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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
25/154

24話 異死徒拾伍段

挿絵欲しいなぁと思ってるこの頃

異死徒拾伍段。

ハヤテから聞いた話では異死徒拾伍段とは、異死徒の中でも特に強い十五体の死徒。その上にその死徒達を仕切る死徒がいるらしく、俺らの目標もそれらしい。

異死徒拾伍段は他の死徒とは比べ物ならなないほど強く、学園でも異死徒拾伍段を倒した経験のあるのはミアともう一人しかいないらしい。

まあ強い以前に出会う事がほぼないというのもある。しかし、出会って生きて帰れる保証はない。少なくとも普通の死徒で苦戦する程度では死は免れないだろう。

その拾伍段が今俺の目の前にいる。俺を殺そうとジリジリと近づいてきてる。戦えば確実に負ける。確信付けるほど目の前の死徒から恐怖を感じていた。

全力で逃げればなんとか撒けるかもしれない。そう思い後ろを振り向き走り出そうとする。しかし、走り出す事はなかった。

何故か、それは逃げた先が村だからだ。

今村に向かって逃げ出せばここに来て死徒を食い止めた理由が無くなる。

ミアも未だ戦闘中でこっちに構う余裕なんてない。

つまり、俺がここでこの死徒を食い止めなければならない。

恐怖を飲み込み刀を握る。

そして、縮地で一気に距離を詰め頸を狙う。取った。勝ったとそう確信した。


「...なっ...!」

しかし、拾伍段の頸は斬れておらず、俺の刀は頸のところで止まっていた。


「どうしたいの?もしかして、僕の頸を斬れるとでも思った?残念だね」

「ッ!...ぐっは...!」


ニヤリと笑い拾伍段は俺の無防備な腹に一撃を入れる。

遠くまで吹き飛ばされる。痛みの余り吐血するもなんとか立ち上がり刀を構える。


(殴られた腹と吹き飛ばされた時に木にぶつかって全身が痛い。けど、ここで逃げたら駄目だ)


拾伍段はゆっくりとこちらに近づいてきてる。


(影を纏った状態でも俺の力じゃ斬れなかった。でも、()()()なら!)


小さく呼吸する。

表と裏の入れ替わりを感じ取る。

あの死徒との戦い、もう一人の俺(アルト)に身を預ける。


------------------------


いきなり入れ替わってみてみれば、なんというひどい怪我。さっき一撃でほんの少しだけ内臓がやられている。何分も持たないだろう。タイムリミット付きで入れ替えてきたもう一人の俺(アルト)に恨みを持ちつつ死徒に向かって走り出す。

堂々と正面からやってきたオレを見て死徒は当たり前のように殴ってくる。


「おりゃあ!」


オレはそれを躱し殴ってきた腕に斬りかかる。

しかし、


「硬ぇ!」


影を纏った刀で勢いよく斬りかかったのにも関わらず血の一滴すら垂れてない。

ダイチの岩と比べた所で話にならない。


「今までどんな死徒を相手してきたかは知らないけど、僕を他の雑魚一緒にするなよ」


全身の身の毛がよだつ。

心の底からこの死徒に恐怖し、全力で離れ距離をとる。

今まで感じたことのない恐怖がオレを襲った。


(いや、この感じ。これ以上の恐怖をオレはあっちで何度も味わってる。ただそれとは違う何か...)


考え事に意識を向けていて気づかなかったがすぐそこまで死徒が迫り来ていた。

殴りかかってきた拳を躱し、次は頸を狙う。

今度は刀を素手で止められる。けれど、刀は引かず、そのまま押し込む力を入れる。

グイグイと押される死徒は余裕を残した笑みでオレに言った。


「君は...愚かだね...」


その言葉と同時に刀の刃が垂れ落ちた。


「は?」


何が起きたか分からずオレはそのまま立ち尽くしていた。

そんなオレに構わず死徒は顔面に一撃を入れる。咄嗟に防御するも間に合わず再び吹き飛ばされる。

盛大に吹き飛ばされたように見えるが、この体は元々俺のものじゃない。そのため痛みはほとんど感じず、すぐに立ち上がることが出来た。

だが、今はそんなことどうでもよく、それ以上の問題が自分の手にあった。


「なんで...刀が折れてるんだ...?」


刀の刃の半分より先が折れている。

何故だ?

確かにこの刀を最初に持ち出してからもう既に十年以上経ってはいる。しかし、それだけで折れるだろうか?

ダイチとの戦いで荒っぽく使った覚えもあるが途中から異能力を纏うことでなんとかなっていた。

ハヤテが異能力を纏うにはどうこう言ってた気もするがそれが原因なのか?

思い当たる節はいくつからあるも、そのどれかまでは分からなかった。

訳も分からず頭を抱えているオレに死徒は不敵な笑みを浮かべたまま話した。


「君の刀が折れたのは寿命でも、君自身の異能力が原因でもない。僕の手に触れたからさ」


は?手に触れたから?「どういうことだ?」と聞くよりも早く死徒は答えた。


「僕の異能力は腐触。触れたものを腐らせるのさ。だから君の刀は腐り、折れた」


そういうことか。さらに死徒は言葉を繋ぐ。


「君では僕には勝てない。諦めたまえ。君の死は今ここで確定した」


謎が解決した喜びよりも明らかに勝てないと理解した絶望がオレの埋め尽くした。

恐怖と絶望が完全にオレを押し殺した。そして諦めたかのように、合図なしでもう一人の俺(アルト)と入れ替わった。


------------------------


突然合図もなしに入れ替えられ、どういう意味か()()()に問うも返事はない。一部始終を共に見ていた俺からすればなんとなく察しはつく。


(恐らくもう一人の俺(アルト)は恐怖に負けて戦意喪失したんだ。協力も望めないか...)


異能力の主導権だけを置き、影の世界に完全に引きこもった()()()から応答はない。

確かに、刀は折れ、ここまで傷を負っている。しかも相手はあの異死徒拾伍段。誰が見てもわかる絶望的な状況だった。

しかし、勝てないという訳ではない。少なくとも俺の中にはある可能性が生まれていた。

痛む場所を抑えながらゆっくり刀を構える。

ボロボロな俺の姿を見て拾伍段は不思議そうな顔を向けて聞いた。


「まだ戦うの?やめたほうがいい。その折れた刀じゃ僕には勝てない。大人しく殺されるべきだよ」

「生憎、諦めの悪い奴でね。死ぬにしても簡単に死ぬつもりはないんだよ」


俺は拾伍段を嘲笑うかのような喋る。側から聞けば痩せ我慢だが、悲しくも俺自身こういう事しか言えないのだからしょうがない。


「それに...」と話を続ける。

「それに...俺は端から死ぬつもりなんてねぇよ!バーカ!」


拾伍段から笑顔が消え怒りが滲み出ていた。

死にそうな奴が性懲りも無く圧倒的強者を馬鹿にされ腹が立ったのだろう。

拾伍段は自らの手を地面に叩きつける。

すると、途端に地面が緩み崩れ始める。咄嗟に飛びその場を離れる。

まるでダイチが使った砂地獄みたいだった。

恐らくは一瞬で地面を腐らせ地盤を緩くしたのだろう。

俺が避けたところを拾伍段は掴みかかる。手で防御しようとするがすぐに辞める。

理由は簡単。

刀や地面を腐らせる手に人の肉が触れたら何が起こる分からないからだ。少なくとも良い事はないだろう。

疑問に思っていると拾伍段がこちらの意図を察したかのように語り出す。


「僕の手に君の体が触れれば!君は一瞬で!体が腐って死ぬ!」


即死らしい。

どうりで何度も掴みかかろうしてる筈だ。

身長差で俺が勝っているためギリギリの所で躱せている。

しかし、逃げてばかりでは自分が不利になる一方なので例の可能性に賭けることした。

少し勢いよく飛び退く。若干距離が開いた所で俺は影を刀に纏わせる。

その様子を見た拾伍段は笑いながら近づく。


「ハハハッ!馬鹿か君は!君の刀は既に折れてる。その刀で僕を斬る事はできない!どんなに異能力を纏わせようと無駄だ!」


俺はそんな言葉を無視しさらに異能力を込める。

拾伍段が「死ねぇ!」と言いながら俺の顔を掴みかかろうとした瞬間。俺は刀を振った。

刀の刃は折れている。折れた刃で折れる前の時よりも斬れなかった異死徒拾伍段の腕を斬っている。何故か。

自分の腕が斬られたことに恐怖を抱いたらしく、拾伍段は俺から距離を取る。そして、折った筈な刀に視線を向ける。

するとそこには...

俺の影が折れた刃を補うように、形を創り出していた。

かなり眠いので後書き無しで。

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