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不協和音

「ねぇー!そっちのお皿取って!棗!!」


水城達が料理の準備をしている。


「何か・・デジャヴー」


棗は一人そんな事を考えていた。


「てかリヴィ、潤滑油とか言ってたけど、普通にゴロゴロしてた方が楽な気がする」


『俺等もそう思う』


「なっ・・・!?ルシナさん、ルシンさん!?」


『はぁい』


そこには笑顔のクラウス兄弟が立っていた。


「なんかさぁー、楽しいのは好きだけど流石に疲れたー・・・・」


とルシナ。


「だよなぁー、色々と疲れてるから、休みたい」


とルシン。

すると後ろからぬぅと手が伸びて、クラウス兄弟の首根っこを掴んだ。


『なぁっ!?』


「お前等少しは手伝えコラァ!棗もな!」


リヴィだ。

リヴィ、血管浮いてるよー。

その言葉を胸に収納し、リヴィの言葉に従った。

何故ならクラウス達が必死にジェスチャーで『逆らうとヤバい』と伝えてきたからである。


「まぁ、どっちにしろ面倒くさいんだからいっかな」


そう呟いて後を追った。


                $$$$$$$$$$$


リヴィに言われて料理をしていると、水城が俺を見ているのに気付いた。

何で見ているんだろう?

不思議に思った。


「・・・・なぁ水城、何で俺の事さっきからずっと見てるの?」


思わず聞いてしまった。


「えっ・・!やっ、り料理上手いなぁと思って、さ」


「まぁ、ちっさい時から教え込まれてたからな。この程度だったら別に。水城も上手いじゃんか」


「そうかな?」


水城は嬉しそうに笑いながら、料理を運んで行った。


「ありゃあお前の事好きだな」


「えっ?」


行き成りの声に後ろを振り向く。


「何だリヴィか」


「何だとは何だよぉ!お前等さっき愚痴ってただろ?」


「えっ、バレた?」


「当たり前だ」


リヴィは少し怒ったような素振りをして見せた。


「てかさぁ、気のせいかも知んないけど、前にもこんな事あったよな?」


「うん?ああ、Halloweenパーティーの時か?」


何で疑問系なんだよ。


「そっか!多分そうだと思う。で、何で今日パーティーしなきゃなんないの?折角の貴重な休みなのに・・・」


「だからこの時間を大切にって前にも言ったろ?」


「?」


疑問符疑問符・・・。


「俺は一回死んだから分かるんだよ・・・。時の大切さ、どんなに儚いかが。やりたい事が沢山あった。彼奴にも痛みを分からせてやりたかったのに・・・・。だから時間は大切に、有効に使わなきゃならないんだ。無駄にしたら勿体ないだろ?」


「・・・そうか」


生きた証を残さなくちゃならないんだ。


「そうさ!だから」


遠くでミレイナ達が二人を呼んでいる。


「今日もパーティーって事さ!!」


明るい声が響く響く。

その響きはやがて様々に入り交じり、不協和音となる───


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