今世は幸せになりました【完】
今日はダージリン王太子とエリザベス様の結婚式だ。
純白のドレスを身に纏い、彼女は本当に美しかった。
「エリザベス様、眼鏡はかけたままなのですか?」
「眼鏡をかけた方が落ち着くんです。ダージリンもそのままがいいみたいですし」
素顔を全国民に見られたら、沢山の人がエリザベス様に見惚れてしまうものねえ。なるほど、次期国王となられる方は意外と嫉妬深い方なわけね。私は隣りにいたダージリン王太子を揶揄って見つめると、ダージリン王太子は少し照れているのか、笑いながら近くにいたセイに話しかけながら逃げていく。
ダージリン王太子とエリザベス様は国民に手を振り挨拶をしていた。
沢山の人達が二人を祝っていた。
ずっと私の隣りにいたセイは二人をジッと見つめていた。
「セイ?どうしたの?」
「‥‥いや、ただ‥‥」
「ただ?」
「リゼのウェディングドレス姿は綺麗なんだろうなと想像をしていた」
そう真顔で話すセイに、私は真っ赤になってしまった。
「や、えっと‥‥あ、ありがとう‥‥」
「リゼ、私はまだまだ頑張らないといけません、貴女の隣りに立っても恥ずかしくないようにその時はーー」
私はその先の事を言うセイの口を止めた。
「セイ、それはまだ言わないで。いつか、必ず‥‥私は待ってるもの」
そう私達は見つめあい、手を握りしめた。
沢山の人達が祝福をしている声が聞こえていくなか、私達はこっそりと人目のつかないところでキスをした。
この先はまだよくわからないかもしれない。大変な事が沢山あるかもしれない。
‥‥だけど、セイと一緒なら大丈夫。そう確信しているもの。
「セイ、愛してるわ」
そう私は彼に伝えた。
ーー10年後ーー
「お父様!お母様!またあのお馬鹿王子が私にイタズラしてくるのよ!?」
茶色の髪をした小さな女の子が頬を膨らませながら、自分の親元へと足を運ぶ。
「あら、ルフナ。また王子と喧嘩をしたの?」
「お父様みたいなかっこいい人じゃないと、結婚はしないと言ったら、お父様の悪口を言うんだもの」
リゼとセイロンの間には小さな娘が授かっていた。リゼと瓜二つの娘が‥‥お腹を大きくしているリゼは近くにいたセイロンに話しかける。
「次に生まれてくる子は男の子かしら?女の子かしら?」
「どちらでも愛しい子に変わり無いさ」
「ふふ、そうね。あら、陛下達がきたわ」
ダージリン陛下とエリザベス王妃とそして小さな王子様。
「私ぜーったいお父様みたいな人と結婚したいなあ」
「ルフナもいつか現れるわ。もしかしたらいまは気づかないだけかもしれないわね」
「馬鹿王子は嫌だなあ」
そう言いつつも、小さな娘と王子はまた遊び回る。
あぁ、とても幸せな日々だわ。
「セイ、私‥‥今とても幸せよ」
そう私は隣りにいたセイに感謝を告げる。今世の私はこんなにも幸せなのだから。
ルフナはダージリン国王の裾をクイッと引っ張る。そんなルフナにダージリンはクスッと笑って話しかけた。
「小さな友よ、君も幸せかい?」
「もちろんよ、ダージリン。私とても幸せだもの」
二人にしか聞こえない会話は誰も聞いてはいなかった。
とても穏やかな日がずっと続くのだから。




