日常
東京の郊外の窓に朝日が差し込む。
とても眩しい。
今日も憂鬱で変わらない日常が始まる。
いつも通りの狭い部屋。いつも通りの信号の周期、いつも通りの遅刻、いつも通りの駅舎。
苦心して入った理想郷での生活は地元以上に錆びれている気がする。
わたしは染野こころ、大学1年生。
周囲からは天才やら美人やら言われてるが、わたしはそんなこと到底思わない。
加えて性格が悪い気がするし、八方美人って思わそうな態度しか取れていないと思う。
都内に憧れを持って努力して入った大学もきっと地元は努力なんて知ったこっちゃない。
人のこともあまり信じられない性格なのかもしれない。
とてもつまらない講義を聞き、浅い繋がりの知り合いと昼食を食べ、帰宅する。そんな生活を繰り返す。
そしてスマホを触り、作業をして眠る。
平凡な世界の静寂と狂騒にわたしは包まれている。
しかし、そんな日常が変わるかもしれない。
信用できるほぼ唯一の友人 景佐志歩 との会話で一変する。彼女は気さくでいい子。正直わたしと釣り合わない気がするが、心が安らぐ。
「こころ?浮かない顔してるねぇ、もっと明るく生きようよ」
「いや、わたしは常に楽しいよー」
「そんなこころに1つお知らせがー!」
「えっ、なになに」
「地球安定研究所の募集当たってたよー」
「えっっっっっ!!!!!!!」
地球安定研究所(The Earth Stable Center)は世界最高の研究ができると言われる研究所だ。
先日、わたしとしほは一か八かで申し込んだのだ。
まさか通るとは想定してなかったよ。
この日から2週間後某大学の某講堂前に集まれという指示だけの連絡だったが、変わらない日常が変わろうとしているのかもしれない。