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全ての元凶

何故?ナゼ?なぜ───?

分からない。

理解できない。

昨日まで穏やかだったのに。

穏やかだった───筈なのに。

何故今はこんなにも荒れている?

あのパーティーの後、亨が来なければ。

彼奴等が来なければ良かったのに。

何故今は皆怪我を負っている?

全ては彼奴等のせい。


「何でこんな事をするんだ!」


叫んでも只、嘲笑するのみ。

彼奴等さえ来なければ───


                $$$$$$$$$$$


昨日までは休戦日。

皆一様に団欒を満喫していた。

そして次の日、行き成り彼奴等が現れた。

彼奴等は言った。


『やるならば最後まで』と。


彼奴等は嘲り、笑った。

血の海の中で。

彼奴等は鳴いた。


『心が痛い』と。


───何故泣く?

何故お前等が傷付く?

俺には解らない。

泣く位なら何故傷付ける?

呆けていた俺の意識は、リヴィによって現実へと引き戻された。


「棗!呆けてる場合じゃない!!早く俺の後ろに回れッ!」


首根っこをグイッと引っ張られ、リヴィの後ろに回された。

直後襲い来る衝撃。

戦いの最中だった。


「砂っ!?」


「知ってるだろ!?Sandy dollだよ!!」


額に汗を滲ませ、怒鳴り気味に言う。


「お前も早く応戦しろ!!」


困った・・・。


「俺は特殊能力は使えないぞ!?」


特殊能力についても、以前リヴィから教わった。


───「この世界に住まう者は、誰しも特殊能力を持つ。だがそれはこの世界の住民特有のものであり、前世・来世は関係しない」


確かそう教えてもらった筈だ。


「そうだ。そう教えた。でも、お前達の世界ではの話であって、こちらの世界に来れば前世・来世であろうと特殊能力が使えるんだよ」


だから早く応戦しろ。

と言いながら、再び防御体勢に入る。


「水舞龍!水壁の舞!!」


「すいぶりゅう?」


「そう、水舞龍。唱えれば水龍が現れるから。さぁ!唱えろ!!」


「てか最後の水壁の舞って何!」


「技の種類だよ!次は剣の舞だ!行くぞ!!」


「あっ、はい!」


思わず敬語になってしまった。


『水舞龍!剣の舞!』


唱えると、リヴィと棗の前に巨大な水龍が現れ、剣の様に鋭く変化し、亨とスティーの方向へ飛んで行った。

激しく砂を巻き上げ、必死に防御する亨とスティー。

何でだよ・・・。

抵抗なんて無意味だろ?

何故お前はそちら側に居るんだ・・・?


亨────


声なんか届く筈がない。

叫びすら悲痛の内に消えて行く。

すると直後で砂を巻き上げる音が聞こえた。

後方からの攻撃。


「やばっ!」


避けられない。


「片割れの翼─防─」


それは突然の声によって防がれた。


「・・・ありがとな、ルシン」


「なんの」


微笑むルシン。


「あれがルシンさんの特殊能力?」


「そう。片割れの翼─防─。防御専門の特殊能力だ。因みにルシナは片割れの翼─攻─。攻撃専門だ」


凄い。

強い。

遠くでは榊達も闘っている。

樒は手から焔を放ち、榊は雷の鳳凰を操っている。


「樒は猛火。その名の通り。榊は雷鳥。雷の鳳凰を喚び出す事が出来る。」


榊の攻撃が亨とスティーに当たった。


「ッツ・・・!」


ドサッと鈍い音がして、二人が倒れる。


「スティーラム・ハーツ及びに梶那 亨。貴方二人を拘束します」


以外と呆気無く闘いは終わりを迎えた。

すると気が抜けたのか、体から力が抜けて行く。

でも、何処か違和感がある。

それは言葉では言い表せない妙な感覚で、何かが腑に落ちない。

言わなければならない。

聞いて確かめねばならない。


「・・・二人はどうしてこんな事をしたんだ」


突然笑い出すスティー。


「フッ・・・クフフ・・・。どうしてかだってェ?なら教えてやるよ。佐倉 棗ぇ!お前等が犯してきた罪を!!俺の」


一緒に亨も呟く。


『俺達二人の苦しみを!!!』


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