第一話:様々な地球
自由警察署長の岩原は、戦時中に磨いた銃さばきと管轄と規則に縛られない自由なやり方で、警視庁が手を出せない事件も解決していくヒーローみたいな存在である。(ヒーローとは言ってない)
ある日、星際問題に発展する事件が発生した。トロワ星の軍人の娘がアメリカ王国内で誘拐される事件が起きた。岩原と警視庁の第一課のメンバーは協力して事件の解決に挑むことを決めた。
果たして岩原たちは、娘の命を救えるだろうか?
地球型惑星は、この宇宙には何千何万と存在します。中には、我々の地球(仮に第一の地球とします。)と同じか、または少し異なった歴史を持つ地球が存在していると私は思います。
これは、とある事情から発展が早まった地球(仮に第二の地球とします。)にある日本の傀儡国家となったアメリカ合衆国にある自由警察という会社を立ち上げた、一人の地球人の物語である。
{(第二の地球)西暦1950(大正39)年4月某日、アメリカ王国米京都金門橋区}様々な星からやってきた知的生命体たちの喧騒のなかを、サイレンを鳴らして駆け巡る一台のパトカーがあった。
「そこの車止まれ!今すぐ路肩に停車しろ!」どれほど叫んだろうか、声の主である警視庁第一課課長木暮の喉が枯れ始めても、一向に前の車は止まる気配を見せない。
厄介なことに今、木暮たちが追っている車は、車上荒らしにあった盗難車でうかつに体当たりができない。そんな二台の車の前の信号機は、無情にも真っ赤な光を放ち停車を促していた。そして、歩行者用信号機が青に変わり歩行者や自転車が行き交い始めた時、奇妙な帽子をかけた上半身和服姿のサングラスの男性が盗難車に向かって二発発砲!たちまち人々はパニックに見舞われた。
やがて左側のタイヤだけをその男にパンクさせられた盗難車はふらふら運転をしたのち路肩に停車した。そう、この男こそ今回の物語の主人公である自由警察署長岩原治だ。
彼の活躍により、一人の死傷者も出さずに車を止められたことに木暮は「ご協力感謝するよ岩原君。だが、もうちっと穏便に車を止められんもんかね。」と民衆の手前、作り笑いをしながら感謝するしかなかった。
「何をおっしゃるんですか木暮さん、あのまま横断歩道を突っ切ってたら確実に死傷者が出てましたよ」
何も言い返せない木暮は、「それもそうだな。ハハハハハ」と乾いた笑いをするしかなかった。
次回は、西アメリカ編の登場人物紹介です。
約一週間に一話のペースで投稿していきますので、これからよろしくお願いします。