裏島太郎
昔、浦島太郎という少年はいた。彼は浜辺を散歩するのが好きな少年だった。
彼は幼なじみがやってる鍛冶屋で売っている装備に身を包み今日も浜辺を散歩していた。
彼が浜辺に着くとそこには普段見ない影があった。気にせずに歩いていると浦島太郎は人影の正体に気付いた。
彼らは勇者のパーティーだった。なんで勇者のパーティーがこんなところにいるのかと思い近づいて見ると勇者のパーティーはこんな会話をしていた。
「いいか、まず装備を初期装備にするんだ。そして亀のモンスターが出てきたら一斉に攻撃を始めろ。常にコンボが切れないように時間差でな」
なるほど、コンボ稼ぎか。
しかしこの浜辺で毎日散歩している浦島太郎はその亀のモンスターのことも知っていた。全くの無害で防御力に定評のあるモンスターだ。
浦島太郎は勇者一行を止めようと思った。
しかしその瞬間、その亀のモンスターは出た。
勇者一行は亀をフルボッコにしていた。しかし亀は防御力がありしかも初期装備なので倒されることもできずにひたすら殴られている。
浦島太郎はとっさに勇者達の間に割って入った。
「なんですからいきなり、コンボが途切れたじゃないですか」
まだ子供くらいの勇者が文句を言う。
「この亀は全くの無害なモンスターでな。いやむしろモンスターと呼ぶのもおかしいくらいの生物なんだ。そんなタコ殴りにしないでやってくれ」
「うるさいなぁ、俺はコンボで得られる称号が欲しいんだよ!」
勇者は急に浦島太郎に切りかかった。後続で魔法使い、魔法剣士も魔術で援護してくる。
「別に俺は戦ってもいいんだけどよ、いくら勇者と言っても初期装備だしな」
浦島太郎は聖剣エクソカリバーで勇者を吹き飛ばす。
(エクソカリバーとは勇者の幼なじみが作った聖剣エクスカリバーに出来るだけ似せた結果物凄いやつがアレしてできたやつである。)
「ちきしょう覚えてろよ!世界を守ったらまず最初にお前を殺してやる!」
「あ、勇者さん待ってくださいよ!」
勇者一行は逃げ出した!
「やれやれ、あれで勇者が勤まるのやら」
勇者が見えなくなると浦島太郎は散歩を続けようとした。するとどこからか浦島太郎を呼ぶ声がした。
「浦島太郎さん」
「ん?誰か呼んだか?しかし周りには誰も見えんな」
「私です!亀です!」
「お前喋れたのか」
「ええ、それより助けてくれてありがとうございました」
「別にいい、お前のことはたまに見えてたしな」
「しかしこのままでは私の気がすみません。お礼をさせて下さい」
すると亀は海の方を向き姿勢を低くした。
「どうぞお乗り下さい」
「どこかへ連れて言ってくれるのか?」
「私の主がいる竜宮城というところへ」
「なるほど...ならせっかくだし連れて行ってもらうか」
浦島太郎は亀に乗った。
「ところでそれって魔物の溜まり場ってことじゃね?大丈夫?」
「はい、みんな温厚ですし人型もいますよ」
「へえー」
「ちなみに水の中にあるんで魔法をかけさせれいただきますね」
「別にいい。その程度自分で出来るからな」
「さすがですね」
そうして浦島太郎は竜宮城へ行くことになった。亀はどんどん深く潜っていく。ちょうど12Mくらい潜っただろうか。海の中にぼんやりと明かりが見えた。
亀は徐々にスピードを落としていき、ついにその建物の中に着陸した。
「着きました、ここが竜宮城です」
そこには神秘的な光景が広がっていた。
「さあさあ浦島太郎さん、こっちです」
浦島太郎は亀に促されるままについて行った。
するとそこにはとても可憐な少女がいた。
「乙姫様、来客を連れてまいりました。私が虐められているところを助けて下さりました。浦島太郎さんです」
浦島太郎は、この乙姫と呼ばれる可憐な少女がこの中で一番えらいのだろうと思った。
すると、乙姫が浦島太郎に話しかけた。
「浦島太郎とやら、うちの亀が迷惑をかけたようじゃな」
「いえいえ、私はただ当然のことをしたまでです。」
「ありがとう、せめてゆっくりしていってくれ」と乙姫は言った。
そして「宴の準備をするぞ!」と言うとみんな一斉に動き出した。
こうしえで浦島太郎は竜宮城で豪華な料理をごちそうされ可愛い人魚に晩酌してもらった。
そして、6時間ほどたったかというところでそろそろおいとましようと浦島太郎がいった。
「このようなことしかできなくて申し訳ございません」
「いえいえ、充分楽しめました」
すると、乙姫が一つの箱をとりだした。
「お土産にこの玉手箱を持って行ってください」
浦島太郎はお礼を言いつつその箱を受け取った。
浦島太郎ははこの中身が気になったがすぐに開けるような非常識ではない。
浦島太郎は解析の魔法で中身を調べた。そして怪しい笑みをこぼした。
「乙姫様は私に感謝しているのですよね?」
「な、何を急に、もちろんです」
「そうですか、それはよかった。しかしこんなに歓迎していただいて土産までいただくなんてできません」
「という訳で、こいつはてめぇが開けな!」
浦島太郎は突然乙姫に向かって玉手箱を開けた。
玉手箱からは煙が出てきて乙姫を包んだ。
数秒後、乙姫はヨボヨボのお婆さんになっていた。
「どうだい?お婆さんになった気分は?」
乙姫は下を向いてプルプル震えた後、目を見開いてこういった。
「殺せぇ!やつを殺せェ!殺せええええええ!」
「おいおい姫さんよ、悪いのはそっちだろ?自業自得っつんだぜ、それを」
「うるさい、うるさい、うるさああああい!」
「ご乱心なこった、まあとりあえず逃げるか」
浦島太郎は逃げた。乙姫の家臣達は必死で追いかけるも誰ひとりとして追いつけない。魔法は防がれ差は開いていくばかりだった。
「じゃあなお前ら、元気でな!」
浦島太郎は竜宮城を出ると水中生物よりも速く泳ぎ地上へと出て行った。
家臣達は圧倒的な力量差の前に諦め可憐さを失った乙姫は今や誰も目に求めなかった。
乙姫という柱を失った今竜宮城は機能せずそう遠くないうちに破綻した。
浦島太郎は家に戻り小さな声で言った。
「よく俺が分かったな。乙姫」