2話 人の話は最後まで聞け
訂正部分
お爺さんに杖を持たせました
他少しだけ
目の前の光景は白かった。ただ白かった。
帰り際、前から黒い帽子を被り、黒い服で、黒い靴の前身黒づくめの男性?がやってきた。
奇妙に思った僕は、当然声をかけることもなく、おそるおそる横を通り過ぎようとした。
その時だった。
僕は少しずつ目の前が真っ暗になり、意識を失った。あと2分ほど歩いたら家に着いていたのに。
目を覚ました時、そこは白かった。ただ白かった。
何が起きたか思い出せない。全く。
黒づくめの男性?の横を通り過ぎようとしただけなのに、疲れていたわけでもなかった。なのになぜ意識を失ったのだろう・・・。
そんなことを考えていると、前から何らかの気配がした。そして
「ふぉっふぉ。急なことで驚くのも無理はない。」
そう声をかけてきたのは白いローブのような服を着て、髭がすごく、白髪で体格のよいお爺さんだった。
「ここはどこなんですか?」僕は聞いた。
立て続けに
「目の前が暗くなったことまでは覚えています。もしかして僕は死んでしまったのですか?」と聞いた。汗を大量にかきながら聞いた。
「ここは、お前さんの世界で言うところのゲームの神界の一部みたいな所じゃな。お前さんのことじゃが、残念じゃったのう。実は」
「ということは、僕は本当に、、、」
「ちょっと待てい。人の話は最後まで聞かんかい。実はのう、お前さんに頼みがあって、ここに連れてきたのじゃ。」
「頼み・・・ですか?」
「そうじゃ。そのお願いというのは、少々厄介事でな。お前さん、掃除は好きじゃろ?」
「まあ好きではありますが。清掃業のアルバイトもしていましたし。」
「そうじゃろうな。まあ、そのことでここへ連れてきたわけじゃが。話を戻すぞ。頼みというのはじゃな・・・それは・・・。」
「それは?」僕は唾を飲んだ。
「・・・異世界の掃除じゃ!」
・・・?どういうことだろう。確かに僕は掃除が好きだ。それもあって清掃業のアルバイトをしている。それでも、異世界の掃除?
「一つ聞いてもいいですか?」
「なんじゃ?」
「異世界へ行き、掃除をする事は理解できました。ですが、なぜ僕なのでしょうか?他にも、有能かつ僕以上の清掃の経験を積まれている方は大勢いらっしゃるはずです。」
「そのことなんじゃがのう。この件は、ある条件が2つあるのじゃ。1つ目が20歳未満の少年もしくは少女であるということ。2つ目は経験年数の浅い者じゃ。」
「つまりその条件にあった少年が僕、ということですか?」
「そういうことじゃな。」
僕は考えた。本当にそれだけが理由だろうか。きっと他にも理由があるに違いない。だがこれ以上聞いたとしても上手く誤魔化されるだけだろう。お爺さんは急いでいる風に見える。
「わかりました。納得のいかない部分もありますが一旦は、受け止めておきます。」
「おお、助かる。それでは転移を始めようかの。」
「ちょっと待ってください!」
「おお、なんじゃ?」お爺さんは驚いた。
「僕は、元の世界ではどういった扱いになるのですか?また、元の世界に戻ることはできるのですか?」
「そのことじゃが、今は会議待ちじゃな。決まったら連絡するから、気長に待っておるのじゃ。それではいくぞ!ふううううう「!?待ってく」せりゃあああ!!」
お爺さんはいつのまにか杖を持っていた。
うわああああ!?目が回り、暗転した。