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ディフェレンター  作者: 論です
1章 東洋編
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20話 Aランクの実力

夏休みがそろそろ終わる...!!マジで宿題に手をつけてないのがヤバイ!

開始の合図とともに俺の足元から先端の尖った岩が突き出る。咄嗟に反応し避ける。

ダイチはその後何度も同じ攻撃を繰り返しその度に身をよじらせて避ける。

反撃をしないのは勢いと見た目から俺の筋力では岩を斬る事は出来ないと判断したからだ。


「おいおい避けてばかりじゃ何も始まらないぞ」


防戦一方のこちらに煽りをかける。けれど俺はダイチを気にすることなく黙々と避け続ける。

それを不愉快に感じたダイチが攻撃のパターンを変える。

岩は丸太のような大きな太い形に変わった。

先の攻撃よりも遅いがそれ以上に範囲が広く連続して続いた。その為避けるにも飛び退いて避ける必要があった。

やがて避けきれなくなり刀を使って攻撃を受け流す。それを狙ったかのように丸太の岩から針のような岩が何本も突き出てきた。反応は出来たが避けきれず岩が俺の左肩を貫く。


「くっ!」


観客席から小さな悲鳴がいくつもする。

丸太岩を蹴って飛び針岩を抜く。

左肩から血が流れる。傷は深くないが決して軽傷ではない。その上俺の手元には止血するものがない。

ダイチはそんなことを気にもせず容赦無く攻撃を続ける。

出血により動きの鈍くなった俺では避けることすら厳しかった。しかし攻めようにも岩が邪魔をしてダイチの元まで辿り着けない。

飛び出した岩はダイチの意思で土に戻るかその場に残るか選べるらしい。


(こうなったら...!)


丸太岩の攻撃を背後に飛び避けそれを壁に一度死角に入る。ダイチも視界から離さないようすぐに岩を土に戻す。姿の見えたこちらにすぐさま岩を放つ。


------------------------


アルトは避けなかった。けれどアルトの体が岩によって吹き飛ばされることはなかった。

「こんなもんかよ...Aランクってのはっ!」

先程まで斬れなかった丸太岩をアルトは斬り落とした。それは裏側との入れ替わりを意味する。


------------------------


オレは走り出す。岩を斬れるという事実を得たことで攻撃する理由になった。


「脆いぞ!Aランク!」


技術のヘタレもなくただ強引に斬り落とす。それでも距離は確実に縮んでいる。だが届かない。ダイチはオレが近づく度に自らの異能で地面の土を増やし微かながらに遠ざけている。

当然それに気づいている。けれど超えられないのはオレにはその技術がないから、何より無限に湧き出る岩を斬るだけで事で手一杯なのだから...


「あぁん?なんだって?」


唐然喋り出す。その相手はダイチでも観客席の生徒でも教師でもない。先程入れ替わった自分(アルト)だった。


「考えがある?...それで行けなかったらお前、かなら辛くなるぞ!それでもいいのか?」


しばらくの沈黙。外に聞こえず内側から会話しているオレ何を言っているかはオレにしかわからない。

全て聞き終わりオレは笑みを浮かべる。


「わかった...お前に任せる。異能力も使わせてやる。いつでも待機しといてやるからお前が倒れた後でも気にするな...暴れろ!(アルト)!」


------------------------


その合図とともに飛んできた岩をアルトは反応し斬り落とす。ただ斬り落としただけだがその斬り方は先程とは全く違かった。

事情を知る生徒達はすぐに()()()()()()事を理解した。しかしそれを理解していてもそれが本当にアルトかと疑う程岩は綺麗に斬れた。


「ふぅ...なんとかうまくいったな」


------------------------


観客席の驚きを尻目に自分の挑戦が成功した事に安堵し胸を撫で下ろす。

しばらくして自分の岩を斬られた事がはっきりした。ダイチが声を上げる。


「お前!今何をした!どうやって俺の岩を斬った!」

「斬ったのは今が初めてじゃないだろ。さっきもバッサバッサ斬ってただろ」


もう一人(アルト)と入れ替わっている間も俺自身には意識があり最もなことを言い返す。それに対しダイチは首を横に振り、


「違う!そっちじゃない!()()()()はこの岩は斬れなかったはずだ!何故斬れた!」

「ああ、そういう事。お前も()()()のこと把握してんのね」


もう一人(アルト)を知られていた事に驚きの表情を見せる。けれどそれではダイチは納得しないようで無言で睨み続ける。

観念し丁寧に説明し出す。


「そもそも俺はお前の岩を斬ってないよ」

「岩を斬ってないなら何を斬ったって言うんだよ!」


ダイチから明らかな怒りが伺える。ふざけている訳ではないが意味のわからない事で自分の技が破られたとなれば納得行くはずがないだろう。

ダイチの反応に俺はいつも通りの様子で話を続ける。


「全てのものは影と照応する。岩の影が斬れれば本体の岩も斬れる。という事だ...っておっと」


こちらが話し終わる前にダイチが攻撃を仕掛ける。

幾多もの岩を俺に向けて放つけれどそれら全てが俺には届かず斬り落とされる。

攻撃手段を得た俺は走り出す。立ちはだかる岩は片っ端から斬り進み続ける。

ダイチも焦ってばかりではいなかった。


「なっ!」


俺がダイチの一直線上に入った途端...


「土の技境地ー砂地獄(すなじごく)!」


ダイチが叫ぶとこちらの足場の地面だけが砂となり、まさに蟻地獄に等しいものとなった。

体が沈み行く。足場がなくなったため縮地も使えなず逃げ出すことが出来ない。


「クッソ!」


靴が完全に沈み切る寸前、刀で砂とかした勢いよく地面を叩き体を飛ばして脱出に成功する。しかしそれはその場しのぎにしかならず地面に足を着けばまたダイチの技にハマるだろう。


(()()()が異能力を使えるようにしてくれてる。なら一か八か!)


体が落下する中俺は冷静に息を整え刀を構える。


(落ち着いて目を凝らせ!見える筈だ、足が着く瞬間に出来る足場となる影を!)


「......今だ!」


足が砂に着く瞬間生まれた影を足場に縮地によって砂地獄を超えそのままダイチに斬りかかる。

俺が向かってきた事でダイチは焦り出し始めて腰の剣を抜き受け止める。

受け止められたと同時に俺はダイチの腕を掴み体を勢いをつけダイチの側頭部に蹴りを入れる。

威力あまりダイチの体はほんの少し後ろに飛ばされる。

一連の動作が終わり互いに武器を構えたまま動きを止める。

そのタイミングを見てか観客席から歓声があがる。当然だろう。何故ならこの瞬間始めて俺がダイチに一撃を加えたからだ。

俺達は歓声を気にもせずただ向かい合ったままダイチから話し出す。


「砂地獄を越えるとはな...ほんの少しだがお前を認めてやる」

「そりゃどうも...それよりさっきのはなんだ?境地とか言ってなかったか?異能力でそんな事まで出来るのか?」


ダイチが技を出した事自体驚いているがそれ以上に境地という謎の単語が頭から離れなかった。


「教えてやるか馬鹿が、他の奴にでも聞け」

「心狭いなぁお前」

「黙れ...それと言っとくがあれが得意なのは遠距離からの妨害だけじゃねぇぜ!」


ダイチが走り出し斬りかかる。俺は刀を使い攻撃を受け流す。

幾度も剣と剣が交わる。熱狂の盛り上がりを冷まし観客達をのめり込ませるような高速の剣撃による撃ち合い。


「っ!!」


互いの実力はほぼ互角だっただろう。しかし剣術においては僅かに俺の方が上を行った。

剣を捌き下から斬り上げた俺の一撃がダイチの左肩に入った。


「土の技境地ー土壁(つちかべ)!」


追い打ちをかけるように上から斬りつけるもその攻撃は地面から飛び出した岩によって防がれた。

ダイチが異能力を使ったのだ。


「チッ!」


小さく舌打ちをする。

決して異能力を使っていけない場面ではない。けれど撃ち合いの中で互いに一度も使わなかった異能力を突然挟み攻撃を防がれたのだ。暗黙の了解を破られた気分になり少し苛立ちを覚える。

俺の攻撃を防いだ一瞬のうちに呼吸を整える。そして無数もの岩を放った。


「クッソ!」


その技自体に殺傷力はないものの肩、太腿を岩によって持ち上げ投げ飛ばされた事でダイチとの距離が開いてしまう。

足が着く前に先程と同じように針岩を飛ばす。

俺も当然反応し斬り落とす。足が着いた後も油断せず刀を構える。しかしそれ以上の追撃は来ずダイチも左肩を抑えながら剣を構えているだけだった。


「思ったよりやるじゃねぇか、ふん!どうせマグレだろうがな」

「その割にはマグレの一撃は痛むようで?」


一撃はかなり深く入ったらしく焦りながら煽るダイチに対し自分の傷はもう痛まないと見せつけながら煽り返す。

短気なダイチは当然のように怒りをあらわにした。

ダイチが口を開き言い返そうとする前にさらに煽りを加える。


「自分よりも格下な奴に一撃入れられただけでそこまで動揺するのか?焦って技の鮮度が落ちてるぜ?それでもAランクかよ...」


最後には憐れむような視線を向ける。

その一言が引き金になったのかダイチが無言で飛び出す。


「真っ正面から来るとか...それは当ててくださいって言ってんのか?」


ダイチを避けられない所まで引きつけタイミングを計り刀で斬りかかる。

「なっ!」


刀がダイチに接触する寸前岩で自らの身体を持ち上げ攻撃をかわす。


「俺の本気見せてやるよ」


高く舞い上がったダイチが剣を構えながら落下する。

こちらも刀を構えるタイミングを計る。


「しまった!」


唐突に俺は声を上げ全力で後ろへ飛ぶ。しかし時は既に遅かった。ダイチの姿すぐそこまで来ていた。


------------------------


「土の技境地ー土流・岩雪崩(どりゅういわなだれ)!!」

剣先に引っ張られ大量の土が剣撃と共に滝のようにアルトに襲いかかる。

威力は言うまでもなく会場である武道館全体を大きく揺らした。

誰しもが唖然とする。その一撃は勝負を決めるのには充分過ぎる一撃だった。

砂埃が晴れ武道館にいる全生徒、教師が目を向ける。しかしその場からアルトの姿は見えなくなっていた...

やっぱり戦闘描写は何度書いても難しい。変なところがないか何度見直した事か、お陰で更新遅くなりました!誤字脱字などありましたら教えてください。


取り敢えずノルマである20話は達成しました。ですがツイッターの方でも言いましたが夏休み終了前という事で投稿頻度が落ちます(これはマジ)

私事ではありますがどうかご理解お願いします。


さて今回アルト君対ダイチ君でした。

何というかダイチ君の咬ませ犬感がとてつもなく否めませんが、彼もそれなりに実力ある生徒です。

まあ主人公の最初の敵はどうしても負けフラグが建つものですからね。しょうがないです笑

最後の絶大な一撃をまともに食らったアルト君は無事なのか?ミアちゃんとのパートナーは打ち切られてしまうのか?次回をお楽しみに〜


最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見て下さい。

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