小説を書いてみよう
-R15は念のため-
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小説を書いてみよう。
……と言ってはみたものの、果たして何を書けばよいのやら皆目見当もつかない。
パソコンデスクの前に座り込んで早くも三十分が過ぎようとしていた。
画面上に表示されるワードは真っ白で、入力を待つアイコンが所在なさげに点滅している。
頭のなかでは『イメージはできるんだけどなんだかよくわからないもやもや』が浮かんでは消えているのだが。
「うーん……」
頭を掻いてもそれらは纏まることを知らない。とりあえず何でもいいから一文書いてみようか? そう思うもののけれど一文目にじゃあ『何を書けばいいのかわからない』
「けんちゃーん、ご飯よー」
「はぁい」
夕飯に呼ばれたので席をたつ。結局なにも纏まらなかった……どうしよう……
食卓には三人揃っていて、後は俺を待つばかりだった。
定位置に座って頂きますと言い母の手料理に手をつけつける。うん、美味い。
笑いが溢れるバラエティ番組に目を向ける。小説のネタにはなりそうにないな、と思った。
「ケンタ、学校で何かあったのか?」
なにかしら態度に出ていたのだろうか、食事中に珍しく父から話しかけられた。仕事一筋で家にいてもあまり会話が無かったから意外だった。
「学校……ていうか、遊びかなぁ。みんなで小説書こうぜ、って話になってて」
話のながれで今日遊んだゲームを題材にちょっとした物語を書いてみようよ、ということになっていた。遊びの延長というかただの遊びだ。
「へぇ、アンタなんか書くの?できたら見してよ」
「うっせオタク女」
オタクの(何オタクかは知らない知りたくない)エリ姉も話題に入ってくる。
や、待てよ……エリ姉はこういうの得意科目だから色々聞いてもいいかもしれない。
「題材は決まってるんだけどさ、正直なにを書けばっつーのか……どう書けばいいのかわかんねぇんだよな」
「簡単よ。二つのものを組み合わせてどうすればより面白くなるか考えるの」
「ふーん」
エリ姉が言うならそうなんだろう。分厚い眼鏡をくいっと持ち上げ、自慢げに髪をかきあげようとしてささくれに引っ掛かかり痛がっていた。手入れしろ手入れを。
アホだが執筆だか描画だかに強いエリ姉である。間違いではないだろう。夕飯を食べ終わったらそういうのを意識してみようかな。
「まあ、夜更かししない程度に頑張んなさい」
母の言葉にごちそーさんと返し、二階の自室に戻った。
「『二つのものを組み合わせる』ねえ」
再びパソコンデスクの前に深く腰掛け、頭を捻らせる。
今回の題材はインカの黄金、というパーティゲームだ。
内容はシンプルでポイントになる金と2つ揃うとバーストになる罠とが入り交じる山札を一枚ずつめくる。
そしてめくるたびに進むか降りるかを決めるチキンレースのようなゲームだ。
進み続ければより多くのポイントが手にはいる機会があるが、数種類ある罠がダブったら手に入れるハズのポイントは没収される。
途中で降りればその時点でのポイントが確定するが、残っている人間は更にポイントを稼ぐので、そのポイントが確定させてしまうと大きく放されてしまう。
しかし点取り合戦に付き合い罠にかかってしまうくらいなら降りた方がよい……けれど……というような読みと運とが絡み合うゲームだ。
五ラウンドの間にどれだけ金を稼げるか競うのだがこれがなかなか面白い。
ダチ達五人でよくやっていて、今回の小説を書こうよという話もこのゲームの最中にでたものだ。
盛り上がるし性格も出るし、個人的にオススメしたいゲームの1つだ。
「このゲームの二つの組み合わせ、っていったらまぁ進むか戻るか何だけど……」
いうまでもなくゲームは人数が多ければ多いほど複雑になる。正直にいって読み合いやら何やら、難しいことはわかっていない。俺はその場のノリでやってるからあまり深く考えてこのゲームをしていないのだ。
「うーん……わっかんないなぁ……」
「うははははwww真っ白じゃんwww」
振り返ると何故かエリ姉がいた。
「うぜぇ。勝手に入ってくんな。除草しろ」
「なwwwぜwww女www装wwwアタシは女だぁ!」
勝手に入ってきたらしいエリ姉は相変わらずアホっぽい。だが俺は文章を書くにあたってこのアホよりも格下なのだ。
「んーで?なに書くのよアンタ」
「無断で部屋に入ってきたことに対する謝罪はないのか」
「いっひひ、サーセン」
「うぜぇ」
にやにやとした表情といい神経を逆なでする笑い声といい、むかつくことこの上ない。さっさと部屋から追い出してしまいたいが、その感情に理性が待ったをかける。
このまま白いモニター画面を睨みつけたところで文字列が並ぶことはないのだ。助けを求めてもいいんじゃないか?
「お姉ちゃん助けろ」
「おしい! 最後んとこ『て』って言い直してよ!もっかい!もーいっかい!」
「お姉ちゃん助けてくれないなら土下座しろ」
「うわっははははwww」
妙なツボに入ったのかむせながら笑い始めた。アホまるだしでキモい。
……エリ姉が落ち着くのを待ってから普通に説明する。
「んとさ、インカの黄金ってゲーム知ってる?それが題材になるんだけど……」
「あぁ、Gox蛇か」
「え? ごーかける……え? なに?」
「や、こっちの話。うん、そのゲームは知ってるよ」
姉が『こっちの話』と言うときは結構深いところまで知ってる証拠みたいなものなので少し心強い。
「で、どんな話が書きたいの?」
「うーん、フツーにみんなで遊んでる内容をまぁ」
「ダメね。全然ダメだわ」
エリ姉が眼鏡をくいっとあげる。
「フツーに書いてもつまんないわよ。『小説は事実より粋なり』っつってね、フツーはおこんないようなこと書かないと」
「ふーん」
なるほど、わからん。
フツーに書くこともできないのにそんな応用編みたいなこと言われても困る。
「とりあえずゲームしてるとこを書きたいなら活躍する登場人物は二人だけ。それならアンタでもなんとかなりそうじゃない?」
「うん、まあ」
性格や順位で変わってくる行動や思考を人数分書くなんてできそうにない。書けないなら減らせばいいというシンプルな考えは納得がいった。
「で、テキトーに相手が有利になるようにするの。例えば自分だけ罠にかかったり、逆に相手が罠にかかんないまま稼いだり」
「うんうん」
なるほどたしかに始めは不利というような物語はアニメでもマンガでもよく見かける。最近のゲームではどちらかというと主人公が有利な状態のものが多く見かけるけれど。
「で、5ラウンド目に逆転勝利! ありがちだけどアンタ作文とか苦手みたいだしこんなんでいいでしょ」
「おー」
流石エリ姉。具体的なものなんてまったく思いつかなかったのに、題材を挙げただけであっさりと物語っぽいものを考え出した。
そんな感情が態度に出ていたのか、エリ姉は眼鏡をくいっとあげて胸を張った。
「むふふん。そうだもっと姉に尊敬の眼差しを注ぐのだ。そして褒め称えよ」
「おう、今日のエリ姉はかっこかわいい系だな」
「うわははははwww褒めてねぇwww」
姉が健全に生きる為にはやはりというか除草剤が必要だと思った。
ま、いい。
方針が決まったところで、早速書いてみるか。
「まぁまて、アタシにいい考えがある」
そう言ったエリ姉の進めるがままにさっきの物語の起承転結を打ち込む。
「こんなもんいるのか?」
「あったり前じゃん」
当たり前らしい。まぁ何も知らない俺より詳しいのは間違いない。そのまま纏めていくとこんな風になった。
起:仲間内で小銭を賭けて勝負していると最下位になった。
承:弱い弱いと挑発されたのでトップにサシで大勝負を挑む
転:しかし三ラウンド目まで裏目を引き続け、大差がつく
結:残り二ラウンドで怒涛の逆転劇で勝利し、負けはトントンになった。
「どうよ」
「なんかこういう風にまとまってくると書ける気がしてきた」
「むふふ、そうでしょうそうでしょう」
どうや、といわんばかりの表情で眼鏡をくいっとあげるエリ姉。
普段からなにかよくわからないものを描いてるだけあって簡単なあらすじはすぐに完成した。さりげなく仲間内でフツーにゲームしてるという要望が話の出だしだけとはいえ通っていて嬉しかった。
しかもここまで雑談混じりに進めていたのにまだ一時間も経ってない。
風呂に入ってから纏めても、たぶんいつも寝る時間までに書き上がるんじゃないか?
「っつーわけで先に風呂入ってくる」
立ち上がり、タンスから下着と寝巻きを探す。
エリ姉はというと入れ替わりにモニター前に座り込み新たなワードを開いていた。
「いってら〜。下書きは任せろ〜」
「やめろ」
そこまでされると『自分は案を出しただけ』になりそうな気がして、無駄とわかりつつも釘は指さないわけにはいかなかった。
エリ姉は一点集中タイプの人間で一度のめりこむとそれ以外を放り出す性分だから、今回のように俺が提供した恰好のオモチャを手放すとは思えなかった。
「ま、でもいいか。全部エリ姉が考えたようなもんだし」
「や、その理屈はおかしい」
早速キーボードに入力し始めていた手を止めてエリ姉は振り返る。
その顔は久々に見るマジな顔で、ちょっぴりビビった。
「アタシはさぁ、ほら、人様の話を横から弄くり倒すのは大好きなんだよね」
「うん、知ってる」
「で、じゃあ自分で一から考えた話はあるのかってぇと、別にそんなもんはないんだよ」
今まさにテメーが一から考えた話ができたじゃねぇか。
……そう言いたいのに、気圧されたのか口から出たのは「そうなのか」というそっけないものだった。
「今回のこれもアンタの話にマンガで呼んだ話に突っ込んだだけの話だからさ……えーつまりだ。これはアンタが言い出さなきゃ考えない、出来上がらない話だから……えーあーうーん? むむむ、なんかよくわからんくなったわ」
わはははは、と姉は笑った。
弟だからだろうか、何となく言わんとすることはわかった。
「ん……あんがと」
だから礼を言って部屋を出た。
「あ、寝巻き忘れた」
階段を降りかけた足を止め、部屋に戻る。
エリ姉がベッドの下に手を伸ばしなにかを探索していた。
「おいやめろ馬鹿」
「うっはwwwバレッタwwwオウフwww」
笑ってごまかそうとする姉に蹴りをいれたい。が、その真摯な感情を理性を総動員させてかろうじて押さえた。
大きくため息をはいてから訪ねる。
「……で? お前はいったいなにをやってるんだ」
「久々に入った弟の部屋からせいてき(何故か変換できない)な趣向を探索するのも姉の仕事」
眼鏡をくいっとあげてきりりとした顔で主張した。どうやら反省する気はないらしい。
「そうか。ぼこぼこにされたいらしいな」
「やめて! 私に乱暴する気でしょう!」
「コイツマジうっぜえ!」
さすがに我慢が限界を迎えエリ姉を部屋から追い出した。わかっていたことだがやはりアホな奴なのだと認識を新たにした。
……とりあえず風呂に入るか。
野郎の浴場シーンなど当然割愛である。
エリ姉の部屋の前で次の入浴を勧めて部屋に戻ってきた。
さて、小説を書きますか。
エリ姉が打ち込んだ起承転結と、出だしだけ書かれた下書きの二つを見えるようにしながら新たにワードを開く。
画面の三分の二ほどが真っ白で、三分の一ほどが姉の打ち込み画面という形だ。
しかし、甘かった。
甘いというより舐めていたとしかいえない。
既にわかっていたはずなのに、気づかないフリをしていたのかもしれない。
初心者にとって『一文目を書く』『文章を肉付けする』という作業こそが最初にして最大の壁だということを。
……しかし、今は状況が違う。
その道の熟練者であるエリ姉からの援護、下書きと起承転結がある。
差し当たって下書きと同じように文章をうち始めると、不思議なことに自然と文章が頭に浮かび始めた。
シャボン玉よりも儚いであろうそれは俺のタイピングのスピードを上回る速さでいくつも浮かんでは割れる。割れる前にと必死に打ち込む。
誤字に気付くが直す暇はない。一度手を止めたらこのシャボン玉たちが二度と浮かんでこなくなるような、いつ浮かんでくるのか分からなくなるような気がしたからだ。
『何かに追われながら何かを追いかける』ような、今まで味わったことのない奇妙な高揚感に包まれながら『おわり』の文字を打ち込むまで手が止まることはなかった。
俺は自他ともに認めるインカの実力者なのだがその日は恨め続きだった。
「今日の負け犬は珍しいかたでしたな」
「でもま、たまには勝たせてもらわないと」
「こういう日もある」
「うざいなお前ら喧嘩売ってるのか?」
俺がガンくれてやると3人はびびった。
「でも今日はやたら弱かったのは事実ですよね?」
「ほう…」
しかし1りはやけに挑発的でしかもまだ勝ち足りないのか続けてこうきりだした。
「納得いかないならもう一回やる?まぁ勝つのは俺だけど」
「いいだろう」
そいつは今日のNVPで普段から俺といちいを争う仲なのだが勝てるうちに加藤という浅はかな考えらしかった。
他の三人はびびったのかゲームに入らず一騎討ちだと囃し立てた。
「やだ……なにこれ……」
風呂上がりにまたやってきたエリ姉はモニター前に座り、俺が書き上げたものを読み進める最中に何故かドン引きしていた。
「どっか変だったか?」
「や、いやいや、そういうんやないんよ?」
普段からは想像できないような口調だった。ぱたぱたと首を横に振るとその拍子に眼鏡がズレた。
やっぱり何かおかしかったんだろうか?
書いてるうちにテンションがあがってきて、ノリノリで一気に書き上げたつもりなのだけれど。
「うーん……うん、まぁ、アリだね」
「アリなのか?」
「うん、アリ」
ちっとも心がこもってない言葉に、いいようのないもやもやしたものがせりあがってくる。
「ホントはナシなんだろ?」
「ホントはね。でもま、初めて書いたなら上等でしょ」
そういうものなのだろうか?
ナシというのなら、やっぱりダメなんじゃないだろうか?
「おわりって書いてあるならそれでじゅーぶんだよ……『未完の傑作より完結した駄作』ってね。始まったものを終わらせないこと。それが一番ダメなのよ」
ズレた眼鏡をくいっとあげて、エリ姉はそう言った。
「んじゃ、続き読むからね」
「おぉ」
やはりというか1ラウンドから三ラウンドまでは俺が裏目を引きつづいてやつが勝ち馬に乗っていたらしく点差は50ポイントも開いた。
「もう勝負ついてるよね」
「今日の負け犬は最後まで負け犬のままだったかな」
「そういう日もある」
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」
そう言ってにらんでゆあるとギャラリーは黙った。
「戦いは終わるまで続くからまだわからない」
敵も油断がないらしく余裕の表情だが舐めてはいなかった。
「こっから逆転してやるからよ。まぁみてな」
「戦いは終わるまで続くwwwそりゃそうだwwwこれは流行るwww」
「なに笑ってんだころがすぞ(自主規制)」
最高にシリアスな敵のキメ台詞を笑われて少しカチンときた。まぁでもどうでもいいや。エリ姉のツボはいつも理解不能だし。
けどムカついたから言ってやった。
「笑うくらいならお前が書けよ」
「それじゃ意味ないじゃん……それにねぇ、どういうつもりで書いたにせよ『読み手に正しく伝わるとは限らない』んだよ」
「そうなのか?」
少し意外だった。
ジャンルがたくさんあるなかで読みたいものを読むのだから、作者が意図することは読者はわかっている。という風に考えていたのだけれど。
「そりゃそうだよ……アンタにとってのシリアスがアタシにはギャグに見えたりとか、たまにあったでしょ?」
「あぁ、ドラマ見てるとき一回あったよな。」
ドラマの感動のシーン。俺がマジ泣きしてるすぐ横でエリ姉が大爆笑してた姿が許せなくて腹パンかましてやったら親父にしこたまブン殴られたっけ。
「つまりそういうことよ」
なるほど、そうだったのか。気を付け……え?
「それはどう気を付ければいいんだ?」
素朴な疑問を口にしたつもりだったけれどエリ姉は難しい顔になった。
「気を付けようがないよ。書く側じゃなくて読む側の問題だしね」
「まぁそうだな」
「でもま、誤解なんか恐れてたら小説なんて書けないしね。ミステリとかホラーとか……ジャンルによってはその誤解を利用したりもするし」
「ふーん」
小説の道は初心者には窺い知れないほど深いみたいだ。
エリ姉は組んだ足を逆に組み直し、眼鏡をくいっとあげた。
「遊びの延長なんでしょ?ガチで書かないなら気にしなくていいよ」
「ん、そうする」
そうすると、エリ姉は遊びの延長ではないガチの何かを描いているのだろうか?
いや、気にするだけ無駄か。今は関係ないし興味もない。
「んじゃ、続き読むよ」
「おう」
よんらうんどめは三回連続で財宝がでてきたたので敵は脱出した。
財宝は金と違い一人で脱出したやつにしか手に入らない高ポイントのレアアイテムなんだが目にみえる財宝に目が眩んだ奴には真の宝は手に入らないのは当然のこと。
既に罠は2つ出ていたが俺は進みつづけここで罠にかからず連続で金をだした。
「そんなはずはない。何かの間違いじゃないのか?」
「流石やでぇ・・・」
「そういう日もある」
ちいげきの金をだし点差をさらにちぢめうおとしたがここであらたな罠がでた。
「ここで帰れば点差は20点くらいだし次に繋げたほうがいいんじゃないかな」
リアルに追い付かれそうになってビビったのか敵は俺をなだめようとした。
俺は言った。
「死なななければ暴けないなら死ににいくのがトレジャpハンターなんだが」
俺は山札をめくり進行した。
奥不覚に封印されてた17金が発見された。
すかさず脱出し言ってやった。
「さて、最終ラウンドなんだが?行くぞ!」
「今さらだけど誤字が多いね」
「勢いが大事だと思って直してない」
「うん、それ重要」
エリ姉は頷き、ズレかけた眼鏡をすぐ修正した。
「小説は『勢いに任せ』ないとね。一度気になったら誤字だけじゃなくてちょっと気になった表現とか治しはじめちゃったりして、いざ続きを書こうとしたら色々考えちゃって結局書けずじまいとか」
「あーっと、ストップ。エリ姉の体験談はあんまり興味ない」
「姉に興味がないと申したか」
「そう聞こえなかったか?」
エリ姉はズレていない眼鏡をくいっとあげて、無言でモニターに向きなおした。
最終ラウンドは珍しく罠は落石1つでてだけでほkは金がわんさかでる状態でお互い進みつづけた。
「こうやって二人進みつづければ負けない」
奴は油断なく言ったが結構熱くなっついるらしく冷静ではにい奴には確実な死が待っていた。
「じゃ、落石が今からくるからこれで」
俺はここで一歩引いて脱出。ここで落石以外なら俺は負けは確実なんだが恨め続きなのに何故か落石がくる気がしたので下がった。
「これで僕のかちは決定」
奴は勝利の幻影にくらまされたまま山札をめくる。落石が落ちてきて奴は金とかを失った。
「逆転だ!」
「やっぱパねぇッス!」
「やはりそういう日だった」
俺は言った。
「勝ちと金に執着しすぎた結果がコレ。ちょうしぶっこき過ぎた結果だよ」
やつは視界がぐにゃあとしてるのかあぜんとしていた。今日は負け続きに最後の勝ちで結果としてトントンだったが生半可な実力者ではないと改めて見せつけてやった。
おわり
エリ姉はワードをスクロールし終えて少しすると、大きく伸びをした。コリッと骨が鳴る。
読み終わったのだろうか? 感想が聞きたいところだが。
「で、どうだった?」
「……うん、誤字を直すくらいでいいよ。とりあえず完結してるんだし」
色々といいたそうな顔でそういった。
「ま、もし次の機会があってまた相談しにきたら色々ツッコんであげる。あ、突っ込むっていってもせいてきな意味じゃないから」
「うぜぇ」
どうしてそういう頭がどうかしているとしか思えない言葉がぽんぽんでてくるのか。
あぁねむ、と呟いてエリ姉は立ち上がり部屋を出ていく。
「んじゃお休み〜」
扉を開けながらそう言うエリ姉の背に、これだけは言わなければならないことがある。俺はエリ姉のようにアホでも非常識でもないのだ
「……今日はありがとな」
「いっひひ」
扉が閉まる。
時計を見ると日付が変わったところだった。
いつも寝る時間だ。
「……エリ姉の眼鏡ズレ過ぎだろ。今度新しい眼鏡買ってきてやるかな」
少しだけ夜更かしして誤字を直す。
明日学校にもってくつもりだから、直したものをすぐ印刷する。
みんなはこれを読んでどう思うだろうか。
考えてみると少し恥ずかしかった。
「……意外と楽しかったな。また機会があればやるかぁ」
PCと部屋の電気を消して寝る体勢に入ったとき、ふとそう思った。
下手くそなのにインパクトだけはある文章という意味でブロント語というものは非常に便利なツールだと思う。