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7話 なんて綺麗なんだ

 ガザッ


 この村もゴミで溢れかえっているとはいえ、森やあの街よりかは、断然マシに見える。なぜなら、何箇所か地面が見えるからだ。とはいっても段差があるのは嫌だなあ。頑張らないとね。などと考えていると


「コジロー君。もうすぐ村長の家に着くけど準備はいいかい?」


「はい。いつでも大丈夫です。」


 といって着いた場所は、全て木でできた二階建ての家だ。ざっくりしすぎだが許してほしい。


「ちょっと僕は村長に君のことを話してくるからここで待っていてくれるかな?なあに、すぐに戻ってくるよ。」


「わかりました。待ってます。」


 そしてルークは、走って村長の家に行った。

 すぐに戻るとは言ったものの、暇になるのは少し気にくわない。この村のゴミを見てみるかな。そう思い下を見ようとした時。



 ドスッ!横から何かがぶつかってきた。


「ガハッ!痛い・・・!」


 僕が痛がっていると、声がした。子供の声が。


「お前!王都から来た騎士だろ!また村長をいじめに来たな!今度は許さないぞ!」

「そうよ!やめてよ!」


 そう言うのは、1mを少し超えた小さな子供だ。2人いて、1人は怒りが目に見えてわかる男の子。もう1人は泣きそうになっている女の子だ。

 何がぶつかったのか確認すると大きな石をぶつけられたようだ。石なんてあるのか。ぐう、まだ痛い。


「おーい、君たち!なにやってるんだ!」


 ルークの声だ。村長との話が終わったのだろうか。


「ルーク兄ちゃん!また王都から騎士が村長をいじめに来たんだ!」

「そうよ!そうよ!」

 子供が言う。


 ペチン!ペチン!

 ルークは子供のおでこに優しめのデコピンをした。


「「いたっ!」」

 

「ダメじゃないか。この人はいつかこの村を救ってくれるかもしれないんだからね。」


「いじめにきたんじゃないの?」

「ないの?」


「そうだよ。だからこの人に石を投げたことを謝ってね。」


「「ごめんなさい。」」

 2人は頭を下げた。


「僕からも謝るよ。この子らを許してやってくれないかな?」

 ルークもだ。


「いやいや、ぼーっとしてた僕が悪いんだし気にしないで。この子たちは?」


「ああ、この子たちはね男の子のほうがサク。女の子がカーラだよ。ほら挨拶して?」

 そう言うと


「俺はまだ認めないからな!ふん!」

「そうよそうよ!」

 そっぽを向かれてしまった。


「ははは・・・。」


「まったく・・・。ああ、それよりも村長に許可をもらってきたよ。さあ、行こうか。」


 なんとか許可はもらうことができたようだ。この話し合いでこの先変わることも多いだろうなあ。


「はい!」


 そして僕たちは少ないとはいえ、ゴミの上を歩いていった。





 村長の家の前に着いた。玄関は開いていて、そういえば前にいた街では、玄関を開けたりしている家はないに等しかったような気がする。ここが差なんだろうなと僕は思った。


 その玄関の前で

「いらっしゃい。あなたがコジロー君ね。ルークから話は聞いているわ。さあ、散らかっているけれど上がってちょうだい。」


 おばあさんがいた。村長が男性か女性かは、わからないが、まあ村長の奥さんだろう。


「お邪魔します。」

 そう言い僕は村長の家に入った。ルークもだ。


「僕は君が暴走したりしないように見張っておかないといけないからね。気にしないで。」


 門番の仕事はいいのかとツッコミそうになったが、村長の身になにかが起きてからでは遅いからだろう。しっかりしている。



「こちらですよ。」

 おばあさんが言った。


 家の中は外よりか幾分ましだが、石や衣類などが散らかっている。本当はこんなことをしたくはないだろうに。僕はさらに決心したのだった。



 階段を上り、ある部屋の前まで来た。


「こちらの部屋に主人がおります。よい報告を聞けることを望みます。」


「精進します。」

 そう言うと、目の前のドアが開いた。開いてるのは玄関だけなのかな?


 部屋の奥には白い髭を生やしたハードボイルドなお爺さんがいた。


「やあ、君がコタロー君かい?まあ立っとらんでそこの椅子にでもすわりんしゃい。」

 ガラガラ声だが、その喋り方はあの神もどきもとい、お爺さんを彷彿とさせる。・・・ん?


「はじめまして。僕はコタローではなくコジローと申します。それでは失礼します。」

 そう言い僕は椅子に座った。ここもゴミで溢れて・・・いない?あっても小さなゴミだけだ。久しぶりにこういう光景を見た気がする。泣けてきた。


「おうおう、どうしたのじゃ。急に泣かんでおくれ。困ったのう。おい、ルークや。この子はどうしたんじゃ?」


「おそらくですが、今まで汚い場所を見てきたため、このような光景を目にして感動しているのかと思われます。」


「なるほどのう。辛かったんじゃのう。おお、わしの自己紹介がまだじゃったのう。わしの名はドード。知ってるかもしれんがこの村の村長をしている者じゃ。よろしくのう。」


 僕はすぐに涙を拭いて

「こちらこそよろしくお願いします!」

 そう答えた。



 村長は目の色を変え

「さて、コジロー君はここになにをしに来たのかな?内容によってはすぐさまこの村から追い出すがのう。」



 さあ、正念場だ。




ブックマーク、感想ありがとうございます!

初心者ではありますが、よろしくお願いします!


投稿ペースかなり遅れます。

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