レベル上げ! 3
目的地の丘では赤銅色をしたマントを纏うプレイヤーが2人待ち構えていた。
雄は警戒しながらすかさず、2人のステータスを確認する。
「ホワイト・ピジョン」
2人のステータスにギルドの名前が表示されていた。白鳩、平和の象徴である。雄がメールを送ったギルドだ。
雄とダズは警戒を解いた。
「やあ、君がユウか。お友達もいるようだが、まぁいいだろう。歓迎しよう。」
そう気さくに声をかけてきたのは雄たちから見て左に立っていた長髪で背の高い青年。
背中に身の丈より長い長弓を携えていた。ヴァルキリーだが、珍しい大弓である。
もう一人の男は口を閉じやけにつりあがった目でこちらを見据えていた。
この男もヴァルキリーのようだが、背の高い青年の1/3ほどの短弓と2本の小太刀を身に着けている。
「さっそく俺らの本拠地に案内しよう。キース、お前も案内してくれよ。」
「アジトなんてどこにあるんだ?まさかこの下とか?」
背の高い青年が隣の男の背中をたたくと同時に、そしてダズが反応する。
「そう!この下さ、おっとそういえば自己紹介がまだだったね。僕はエル、こいつはキースだ。見ての通り2人ともヴァルキリー、よろしく。」
名前はステータスを見ればわかるのだが、こうやって口頭で自己紹介するのが普通である。
「俺はダズ。ナイトをやってる、まだ最高LV10しかいったことがない。」
「俺は雄。ヴァルキリーだ。ここでは言えないが、目的がある。だから、早くLVを上げたい。」
ダズが自己紹介し、その後雄も続いた。
「よし、2人とも準備は整っているようだから、アジトからすぐに僕らの狩場へ移案内しよう。」
そう言うとエルは左手に指輪をはめ、地面に手をつけた。
カッと地面が光ったと思うと、エルが手をついた地面に階段が現れた。