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満月の夜
ちょうど月がよく見え出した頃、コクハはやって来た。
「よく来たな、さあ、入ってくれ。」
コクハは部屋に入った途端、ルウィズに倒れかかった。
(かわいい。)
「どうしたんだ。」
そう言うと、ようやくコクハはルウィズに顔を見せた。顔は赤く、息づかいも荒い。
「僕は満月の日…に血を吸う吸血鬼なんです。いつもはルームメイ…トの血を吸っているんですけど、今ちょうど…出掛けてて吸えて…ないんです。」
「じゃあ、俺の血を吸ってくれ。」
「そんな、事…できません!」
「俺からの命令だ!!」
そう言うと、コクハはルウィズのワイシャツのボタンを外して、首筋に口をつけた。
(ッ!エロ)
「すいません。痛かったですか。」
そういって離れようとするコクハをルウィズは何も言わずに抱き締めた。
「主様!」
「お前…コクハの事が好きだ!」
コクハは何も言わない。
(もしかしてイヤだったのか。)
ルウィズが顔を見ると、コクハは目をつぶって寝ている。
(疲れていたんだな。)
ルウィズはコクハの頭を撫でた。