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10話依頼

日が昇り人々が活動し始めた頃にイシルクを迎えに行ったサワンたちを襲ったのはとてつもない臭気だった。あらゆる種類の動物の糞を混わせたような匂いが目の前に立つイシルクからた放たれている。手で鼻を押さえてもその匂いが和らぐことなく彼らの鼻を刺激する。

「クセェ。」

サワンは鼻をつまんだまま自分の感情を吐露する。

「そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!!どうすんだよ!?このまま外に連れ出せねぇぞ!!」

「あー。どうすっかなー」

「これは・・・困りましたね。これではギルドで依頼を受けとることができません。」

「そうね・・・とりあえず匂いを落とさないと。イシルク。ちょっと来て。」

そう言って、アクルはイシルクを近くあった井戸で水を汲みイシルクの頭にかける。一杯の水で巨大なイシルクの髪を全て濡らすことはできず何回を水を汲みイシルクの髪が全体に濡れたころには少しだけ匂いが和らいだ。

「まだ、匂いが残るけどそれは仕方ないわね。」

「ありがぁとう」

「いいのよ。さぁ、ギルドに向かいましょ。」









イシルクたちがギルドで受けた依頼はゴブリンと呼ばれる魔物の討伐依頼だった。ゴブリンはネズミの頭をし人の腰くらいの身長で力は弱い。しかし、繁殖能力には長け成長速度も早い。しかも、ずる賢く自分より強い相手はけっして襲わずに、農作物や家畜を襲う。そのため、この依頼は各地でも必ず張り出されており新人の冒険者が必ず受ける依頼となっている。

「まったく最悪だぜ。俺が頑張って作った野菜をゴブリンどものせいでめちゃくちゃだ!!俺が気づいた時には畑の半分の作物を盗まれたよ!!」

ゴブリンの被害にあった村の農夫がその憤りを口に出して表す。

「なるほどね。それで?そのゴブリンはどっちの方に逃げてった?」

「確か、西の山の方だったな。」

サワンがゴブリンが逃げた方向を聞くとその方角を指を指して言った。

「ありがとさん。いい報告を待ってな。」

「おう頼むわ。それにしても、お前さん仲間えれーデケェな。何の種族だ?」

「こいつか?巨人族ってやつだよ。」

「はー聞いたことねぇ種族だけどすげぇなー」








農夫からの話から聞いた西の山を一同は歩いていた。前衛をサワンとゴンザ、中衛をアクルとカハイそして最後尾をイシルクの陣形で山道を登る。

「ねぇ、サワン。ゴブリンの巣はどこらへんにあるかしら?」

「さぁな、そこまで奥深くには作ってないと思うがね。・・・ただ、その場で食わずに盗んだってことは相当数の巣があるかもしれんが。」

「そうなると、少し面倒ですね。」

「まったくだ。・・・よし。ここらでいいだろ。カハイ索敵魔法を頼む。」

「わかりました。《レコンサクエム》」

カハイは杖を胸元で掲げるように構え魔法を唱える透明の輪がカハイを中心として広がっていく。摩訶不思議な現象に興味をもったイシルクはサワンの肩をつつく。

「アレ、なぁんだぁ?」

「ん?何って魔法だろ?」

「まぁほう・・・」

「おいおい。お前、魔法を見たことねぇのか?」

サワンの問いに頷くイシルクにサワンたちは驚いた。

「おいおい。魔法見たことねぇってマジか・・・」

「そんなにぃか?」

あまりの驚きにイシルクは疑問に思った。

「そりゃ、得意不得意はあれど誰でも使えるもんだぞ。見たことねぇってことは・・・使えねぇのよな。よし、いいだろ。俺が教えてやる。俺らの身体の中には、血と一緒に魔力っていうのが流れてる。それを外に放出すると同時に術式を頭中で構築して出来るのが魔法ってやつだ。でぇ、魔法には火、水、風、土、の四属性を中心としてあるんだ。カハイがさっき使った《レコンサクエム》は土系統に属する索敵魔法さ。」

サワンは自慢げに胸を張っているが完全には人族の言語を理解してないイシルクには途中から何を言っているかわからなからず困惑している時

「見つけました。」

カハイの声が彼らに届いた。

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