますよ!アルトが生きてますよ!」
と、医務室であるにも関わらず俺の安否を確認しては騒ぎ出すエルモア達に、さらに後ろから一人の少年が声を掛けた。
「アルトが目覚めて興奮してるのはわかるけど、ここは医務室なんだから静かにしてくれ」
その少年はユスケだった。ユスケはエルモア達の間を抜け、食器を持ち、薬を飲んだことを確認してから無言で部屋を出た。
皆少し呆気を取られたが、すぐにうるさいの代名詞を持つアキハが騒ぎ出す。
「それより!アルト!大丈夫だったんですか!異死徒拾伍段と戦ったって聞きましたけど!」
「ほんと、良く生きて帰ってきたね」
ハヤテも続いて話出す。
二人は余程嬉しいのか休む事なく喋り続ける。
対して俺は最初の方は聞いていたが、途中から後ろで縮こまりながら何か話したそうにしてるミアに視線を奪われたままだった。
それに気づいたエルモアは二人を止めるように話に入った。
「二人とも、話したい事は山ほどあるだろうけど、ここはヴァイズ・レットに譲ったらどうだ?この中じゃ一番心配してたみたいだし」
最初に入ってきた頃とは全く違う温度差でビックリしたが、ある意味でいつも通りなエルモアに感謝した。俺もミアと話したかったから。
すると、アキハが「そうですねー」と言い他のみんなを連れて部屋を出て行った。出る間際にアキハが「評価戦の後と同じですね。二人共ゆっくりして下さい」と言い残した。
余計な事は言わなくていいんだよ!
やがて、俺とミアと二人きりになった。
ミアは俺と向かい合う形で椅子に座り話始める。
最初は気不味い空気が流れると思っていたが、それを押し潰すようにミアが心配をぶつけてきた。
「アルト...無事でよかった...異死徒拾伍段と戦って、村長さんから毒のせいで数時間も持たないって言われて...本当によかった...」
「えっーと、俺は何があったか良くわからないんだが、とりあえず助けてくれてありがとう」
俺は頭に疑問を残しながらも、ミアには最初に伝えたかった言葉を伝える。
俺の言葉を聞いたミアからは不安と焦りが消えた。
「アルトが感謝することじゃない...むしろ私が言いたい。頑張って戦ってくれてありがとう...死なないでくれてありがとう...」
その笑顔は日の光にも等しく明るかった。俺には眩しいほどで、直視してると恥ずかしくなり、頬に熱が篭るのを感じた。
さりげなく視線を逸らし俺は頭の中の疑問を聞く。
「それで?俺が寝てる間何があったんだ?村の事とこっちに帰ってきてからのことで」
「色々なことがあったよ...まず、アルトが倒れた後村では...」
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ミアの説明によると村は無事で復興作業も開始してて、学園では俺が異死徒拾伍段と戦って帰ってきて大荒れだったと。簡単に言えばこうだったらしい。
学園が大荒れだったのはどうでもいいが、村が無事だったのはよかった。
「それと学園長が話があるから来れるようになったら来て欲しいって...」
「学園長が?...じゃあ、行くか」
「えっ?...駄目だよ、まだ動いていい怪我じゃないんだから...」
起き上がろうとする俺をミアが必死に止める。
けど、俺はミアの手を離し言う。
「大丈夫だって。まだ戦ったり、運動は出来ないけど、もう十分回復した。これ以上寝てても体が鈍るだけだし」
「でも...」
どうしても納得の行かないらしいミアの頭に手を乗せ語りかける。
「大丈夫。俺はもう動ける。心配は要らない。それに、なんかあったらミアが守ってくれるだろ?」
「......わかった。でも、無理しないで...」
「わかってるって。だから心配すんな」
俺はそう言って笑顔を向ける。その笑顔に反してかミアも笑顔で返す。
その明るい笑顔と自分がミアの頭に手を乗っけてたことに恥ずかしくなり咄嗟に手を離す。
俺は恥ずかしさを隠すようにベッドから降りて「早く...行こうぜ」と言って部屋を出た。
部屋を出る瞬間、ミアが俺に触られた頭に触れ少し笑顔になったのを見て、また顔が熱くなるのを感じた。
土日に動きすぎて完全に体力が尽き、月曜学校行けず小説書いてるリヴァイ論です。
土日は休日のはずなのに一ミリも休めていないからこうなりました。皆さんは無理せずちゃんと休みましょう。
さて、今回は前回も言った通り後日談的な回です。
ただ今回は、評価戦の後に寄せて書いたので楽ではありましたが、若干面白味に欠けたのかな?と思ってます。あと、次回の話のために今回は少し早く終わりました。次回は学園長と二度目の対面です。
最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見てください。




