不協和音
「ねぇー!そっちのお皿取って!棗!!」
水城達が料理の準備をしている。
「何か・・デジャヴー」
棗は一人そんな事を考えていた。
「てかリヴィ、潤滑油とか言ってたけど、普通にゴロゴロしてた方が楽な気がする」
『俺等もそう思う』
「なっ・・・!?ルシナさん、ルシンさん!?」
『はぁい』
そこには笑顔のクラウス兄弟が立っていた。
「なんかさぁー、楽しいのは好きだけど流石に疲れたー・・・・」
とルシナ。
「だよなぁー、色々と疲れてるから、休みたい」
とルシン。
すると後ろからぬぅと手が伸びて、クラウス兄弟の首根っこを掴んだ。
『なぁっ!?』
「お前等少しは手伝えコラァ!棗もな!」
リヴィだ。
リヴィ、血管浮いてるよー。
その言葉を胸に収納し、リヴィの言葉に従った。
何故ならクラウス達が必死にジェスチャーで『逆らうとヤバい』と伝えてきたからである。
「まぁ、どっちにしろ面倒くさいんだからいっかな」
そう呟いて後を追った。
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リヴィに言われて料理をしていると、水城が俺を見ているのに気付いた。
何で見ているんだろう?
不思議に思った。
「・・・・なぁ水城、何で俺の事さっきからずっと見てるの?」
思わず聞いてしまった。
「えっ・・!やっ、り料理上手いなぁと思って、さ」
「まぁ、ちっさい時から教え込まれてたからな。この程度だったら別に。水城も上手いじゃんか」
「そうかな?」
水城は嬉しそうに笑いながら、料理を運んで行った。
「ありゃあお前の事好きだな」
「えっ?」
行き成りの声に後ろを振り向く。
「何だリヴィか」
「何だとは何だよぉ!お前等さっき愚痴ってただろ?」
「えっ、バレた?」
「当たり前だ」
リヴィは少し怒ったような素振りをして見せた。
「てかさぁ、気のせいかも知んないけど、前にもこんな事あったよな?」
「うん?ああ、Halloweenパーティーの時か?」
何で疑問系なんだよ。
「そっか!多分そうだと思う。で、何で今日パーティーしなきゃなんないの?折角の貴重な休みなのに・・・」
「だからこの時間を大切にって前にも言ったろ?」
「?」
疑問符疑問符・・・。
「俺は一回死んだから分かるんだよ・・・。時の大切さ、どんなに儚いかが。やりたい事が沢山あった。彼奴にも痛みを分からせてやりたかったのに・・・・。だから時間は大切に、有効に使わなきゃならないんだ。無駄にしたら勿体ないだろ?」
「・・・そうか」
生きた証を残さなくちゃならないんだ。
「そうさ!だから」
遠くでミレイナ達が二人を呼んでいる。
「今日もパーティーって事さ!!」
明るい声が響く響く。
その響きはやがて様々に入り交じり、不協和音となる───