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9話 あれ?また増えた?

 カエムシとの待ち合わせの場所へ着くまでの時間は長かった気がした。いや短いわ。




「なんでおミャーはこんな旅をしてるニャ?なんでこんな旅をしてるニャ?」

 ルーニャは右往左往しながら聞いてきた。


「さっき村長さんの家で話したよね。あれが・・・全てだよ。」

 嘘をついたがまあ仕方がない。


「ん〜?今の間はなんニャ?だいたいこのご時世にそんなことしてるやつなんかよっぽど変ニャよ。まあ、おミャーよりおかしいやつは山ほどいるけどニャ!」


 ルーニャは口が悪いのだろうか?まだカエムシと比べるとマシなほうか。


「しっかしまだ外はあの頃と変わらずかニャ〜。少しは良くなったかと思ってたのにニャ!」

 ルーニャは少し怒り気味に言った。


「まあまあ、これから僕達で花が咲いているルーニャ達にとっての夢を現実にするんだよ。」


「なんか臭いこと言ってる気がする気がするニャ・・・。そのとおりなんだけどニャ!」

 実は僕もそう思ってた。少し恥ずかしくなってきた。


「おっ、もうすぐ着きそうだよ。カエムシを見ても攻撃しないようにね。」


「むむむ、なるべく気をつけるニャ。」

 ルーニャは難しい顔をして言った。



 待ち合わせの場所には周辺よりも目立つゴミの山を作っておいた。ゴミも積もれば山となる・・・いやゴミ以外を積めやと突っ込みたくなるが。


「ニャニャ!?こんなところにゴミの塊がニャ!一体誰の仕業ニャ?」

 ルーニャは警戒している。


 そういえば待ち合わせ場所について説明していなかった。


「ごめん。ここが待ち合わせ場所だよ。どうせならもっとわかりやすい場所が良かったけどね。」

 などとふざけたことを言っているとどこからか声がした。


「おい!遅かったじゃねえか!お?誰だそいつ?」


「カエムシ?どこにいるの?」


「コジローの足元だぜ!」


 足元を見ると本当にいた。体は小さいままだ。


「大きくなってくれないと見えないよ。踏んだらどうするの?」


「そんときゃコジローの足に毒吐いてやるぜ!はーっはっはっは!」


「笑えないよ。」

 陽気なやつだ。


 カエムシといつものように話していたら、横でびっくりした猫がいた。


「ニャニャ・・・本当にカエムシと会話してるのニャ・・・。」


「だから言ったでしょ?これで僕がああいう旅をしてるって信じてくれた?」


「信じるニャ!信じるニャ!」

 ルーニャは思いっきり首を縦に振った。


「ああ、忘れてた。カエムシ、この人はねルーニャっていって、さっき訪れた村の村長さんを護衛してたんだよ。」


「人じゃないニャ!獣人ニャ!」

 ルーニャは訂正してきた。


「らしいよ。」


「へー獣人ね。よく連れてこられたな。」


「まあ色々あってね。あと食料調達はできなかったよ。ごめん。」

 と、謝るとカエムシはお腹を見せて


「ああ、そのことはいいぜ。おいらはもうお腹いっぱいだからな!」

 などと言ってきた。


「なんだって!?ずるいよ!」


「そういうかと思ってコジローのために何匹か獲ってきたぜ!感謝しな!」

 そう言って出てきたのは毒で中途半端に溶けた物体だ。


「ナニコレ?」


「魔物を弱い毒で溶かしたんだ。美味いぜ!」


「へー。毒で調理された魔物料理か。美味しそー。いただきまーす・・・って食えるかい!死ぬわ!」


「ぶははは!1人で何やってんだよ!」


「ほんとニャ。」


 カエムシとルーニャは笑ってくれた。

 笑っている場合でもないのだけれども。


 その後、カエムシに村であった出来事を話した。


「なるほど。ルーニャとやらは外の世界をほとんど知らないから学ばせるために連れてきたのか・・・。獣人は戦闘に長けているから厄介にはならなそうだな!」

 邪魔になりそうだったらどうするつもりだったのだろう。



 と、色々あって話しているうちに夜になっていた。


「今日は野宿をしようと思っているけれど、カエムシもルーニャも大丈夫?」


「おいらはいつも森でのんびりしてたから問題ないぜ!」

 そりゃそうだ。


「そうなると思ってドードの家から野宿用の道具を借りてきたニャ!おミャーには絶対に貸してあげないのニャ!」

 カエムシもルーニャも元気なこった。


「そうなんだ。」

 と軽く返しておく。


 さて、僕はどうしようかな。またその辺から埃の少ない布やら服やらでも敷いて寝ようかな。テントやハンモックがあればなあと思うがそんな贅沢は言っていられない。夢に出てきて助けてくれないかな。あのお爺さん。


 っと、もうカエムシとルーニャは寝てしまったようだ。気楽でいいよな。僕にとってはこんな光景普通じゃないってのに。でも、この一匹と一匹?一人?は一刻も早く地面で、片付いた家でゆっくりと過ごして寝たいはずだ。


「ふぁ〜。」

 なんだか僕も眠たくなってきた。ここに来てもうどれくらいの時間が経っただろうか。未だに進歩がない。出来ることなら一ヶ月以内に清掃か説得を始めたいところだ。それも自分次第だけども。


「よし寝るか!おやすみなさい。」

 意識が遠のいていった。


 下はゴミでガタガタしているので、疲れが全く取れない気がした。





 次回!魔王に会うの一旦諦めます!遠すぎ!











1章はこれにて終了です。


2章をお楽しみに!

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