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伝えたい

「ダージリン王太子は三度目‥‥ですか?」


私は驚いてダージリン王太子の顔を見つめるとダージリン王太子は少し暗い表情をしながら呟く。


「‥‥王太子、ね。一度目の人生は王太子ですらなかったけどな」


王太子ですらない?私の回帰前では、王太子だったし、ダージリン王太子の言っている意味がよくわからない。私が黙っているとダージリン王太子は話続ける。


一度目の人生からのお話を。



「一度目の俺はね、剣を握ってばかりで国や政治、婚約者の事なんて興味もないせいか、すぐに次期国王は弟が王太子として任命されたんだよね。

で、弟にあっけなく殺された。いや、正確には‥国王となった弟を裏で操っていたリプトン家にだな」


「またリプトン家‥‥我が家も関わっていたのですか」


「んーあまり覚えていないけど、一度目の君は病気で亡くなったと聞いている。今思えば多分‥‥殺されたのだろうな。当時の当主は君の妹であるキャンディ嬢だったし‥‥何より‥弟が国王になった時、いや‥‥正確にはリプトン家が政治に関わり君が亡くなったてから‥‥かな。反乱軍が結成された。その軍をまとめてたやつが、えーと名前なんだっけな。当時名前でしか聞いた事がないやつだけど『ロン』って奴だった。強い奴みたいだから闘いたかったけど、今世探してもそいつらしき人物見当たらないんだよなあ。ま、一度目は俺すぐ殺されたんだ。エリザベスも‥」


まさかのエリザベス様も殺されたとは‥‥

ダージリン王太子が生きている限り邪魔だと判断し、周りにいるもの全て殺していったのね‥‥。


若き国王が操られ、本来の国王はダージリン王太子にと立ち上がった者達がその反乱軍、ということかしら。


ロン‥‥どんな方なのだろう。



「で、目が覚めたら二度目の人生なわけだ。一応王太子として任命されるようにしたけどさ、やっぱり自由を求めてしまったわけよ。極力エリザベスと仲良くせず、自分だけ助かる事だけを考えてたんだ」


「自己中心的な方ですわね」


「‥‥そうだな。名ばかりの王太子と言われようとも、エリザベスだけは俺の味方だった。

‥‥君が結婚式当日馬車に轢かれ亡くなったのは事故ではなく『そう仕向けられた』と亡くなる直前エリザベスが色々と話しをしてくれた」


私は事故ではなく、殺された。その犯人がまさかの‥‥いや、まさかとは驚くほどでもないわね。


「キャンディが‥そう‥あの子が‥‥そうだったのね」


私が呆れて笑うと、ダージリン王太子は私が亡くなった後の事を話す。やはり二度目もキャンディが当主となり、アッサム様と結婚をして、好き勝手にしていた。エリザベス様を気に食わないという理由で人を雇い、徐々に薬で死ぬように仕向けた事。


もちろん横領や人身売買などもしていた事。


それを内密にエリザベス様に教えてくれたのが‥‥セイだった。


セイはキャンディ、いえオレンジペコー家や周りの者全て皆殺しにしてから死刑にされたとの事‥‥。


「‥‥なんで‥‥セイ‥‥馬鹿よ‥自分から死に行くなんて‥」


あの馬車に轢かれ、私の意識が遠のいてた時セイが私の名前を呼んで駆けつけてくれていた。


私は泣くのを堪えててドレスの裾をぎゅっと握りしめる。


「さて、俺が知っているのはここまで。一度目とは違い、二度目はオレンジペコー家は没落。‥‥ま、エリザベスを二度も亡くして結局俺は弟に全てを任せてしまったわけ。ずっと歳を取るまでのらりくらりと自由きままに過ごしてたけどさー‥‥」


「自由気ままに過ごしてたのに、なんだか納得してない顔ですね」


なんとなくダージリン王太子の声が震えていた。笑いながら話してるけど、何んだか泣きそうな顔だった。


「‥‥エリザベスのそばにいればよかったと後悔ばかりの毎日だった。俺の婚約者などならずに別な道もあっただろうに」


「‥‥ダージリン王太子はもっとエリザベス様とお話しをされた方がよいですね」


「それは君もだろ。セイロンが何故そこまで君が亡くなった後、あんな事をしたか‥‥さすがにわかるだろう?」


私が知らない間に、いつもセイは見守ってくれていた事が今ならわかる。


今無性に‥‥セイに、会いたいわ。


まだ寝ているかもしれないけれど、起きたら‥‥目が覚めたら自分の気持ちを伝えたい。


私はダージリン王太子と話した後、セイが眠る部屋へと元へ急いで戻っていった。


そっとドアを開けると‥‥セイがベッドから起きていた。


「‥‥リゼお嬢様」


「セイ‥‥えっと‥あの体調大丈夫?」


な、なんか気まずいわ!キ、キスしちゃったから、なんだか顔を合わせるのが恥ずかしい!セイは‥‥どう思ってるのかしら。


チラッと私はセイの顔を見ると、セイは‥‥普通のテンションだわ!私だけ!?気にしているのは!?


「セイ、あの‥‥キ、いや、あの後のことだけどーー」


「私が倒れてから何日眠ってました?」


「え、一日は経ってないわ‥‥あの‥‥覚えてるかもしれないけど‥あ、あれは‥」


「あれ?あれとは?」


‥‥‥ん?なんかセイが普通過ぎる。私はセイに質問をする。


「パーティーで妹のキャンディとの件覚えてる?」


「えぇ、薬なのかわかりませんが意識をはっきりさせようと剣で足を傷つけましたね」


「‥‥その後は?」


「‥‥?覚えておりませんが‥‥」


セイはキョトンとした顔をする。

あんな濃厚なキスをしておいて、本人は忘れてる!?みーんなの前でしたのに!?



「‥‥へえ、覚えてないんですか」


「あの‥リゼお嬢様‥‥?」


セイは足を庇いながらひょこひょこと私の元へ近くにきたのを私はキッ!とセイを睨む。


「貴方とは口を効かないわ!!」


「え、ちょーー」


バタン!と部屋から出ていくリゼを追いかけようにも傷口が深く追いかけずにいたセイロンの元にキリス団長とダージリン王太子がやってきた。


「よーよーよー!熱いね!さっきリゼお嬢様が部屋から出ていったのみたぞ!青春だねえー」


「は?何を言ってるんです。うるさいので出ていってください」


そうキリス団長と話しをしていた時、セイロンの見舞いにダージリン王太子とエリザベスの二人もいた。


エリザベスは頬を赤らめながら、セイロンに話しかける。


「ふふ、お2人はお似合いだと思います。セイロン様の立場がとか考えておられるのならば心配ありませんわ」


「あはは!セイロン!さっき、リゼ嬢からなんか言われたか?まあ、カップル誕生みたいなもんだからなー!異国では、めでたい時赤いご飯を炊くらしいぞ!よし!俺はお前たちを祝う!」


「ならば、私の家でいたしましょう」


「周りはもうお前達の事で盛り上がってるぞ!よっ!エロセイロンさま!」


セイロン以外、周りは盛り上がっていた。



「‥‥あの‥盛り上がってるとこ申し訳ございませんが何かあったのですか?」


「「「‥‥え」」」


シンと部屋が静かになる。

ダージリン王太子は静かにセイロンに質問をする。


「セイロン、まさか‥‥パーティーの件、覚えてないのか?セイロン‥‥お前、リゼ嬢にキスしたんだぞ?告白して」


「‥‥‥‥え?」


「「「え?」」」





「「「「‥‥え?」」」」



フリーズ状態のセイロン達だった。


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