11話 学園と案内
皆さま夏休みももう後半に入って参りました。いかがお過ごしでしょうか?宿題は終わりましたか?ちなみに自分は何一つ手をつけておりません。
話は変わりますが夏休みのノルマはとりあえず20話までいければと思ってます。張り切って参りましょう!!
かっこよく宣言して学園長と暑い握手を交わしたのはよかったが、おっさんの手を何分も握っているのもアレなのですぐに手を離した。
(見かけによらず結構硬い手だったな。それに服越しでわかりにくいけどガタイもいい。どう見ても六十過ぎたおっさんの体じゃない。異能力か?)
そんな事を考えながら自分の手を見つめていると奥から秘書らしき人が前に出て鍵を渡してきた。
「ではアルト・シャドウ、あなたは現時点をもってこの学園の生徒です。この学園の生徒は学園附属の寮を利用してもらいます。その鍵を」
『304』鍵にはそう書かれていた。
「あなたの部屋の鍵です。無くした場合はすぐに連絡を。学園に必要なものは既に部屋に置いてあります。それと、これからあなたに学園内を案内してもらう生徒を紹介します。私について来てください」
そう言って秘書の人は部屋を出た。俺もそれに続く。その前に、ミアの方を振り向くと学園長が、
「ミア君には少し話がある。ここに残っていてくれたまえ。アルト君、君が早くこの学園に慣れて充実した生活を送れるよう願っているよ」
と言い手を振って笑顔でこちらを見送った。俺もそれに答えるように一瞥してその場を後にする。
残ってくれと言われた時のミアの顔が辛そうだったのが少し気がかりだが、今は自分の事を優先した。
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部屋を出て四階程下に降り、少し歩いた所で一つの大きな部屋についた。
ガラスのドアから覗く限りそこは食堂のようだった。
食事中の生徒もいる中、躊躇なく中に入る秘書の人を見習い俺も後に続く。当然注目も浴びる。流石に慣れよう。
一直線に向かって行った先には、食事を終え暇を持て余している生徒がいた。
「ハヤテ・フェザント。こちらが編入生のアルト・シャドウです。あなたに彼の学園内及び関係場の案内役を命じます」
「わかりました。じゃあ行こうかアルト君」
軽い説明と案内役を用意され、俺は学園内を連れ回される事になった。
部屋を出た所でハヤテと呼ばれていた少年がこちらを振り返り、手を差し出して来た。
「改めて、僕はハヤテ・フェザント。君の案内役を命じられた者さ。よろしく。同い年らしいけど一応君より早く入っているから先輩と呼んでくれてもいいんだよ」
なんだこいつ。
この少年、ハヤテ・フェザントに対する第一印象はそれだった。
黒髪で身長は俺より若干高いくらい。一見スタイルが良いが雰囲気からして、どちらかといえばインドア派だろうというイメージがついた。
見た感じ悪い奴ではないようなのでこちらも挨拶を返す。
「アルト・シャドウだ。多分お前とは違う経緯でこの学園に入ることになり、お前に学園の案内をしてもらう者だ。同い年である以上お前のことを先輩と呼ぶ事はないからよろしく」
相手に合わせた挨拶をし、差し出された手を握る。
先程の学園長の手と比べると柔らかさがあり、あの学園長がどれだけ鍛えられているかがわかるような気がした。
握手をした後は話しながら学園内を回る事にした。もちろん話の種は俺のことだったが、
「君の編入の経緯は聞いてるよ。絶殺からの推薦だってね。絶殺が一日遅れて帰ると言った時はみんな焦ったさ。さらには編入を推薦したい人がいますって来たんだから大騒ぎだよ」
「そうだったのか」
自分が考えていた以上に俺の存在は意外で異常らしく、学園に来てからの視線の両手で収まる数じゃない。
ハヤテは手を大きく振りながら大袈裟に表現し話を続ける。
「しかも連れてきたのが男だとはね。男女関係なく君に視線が集まっただろう」
「まあ、鬱陶しく思うくらいには。でも流石にもう慣れた。それとさっきから言ってる、その絶殺って言うのはミアの事か?」
少し前に会った男も言っていた『絶殺』という言葉が気になった。ミアは話したくなさそうにしていたから聞かなかったが、ハヤテなら話してくれるだろうと聞いてみる。
「あぁ、君は知らないのか。そうだよね、外から来たんじゃここで誰がどう呼ばれてるかなんてわからないもんね」
「学園の事は多少予習してきたつもりだが、生徒一人一人は知らん。さっき会った男も言っていたし、お前も連呼してるんだ、さすがに気になる」
「さっきあった男? 学園長じゃなくて?」
「学園長より前にあった。俺より身長のでかくて髪が立っていた奴だ」
「身長が大きくて髪が立っていた......ダイチだね、それは」
「ダイチ? 誰だそいつ」
「ダイチ・ダイガ。学園でもかなり実力のある生徒だよ。絶殺と一緒にいたなら突っかかる理由もわかるなぁ......と話がズレたね、絶殺の意味だっけ?」
どうでもいい。と言うわけではないが本題とは別の方向に話がズレたので元に戻す。
「絶殺ってのは、ミアさんの二つ名さ」
「二つ名? 学園ではそんなものもつけられるのか?」
「学園というよりは生徒だね。誰が呼び出したのかは知らないけど、その強さと残忍さから彼女はそう呼ばれ始めた」
「残忍さって、ミアはそこまでじゃねぇぞ。ってかミアが名前で呼んでくれって言ってたのは......」
「何をブツブツ言ってるんだい?」
「嫌なんでもない」
いつのまにか独り言になっていたらしく、声をかけられて我に戻る。
「まあ、残忍とは言ったけど、彼女はそれなりにモテる。強い上に美しいってね。そういう愛称を込めての絶殺だよ。だから彼女が推薦したいって言った君は男子からは恨み妬みその他諸々が飛んでくるかもね」
「めんどくせぇな、まあミアがモテるのはなんとなくわかる気がする」
「おっ! 君もミアさんの虜かい? いやぁ、女子は誰だって可愛いけどミアさんは凄いからねなんと言ったてあの清楚感が......」
(あっ、こいつ女好きだな)
話が長くなりそうで、しかも止まらなそうだったので少し離れた所で見守ることにした。
(こいつ、顔はいいけどモテないな)
長い話と長い学園の案内が終わりようやく寮についた。
若干暴走気味ではあったがこちらが各部屋に対しての質問はしっかりと答えてくれていたので良しとしよう。
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「最後にここが僕ら生徒たちが利用する寮」
秘書は学園附属と言っていだが高さだけなら学園本体よりも高くでかい。
多分これに一番金がかかっているんだろうなぁ。
ハヤテの話では学園への援助は国から直接してもらえるらしい。確かに、死徒を危険視している国からすれば、それを討伐する学園には最大の援助をしてやるのは当然だろう。
寮に入り自分の部屋がある階まで登る。道中でハヤテから説明を受けた。
「この寮は一階一階男女のフロアが交互になっていてね男子奇数、女子偶数階になっているんだ」
「それ、女子としては不満しかないんじゃないか?」
「学園側としては交友を深めるためだって言ってたけど、これは設計社が側の趣味だろうね。まあ、僕としては嬉しい限りだよ」
最後にヤバそうな発言をしたハヤテを気にしちゃいけない。と心に念じ無視した。
「一つ階に部屋は十五部屋。東から『101』号室でその前に『102』号室って形になっている。アルトの部屋は『304』号室だからこの階だね」
歩いてるうちに自分の部屋がある階についていたらしい。しかしハヤテは丁寧に部屋の前までついてきてくれた。
「最後に、食事は朝は六時から、昼は十時半から、夜は十七時から食堂が開いてるからなんなら一緒に行くかい?」
「うん、まあ、今のところ誰かと食事する予定は無いし、わからないところあれば聞けるし、お前と一緒でいいか」
「じゃあ決まりだね。僕の部屋は『702』号室だから時間になったら迎えに行くよ。何かあった時は訪ねてくれて構わない。もちろん、何もなくても訪ねてくれて構わないよ」
「安心しろ。何かあった時以外とお前に頼る事はない思うから」
「釣れないなぁ。それと学園内は制服を着てないと歩き回れない。それは君も例外じゃないだろうから。多分部屋に段ボール箱があってその中に入ってる筈だから、うろつく時はそれを着てね」
「ん。わかった。何から何までありがとな」
「別にいいよ。これが仕事だし。君と話してて楽しかったからね」
八割ほど一人で話していたことは突っ込まないでおこう。
最後に気になった、あの二人について聞いてみた。
「最後にさ、エルモア・クラフトマンとカエデ・ホムラって奴知ってるか?」
「カエデとエルモアかい? 知ってる何も同期だからね。彼らがどうしたの?」
「同じ村の出身だから、いるなら会っておきたいなと思って」
「彼らは多分今日はいないかな? 街に出てると思う。夕方になれば帰って来るだろうからそれまで待ってみれば? 明日でもいいし。会いたいのはわかるけど長旅だったんでしょ? 疲れてるなら休んだ方がいいよ」
ハヤテは本当に最後まで面倒見のいい。二人がいることを知って、嬉しくて会いに行こうとした俺を疲れてないかと気にしてくれたのだ。
性格はどうあれ、とても優しい奴だと再認識した。
俺もハヤテの言葉に甘え寮で休む事にした。
現時刻は十一時。三十分後に食事をしようと約束した事を忘れて......。
もう少し書いてもいいかと思ったけど次の話の為にもここで切り上げました。次回ようやく!...ようやく!友達に考えてもらったキャラが出ます!!まあもう既に1人でてますけどね。ハヤテ・フェザント君。考えてもらったキャラです。でも次回はもっと多く出します!!お楽しみに!!
最後までご愛読ありがとうございます。次回も是非見てください




