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いざパーティーへ

「どうも怪しいのよね」


「リゼお嬢様にまた負けてしまった!なんでこんなに強いんですか!」


「はい、チェックメイト」


「だああ!負けた!」



私はキリス団長とチェスをしながら妹のキャンディの事や継母の実家であるリプトン家の事を考えていた。


特にリプトン家‥‥前回は特に気にはしなかったけれど、屋敷のメイドにお義母の帳簿をバレないようにと確認していくと、色々と調べた結果


「‥‥真っ黒だったわ」


前回の私はアッサム様の事ばかり中心に考えて、家や周り事を見ているようで見ていなかった。これは長女である私自身の責任よね。


「‥‥確かにこちらのチョコレートケーキは黒いチョコレートケーキと有名ですが‥‥真剣な顔をしながらケーキを5個食べる令嬢なんていませんけど」


「セイ、そんな呆れた顔をしないでちょうだい。ケーキの5個や10個くらいでそんなにーー」


「太りますよ」


‥‥‥ピタッと私の手が止まる。私は部屋の中で護衛をしてくれているセイの顔をもう一度見た。確かに、ここ最近チョコレートケーキやらお菓子を沢山食べている。


我慢していた分爆発してしまった。


「‥‥レディに対して失礼よ」


「正直に申し上げただけです。それとキリス団長‥‥あなたまで何ケーキを食べてるんですか?いいかげん仕事をしてください」


そう苛立ちながらセイはキリス団長に注意するもののキリス団長はふざけて彼をからかっていた。


もう少しで学園のパーティーが開かれる。前回は婚約者であったアッサム様はキャンディの手をとり、私は一人で参加したけれど‥


「ねえ、セイ。もう少ししたらパーティーが開かれるでしょう?私のパートナーになって欲しいの」


そう誘うとセイはコクンと頷くだけだった。

これは良いってことよね、「ありがとう」とお礼を言いとセイは私に互いに笑い合う。


‥うん、普通にキュンときてしまったわ!普段無愛想なのに、急に笑顔を見せるのは反則よね!?



そんな二人をキリス団長は


「もしもーし?二人の世界ならないでくださいますかー?おーい」


そう見つめあう二人に話しかけていた。






ガシャん!とティーカップを割る音が

別館の庭にて鳴り響いた。


苛々としているキャンディはティーカップを割り当たり散らしていた。そんなキャンディと一緒にいたのはアッサムだった。


「‥なんで、お姉様は冷たくなったの!?あの男が近寄ってきたからだわ!アッサム様もなんでそんなに冷静なの!?今からでも会いにいけばいいのに!」


「キャンディ、落ちついて僕はいたって冷静だよ。ただ、会いに行ってもいつも忙しいと断られるんだ‥‥」


ポロポロと涙を流すキャンディを宥めるアッサムの前に髭を生やした男性がやってきた。


その男性の姿を見てアッサムは挨拶をする。


「リプトン家当主の‥お久しぶりですね」


「アッサム君か、元気にしてたかい?あぁ、硬い挨拶は良い。私は可愛い姪っ子の顔を久しぶりに見に来たんだ」


そうリプトン家当主は泣いていたキャンディに話しかける。


「頼まれたものをもってきてやったぞ。ほら、泣くな。可愛い顔が台無しだぞ」


「おじさまぁ‥‥ありがとうっ。ふふ」


小さな小袋をキャンディに渡して、リプトン家当主はキャンディの母に会いに行くとまた立ち去る。


小袋を手にした途端キャンディは嬉しそうな顔をしていたのを、アッサムは不思議そうにしていた。


「キャンディ、それはなんだい?」


「え?これ?うふふ、今回のアッサム様には不必要なものよー♩パーティー楽しみだわ!あ、アッサム様、今回もパートナーをお願い。私何故かみんなに避けられててぇ‥‥」


「あぁ、わかった」


そう機嫌が良くなっているキャンディだった。




パーティー当日



学園パーティーが始まる今日。一つだけ気になる事がある。


エリザベス様なのよね‥‥


回帰前では私と同じく一人でパーティーに参加していた一人だったのを思い出した。


当時の私はアッサム様とキャンディが二人で踊る姿を見たくなく、友人達に挨拶だけ済ませてバルコニーで過ごしていた。



気づいた時には、彼女は一人でいた。



王太子は外で大会やら参加して王宮主催であるパーティーなど参加する事がなかった為、婚約者であったエリザベス様は笑い者にされていた。ドレスも質素でエスコートもされていない彼女‥‥


「‥‥あの時、私は自分の事しか考えてなかったわね」


馬車の中でそう私が呟いていると、向かいに座っているセイは何も聞かずただ見つめてくる。


「セイ、パーティーまでまだだけど、早く出たのはエリザベス様の元へ行きたいの。いいかしら?」


そう私が話すとコクンと頷くセイだった。


エリザベス様の元へ足を運ぶと、案の定回帰前と同じく地味なドレスを着ていた。


「エリザベス様」


「まあ、どうされたんです?セイ様まで‥あら、二人共同じデザインなんて、ふふ素敵ですわね」


私はキッと彼女を睨み、エリザベス様を椅子に座らせる。彼女はよくわからないという顔だったけれど、周りにいるメイド達と私は言葉を交わせずともわかっていた。


ドレスをなんとかしたい!!!


「エリザベス様、ドレスを変えましょう!」


「シンプルなドレスこそ、時期国の母たるもの質素でと妃見習いであるメイド長から習いましたので、私はこれで‥‥」


はあー?!んなわけあるか!!あら?王宮のメイド長って‥‥メイド長は確か



「「リプトン家の者」」



私の声が重なり、バッと後ろを振り向くと絶対参加などしなかったダージリン王太子が現れた。


窓際の外の木から‥


いや普通に現れて欲しいとツッコミたいとこだけど。


エリザベス様はダージリン王太子が来た事に驚いていた。


「‥‥貴方が王宮以外の決められたパーティー以外参加するなんて‥‥どうして?何?また悪さでもしたのですか?」


眼鏡をクイッとしながら、疑うエリザベス様にダージリン王太子は少し困った顔をしつつ笑顔で誤魔化す。


「あはは!そりゃ、婚約者として参加しなきゃだろ?」


私とダージリン王太子は目があう。なんか、腹が立つのよね、あの余裕な笑み。


「‥‥リプトン家が妃教育に関わっていたのですか?いえ、この話はまたあとでしましょう。今はエリザベス様です!男性は廊下で待ってください!ダージリン王太子はとりあえず、きちんと窓からではなく来てくださいませ」


私はもう一度エリザベス様の方を見て、セイとダージリン王太子を追い出す。


「リゼ嬢、あの‥私はこのドレスでーー」


「とびっきり素敵な姿になってあの王太子をビックリさせましょう」


「え?あの、リゼ嬢?メイドのみ、みんなも‥あの!?」









玄関ホールでまつダージリン王太子はセイロンにまた誘いの話をする。


「もう一度言うが、俺のそばにこないか?」


「‥‥結構です」


「俺のプロポーズを断るのか!?」


「‥貴方のその誤解を生む発言やめてください。学園で王太子と私の仲が良い本が流通されて今でも不快感が‥」


ハアとため息を出すセイロンをからかっていたダージリン王太子の前に階段から現れたリゼ嬢が声をかける。


「ダージリン王太子、セイお待たせしました」


ダージリン王太子は階段の方へと見上げると、リゼの隣には眼鏡をかけず、髪を下ろし赤と金色のドレスを身に纏うエリザベスの姿にダージリン王太子は固まっていた。


ふっふっー!凄い綺麗に仕上がって私もメイド達も満足よ!メイド達もずっと我慢してたみたいだったし!ダージリン王太子の顔が豆鉄砲みたいになってスッキリしたわ!


「リゼ嬢、私おかしくないですか?」


「エリザベス様、全然おかしくありません!さあパーティーへ行って美味しいお菓子を食べましょう」


そう誘うとエリザベス様は可愛いらしい笑顔を私に向けた。可愛い過ぎる!!





セイロンは無表情のまま馬車の中で、エリザベスと一緒の馬車に乗れなかったダージリン王太子を睨む。リゼとエリザベスは別の馬車に乗ったのだ。そんなセイロンをダージリン王太子は笑って誤魔化す。


「‥‥そんな睨むなよ。友よ」


「友になったつもりはありませんよ。私はリゼお嬢様をパートナーとしてエスコートしにきたんです。なのに、なぜあなたと二人仲良く馬車の中にいるんです」


大の男が二人仲良くパーティーに参加する姿をまたもや、変な噂が流れる‥そう深いため息を出すセイロンと、綺麗になったエリザベスに声をかける事もできずため息をだすダージリン王太子だった。


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