序幕
どうも蒼榛です。
これは、ちょっと息抜きに書いた小説です。
書いてて楽しい小説です。
ストーリーとか先のことあまり考えてないので、気が向いたら次の話を投稿します。
え~と…さかのぼること約半年。俺がまだ中学1年の時だ。この日の出来事がまさかあんなことに発展するなどこのときは全く想像していなかった。
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その日、俺はいつも通りのほんとなんの変哲もない生活をおくっていたんだ、途中までは。今、この表現は正しくない。正確に言えば、ある一つの小さな出来事を除いて、何一つ変わったことのないただの日常生活だった。つまり、飯を食べて、学校に行って、学校で適当に授業受けて、帰ったら適当に時間をつぶして、晩飯を食べ、ニュースとかを見て、寝る。ごく一般的な生活だ。多分。
でも一つだけ一般的家庭と違うところがあった。それは家に夕食時まで誰もいなかったことだ。いや、最近ではよく見る家庭かもしれないな。まあ、簡単に言うと両親は共働きで特に父親は毎日帰りが遅い。日をまたぐこともしばしばだ。あれはブラック企業で間違えないと俺は思っている。そういえば、兄貴もいたな。まあ、今は高校で寮生活で家にはいないけど。…つーわけで、学校から帰っても家には誰もいないのだ。そしていつもは無理やり遊びをこじつけて時間をつぶすのだがその日は特になんの予定もなく、特に何かをやる気もしなかった。
(暇だ…)
クーラーのよく効いたリビングにあるソファーに腰かけ、天井を眺める。一年前に今まで貯めた貯蓄を使ってやっと手に入れた念願のマイホームの天井は、まだ汚れなどないとてもきれいな天井だった。
俺はおもむろに立ち上がり、冷蔵庫を開けてみる。
(…)
冷蔵庫には、牛乳とお茶などの飲料と軽い食料が入っている。俺はとりあえずのどが渇いたので牛乳を手に取り、食器棚に入っていた透明なコップを持ってきて注いだ。ここでなんでお茶を取らなかったのかというというと、それは気分だ。
「…プハっ」
うん、この喉腰。最高だわ。
次にちょっと思い立ったことがあったので和室に入ってみた。
実をいうと、この部屋にはとんでもないお宝が眠っている。それは、マイホームが手に入る前、いや俺が生まれる、いや父さんおじいちゃんひいおじいちゃん、いやもしかしたらそれ以上前から引き継がれている龍らしきものが彫られている刀のことである。それは和室ふすまに飾られているのだが、どうやら鞘から剣を抜くことはできないと言い伝えられている。とても貴重なものなので触るなと昔、親に注意されたのでそれ以降触ったことがない。しかし、久しぶりに触ってみたくなった。。
(…誰もいないからいいよな)
俺は、一応周りをキョロキョロと見渡した後、少し躊躇したが恐る恐るその剣を手に取った。
(ふむ、改めて持ってみるとなかなかの重量感)
軽く振ってみるが、中の作りもしっかりとしているのだろう。とても重たかった。
(…ていってもほんとに抜けないのか??)
ちょっとだけ鞘を引っ張ってみる。…確かにあまり動きそうな気配はない。
(…なるほど、こいつは手強そうだ…)
とか思ってみたりした後、一気に全身全霊で力をいれる。だが、もちろんその剣は抜け…
じゃいん!!
と思ったら案外さらっと、刀が鞘から出た。
(あ…??抜けちゃった…?)
あまりにもあっさりと抜いてしまったので、なんか拍子抜けして鞘の中を覗こうとすると、そこから突然風が吹いてきた。
「うおっ!?」
俺は思わずのけぞる。するとその風は目の前で白く大きく渦巻き、中からある生物が浮かび上がってくる。
「え!?えええええぇぇぇ!?!????」
そのある生物が問う。
「汝…」
次の瞬間俺は意識を失った。
気が付いた時にはもう日が暮れていた。
(…夢だったのか?)
体をゆっくりと起こして周りを見渡してみる。そこは間違えなく気を失った和室だ。そして左手を見てみると、抜かれて刃がむき出しとなっている刀が右手に、鞘が左手に握られていた。
(夢じゃないのか…)
辺りを見回している。しかしあんなに風が起きたというのに何も壊れていない。おかしな話である。…気のせいだったのだろうか??
(さてどうしようかな。とりあえずこの刀を元の場所に戻しとこう。)
そして刀を鞘に入れて元の場所に戻した時に母親が帰ってきた。何とかばれずにすみ、これで一件落着…
なわけなかったのである。
読んでいただきありがとうございます。
次は、前書きでも書きましたが、気が向いたときに投稿します。