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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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26話 温もりと思い出

リヴァイ論は完全にゲームとかの方の名前で、他の名前にしようかと考えてるこの頃。

死徒は太陽光を当てるか、頸と胴を切り離すことで殺すことが出来る。逆に言えば、それ以外で殺すことは出来ないということ。

アルトの刀は確かに死徒に届いた。そして斬った。その体を...


「危なかった...再生途中の腕を挟まなかったら完全に頸を斬られてた...全く、君には心底腹がたつよ...」


頸は斬れていなかった。腕を途中で挟んだことで刀の軌道がズレたのだ。

刀は頸を巻き込み胴を斜めに斬り落とした。

しかし、それでは死なない。頸を胴から切り離せた訳ではないから。

アルトが倒れた後、死徒は自力で立ち上がり自らの体を繋げた。

アルトは死徒を倒せないまま意識を失ったのだ。


「君には絶望して死んでもらおうと思ったのに、勝手に気絶しちゃ悲鳴を聞かないじゃないか!」


倒れたアルトの腹を蹴る。

ダラダラと血は流れるもアルトは起きない。


「別に寝たきりならそれでいいさ。君はここで死ぬんだ。寝てたほうが楽だろう?」


死徒がアルトに手を伸ばす。

腐触の力によってアルトの体は腐り果てるだろう。そうすれば間違いなく死ぬ。

死徒の手が目の前に来ても、アルトが目覚めることはなかった。


「これで本当に終わりだ。死ね!ーーッ!!」


死徒がアルトに触れようとした瞬間、その手は目に見えない何かによって吹き飛ばされた。

手首より先が消えている。慌てて再生し、何かが飛んできた方を見る。

そこに居たのは...


「そこから離れて...アルトから...離れて...!」

銃口を向け、怒りを露わにした絶殺(ミア)の姿だった。


------------------------


銃口を向ける娘を見ながら死徒はほんの少し頭を傾げる。


(仲間がいたのか...いや違う。この女は最初に送った死徒の相手をしてた女だ。もう来たのか?)


死徒狩り側が何人いるかを把握してなかったのと、雑魚とは言え何体もの死徒を送り込んだのにこちらに手を来るのが早すぎることに疑問を持った。


「君、あっちに雑魚を送り込んだ時相手してたよね?もう来たの?村は捨てたってこと?」


煽りながら声をかけると、娘は銃口を向けたまま淡々と答えた。


「死徒は全部殺した。一匹残らず...あなたの後ろに控えてた奴らも...」

「ッ!」


娘から出た一言に思わず後ろを振り返る。

すると、そこには大量の死徒の死体があった。この娘の言った通り確かに死徒を一匹残らず殺したらしい。

ただ、何よりも驚いたのはその後だった。

ほんの一瞬、目を離した隙に娘は倒れた少年を回収していた。


「ッ!お前ッ!」


少年を取り返そうと娘に飛びかかろうとした。

けれど、体は動かなかった。それどころか視界が反転している。

自分の頭が地面に着いたことを感じた。

恐る恐る横に目をずらすと自分の体が倒れている。

そして、娘の手にはいつ持ったのか一本のナイフが握られている。少量の血が垂れている。

そこでようやく理解した。


(ああ、僕はやられたのか、あの一瞬で...)


自分が一人の娘に殺された事を...


------------------------


頸を斬られたことを感じ取った瞬間、真っ白な空間に出た。

(これは走馬灯だろうか...いや、死んだ後の後悔だろう。人間を辞めたというのに人間と同じように後悔するのか...)


心なしか暖かさを感じる。


(僕は他人が羨ましかった。自分以外の物に触れることの出来る人が...生まれつき、触れた物を腐らせてしまい親からも忌み嫌われた自分が憎かった)

今まで忘れていたことが蘇るように頭をよぎる。

(自分を、人を嫌った僕は、()()()によって死徒にされた)


自分が死徒になった経緯を思い出した。


(最初はいい気分だった。この力を嫌に感じなくなって。人に嫌われても自分が憎くなくて...家族を殺したあたりから自分はもう既に人じゃないんだと自覚して...)


自覚して...自覚して...


(忘れた...人であったことを...人として生きていたことを...一度の死を持って忘れた...)


自分の体が消えていくのを感じる。痛みもなく消えていく。


(ただ、あの少年の手に触れた時、人の暖かさを思い出した。ああ...人はこんなにも暖かかったのか...)


視界が少年を抱える娘の元に戻る。伸ばしても届かない二人の元に、


(でも、また忘れる...二度目はもう無く...)


誰かの声が聞こえた。


『ユサ...もう、いいのよ...あなたはもう何も憎まなくていいのよ...」


母親だった人の声だ...


(暖かい。さっきと同じだ。この温もりはもう忘れたくない...忘れない...)


そこで僕の意識は完全に切れた...


------------------------


アルトを抱えてその場から離れる。死徒が死んだのを確認し、村に戻る。


(出血が酷すぎる...皮膚が腐り果てて止血出来てない。人間の治癒能力が働いてない...!)


一度アルトを助けられたものの、このままではアルトを死なせてしまう。

村に戻って助かるかはわからないが、今は足早に村へ向かう。

村の人がアルトを抱えてる私を見つけこちらに近づいてきた。


「嬢ちゃんどうしたんだい?その坊主は!」

「死徒にやられてました...出血が激しくて...このままじゃ...ッ!」

「わかった...おじさんに任せろ!とりあえず村の救護施設まで運んでやる!」

「お願いします!」


自分の無力さに唇を噛み締める。


(無力だ...戦う力だけあっても、助ける力は...私にはない...ッ!)


救護施設に着いて医療室の前で私はアルトの回復を待った。

しかし、五分もせずに医療室に入った村の人達が出てきた。


「アルトは...?」


村の人が皆暗い顔をしている。

その中で村長が代表して話してくれた。


「アルトさんの容体は非常に深刻です。アルトさんにかけられたアレは毒の類です」

「毒?解毒は出来ないんですか...?」

「残念ながら私達の村では解毒する術はありません。恐らく、この先の街にも...手は尽くしましたが、私達ではこれ以上は...」

「アルトは...アルトはどうなるんですか...?」


不安が込み上げてくる。

胸の奥が締め付けられて、すごく苦しい。


「あと、数時間もせずに死んでしまうでしょう...」


一番聞きたくなかった言葉が今、村長の口かから放たれた。

「どうすれば...」ただひたすらにアルトの助かる道を探すも、自分の無力さだけ頭に残るだけ。

苦しい顔をする私に村長が外を指を指して言ってきた。


「あそこに村で一番早い馬車があります。そこで異能力学園まで戻るのはどうでしょう。あなた方の学園には治癒の異能力を持つ方がいると聞きます」


はっ!と顔をあげる。


(そうだ!ヒラノだったらアルトを治せるかもしれない!)


村長は私の顔を見て話を続ける。


「代金は頂きません。あなた方のはこの村を救ってくれました。村の後処理はこちらで行います。さあ、希望があるうちにどうぞ、お行き下さい」


どうやら、馬車の方も既に準備ができてるらしく私とアルトの荷物を既に積んであった。

アルトも私の後ろで村の人達が慎重に運んでいる。


「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」


私は感謝した。心の底から感謝した。

そんな私に村長は優しい言葉をかけてくれた。


「若いものを助け導くのが年配者の役目です。ましてや、あなた方はこの村を救ってくださった英雄...ディフェレンターです。そんなあなた方に恩を返さずしては生きる恥です。ですので、どうか生きて、多くの人を救ってください」


ディフェレンター...ただの異能力者の事だ。ただ、異能力を使える人の事。


(ただの総称なのに...絶殺と呼ばるよりは嬉しい...)


ほんの少しその嬉しさに浸ったあと、もう一度村長に一瞥し村を出た。


「アルト...もう少し我慢して...」


馬車の中苦しそうに眠るアルトに手を添え、小さく呟いた。

アニメ見てて投稿が遅れたリヴァイ論です。

土曜深夜の秋アニメは見たいものづくしで最強ですね。

さて、今回は異死徒拾伍段との本当の決着です。というか、アルト君倒せてませんでした。雑魚です!

むしろ、ミアちゃん強過ぎという...ほんの一瞬視線を外しただけでアルト君の斬れなかった頸を斬ってるんですよね。さすが学園最強。

中盤は異死徒拾伍段ユサの話。予定だとここを入れるつもりはなかったですが、ここであっさりやられてもかわいそうと思ったので短いですが入れました。

あとはユサを死徒にしたあの方とか...ラスボス感ありますね。

最後はミアちゃんの心情?とは言うかアルト君心配のお話?ですかね。まあ、簡単に言えばアルト君復活まで何があったですよね。

ミアちゃんがアルト君に対してどんな気持ちを抱いているか、こっちで言うとネタバレになるので深くは言いませんが、まあ、あんな感じです。

次回はアルト君視点に戻って現在のお話。日常回になりますね。地味なネタを挟みつつほんわかと書いていきます。


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見てください。


後書き長いな...しゃあない

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