18話 もうひとつの世界
ツイッターにも宣伝したけど俺そこまで有名人じゃないし、しかも宣伝したのがサブ垢だから尚更
まあそのうち誰か認知してくれるでしょう。
(はぁ......どうしたもんか......)
自らの醜態に酷く頭を抱えるオレは倒れていた体を起こす。
「大丈夫.......アルト、じゃないね」
いつものアルトじゃないと悟ったミアは、警戒してナイフを向ける。
「不意打ちを根に持ってんのか? それとも、ただオレが嫌いなのか? どっちでもいいが今はお前とやり合う気はねぇよ」
オレは手に持っていた刀を鞘に納め、戦う意思がないことを示す。その様子に納得がいったのか、ミアもナイフを腰のポッケにしまう。
「丁度いい。こっちの俺はまだ目が覚めねぇだろうから今のうちに話すか」
「話す?......何を?......」
「オレの事だ」
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長くなりそうな話を立ちながらというのも面倒と感じ、ミアを連れ近くのベンチに座り話し出す。
「俺がお前に説明したのはオレの存在だけだろ? 今から話すのは何故オレがアルトの中にいるのかだ。というよりお前もこれが一番知りたかったんだろ?」
ミアは無言で頷く。それをみてオレは語り始める。
「オレはアルトがこの影の異能力を身につけた時から存在している。というよりは繋がったと言うべきか」
「繋がった......?」
「話を続ける前に、お前のその口調どうにかならねぇか? アルトも思ってるだろうが、その口調聞き取り辛くてうぜぇ。学園長と話してた時は普通だっただろ。それで話せ」
「あれは、目上の人......だから......」
「目上だろうが格下だろうが関係ねぇよ。普通に話せ。素を出せ。そっちの方がアルトも喜ぶ。ついでにオレも楽になる」
強引だったせいかミアが少し驚いた様子を見せる。
けれどその後何故か嬉しそうにして「うん、わかった。そうする」と話しやすい口調に変えた。
心の中でオレは「これでいいだろ?」と聞いてもいない馬鹿に問いかけた。
「話を戻すが、この世界とは別に影の世界ってのが存在する」
「影の世界?」
「この世界の裏側のことだ。建物や地形は全く一緒。違うのは色がなく真っ黒なのと、存在する人間がこっち側のやつ違う性格をしているって事だ」
「その言い草だと私やアキハもその影の世界にいるの?」
「ああいるぜ。お前のことは知らないが、あっちの女は若干根暗だったり、ハヤテの奴がアウトドア派だったりとな色々違うところがあるぜ」
ミアはオレの説明に何度も瞬きしながら興味深そうに聞いている。
「影の世界とこっちの世界は繋がっているが、行き来出来ることはない。あいつ以外ではな」
「どういう事?」
「オレも、本来アルトの体を使ってこっち側に出て来るなんて無理なんだ。けどアルトの異能力は影。それだけの理由であいつは影の世界と繋がった」
「繋がるとどうなるの?」
「単純にオレとアルトが体を使って入れ替われるってのもあるが、それよりヤバいのは......」
「やばいのは?」
「オレがこっちにいる間アルトは影の世界にいる事になる」
「えっ? それって......」
ミアの疑問よりもオレは話を続ける。
「ドッペルゲンガーってのは同じ人間が、同じ世界にいちゃならねぇんだ。だからオレとアルトは近くに居ながら会えることはねぇ。話をする時も越えられない壁を境に話す。あったらどちらかが死ぬからな」
この時のオレはとても悲しく、辛そうに話していただろうか。
「だから必ず、どっちかはこの世界にいて、どっちかは影の世界にいなくちゃならねぇ。それはオレらだけじゃねぇ。何かの拍子でお前や誰かが影の世界に来た時、影の世界のお前らはこっちの世界に来なくちゃいけねぇ。じゃなきゃ殺し合いになる」
「もし、どちらかが死んだら、もう片方はどうなるの?」
「何も起こらねぇ。人に限らず全てのものは影と照応する。だからと言って、死ぬも生きるも一緒って訳じゃねぇ」
「でも、今のアルトが死んだら......」
語尾から感じる辛そうな気持ち。
話してるオレも辛いが、聞いているミアにも辛いものがあるらしい。
その様子を見たオレは特に何も考えず、素っ気なく返す。
「別にオレが死んだところであいつは死なねぇよ。まあ、この体が死んだら元も子もないがな」
最後にはガハハハと大笑いするが、ミアは笑うわけにも行かずただ俯いていた。
オレも後ろめたい気持ちになり、真面目に、少し重要な事を話す。
「オレが死んだところであいつは死なねぇ。だが、あいつが影の世界にいる状態でオレが死んだらあいつは帰って来れねぇ」
「えっ、どういう事?」
先まで俯いていた顔が上がり疑問と不安の表情をに向ける。
「この体が空になれば、その時点で影の世界との繋がりが切れる。だから戻って来る事は出来ねぇんだ」
話していいものではなかった。けれど話さなければいけない事だった。
ミアが辛く悲しい顔をするのは予想出来た。しかし、これを伝えなければもっと辛くなるだろう。
だからこそオレは話した。
「この話を知ってるのは、お前以外にカエデとエルモアだけだ。お前に言ったのはお前を信頼してるからだ。オレはまだしもアルトはな」
真剣だった。話し出した時からそれは変わってないが最初以上に真剣な眼差しでミアを見つめ話した。
「この事は他に誰にも言うな! ハヤテにもアキハにも誰にもだ。カエデ達にも聞いたなんて言うな! いいな?」
ミアも真剣な眼差しで、
「言わない。絶対に誰にも」
と心に決め力強く言った。
「それは良かった。オレの話したい事はそれだけだ。オレは戻る。馬鹿が起きるまで膝枕でもしといてやれ。そうすりゃあいつも喜ぶ」
「......? わかった?」
「本当に鈍感だな......いや純粋無垢なだけか」
最後に笑顔を向け、眠ったかのように倒れる。
ミアはアルトの体を支えそのまま頭を膝の上に乗せアルトが目覚めるのを待った。
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(どういう状況だこれ?)
特訓をしていて気絶し、それから目を覚ますと目の前にはミアの顔がある。俺の様子を確認し「起きた?」と首を傾げ聞いて来る。
訳も分からない状況だが、誰かに見られたらまずいと考えからすぐに飛び退いた。
「何してるんですか? ミアさん?」
動揺がわかりやすく顔に出たのを隠しながら、ミアに質問する。
「膝枕」
「いやそれはわかるよ。なんでしてたの?」
「アルトが喜ぶと思ったから」
「なんで?!」
やっぱり理解できない俺にミアは、「もう一人のアルトと話した」そこまで言った所で納得がいき「そういう事か」と呟く。
顎に手を置き少し悩んだ後辺りを見渡して、
「とりあえず中に入ろう。ここにいたら体が冷える。決戦前に風邪引いたじゃ話にならん。それにもう夕飯の時間だろうし」
「うん。そうだね」
ミアの発言、主に喋り方の変化に気づき、驚きながらもそのことについて聞く。
「ところでミア、その口調どうした?」
「こっちの方が良いかなって......変?」
ミアが首を傾げると俺は笑顔答えた。
「いや。そっちの方が良いよ」
その言葉にミアはぱぁと明るくなり、俺の隣に来て歩き出した。その笑顔を見てさっき以上に顔が赤くなったのをバレないように隠すのにはかなり苦労した。
食堂に行く途中、俺は自分が眠っている間にもう一人の自分とどんな話をしていたか聞いた。
ミアは嘘偽りなく話した。何か隠していると思いつつ、その内容に対する心当たりから聞くことはしない。
ただ、何故か嬉しそうに話すミアの表情に、俺は少し見惚れていた。
毎日連続で投稿出来るのはいいんだが、友達が宿題無くして俺のを使ってコピーしてるのも含めて一切進まない。まあいいだろ。しょうがないことだし。
さて18話如何だったでしょうか。この回は書かなくていいどうでもいい回ではなく後々重要になっていく回なので何度も変な所ないか見直しました。これであったら恥ずかしいですがその際はご指摘お願いします。
ダイチ君との決戦はもう少しです。
余談(若干ネタバレぽい)ですがまだアルト君もミアちゃんもお互いに好きって訳じゃないんでよね。
アルト君のミアちゃんに対する心情は助けてくれた、学園に連れてきてくれた恩人ってのと、少し可愛いと思うところのある相手なんですよね。
ミアちゃんの方はネタバレになりますし寧ろ本編で書きますのでそれまでお楽しみください。まだかなり先になると思いますが...
でも自分結構こういう焦れったい関係好きです。すごい好きです。
最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見てください。




