失礼な男の子
なんとか本日分書き上がりましたー!!
ようやくお相手が登場です!!
次がわかるタイミングで糸を長めに引き上げて、一旦テーブルの上に編みぐるみとかぎ針を置いた。そのまま首と肩を回して……う、バッキバキになってる。目の眼精疲労も感じてしまい、ぐっと眉間を揉み込んだ。精神年齢よりも肉体年齢は若いわけだけれど、無理は禁物ね。
痛めない程度にぐりぐりとしたあと、ため息を吐きながら目を開けたら目の前のチェアに誰かが座っていた。え? いつから居たの? 全然気がつかなかった。
「なぁ、アンタ……」
「はい?」
ちょっと、言っちゃ悪いけど治安がよろしくない男の子。キッチリと着るべき制服のネクタイは緩く結んでいて、ワイシャツなんて第二ボタンまで開けてしまっている。そりゃ第一まで締めると苦しいけどね? せめて第一ボタンを開けるくらいにしたほうが良いのでは……と思ってしまう。
「おとこ? おんな?」
「はぁ?」
思わずガラの悪い言葉が出ちゃった。だって、初対面で男か女かとか聞く? そりゃいまはジェンダーレスだし、女の子が男の制服を着たって良い。この学校もそういう着こなしも大丈夫としている。でも、それはそれで、これはこれ!
「……男だったらなんだって言うの?」
男でも編み物が好きな人だっているし! 元の世界には編み物王子って通称の方だっていたし!!
「わりぃ……確かに、不躾だった。単に気になっただけなんだ……」
ちょっとつり上がり気味の目尻を少しだけ下げて、その男の子は謝ってくれたけど……うぅ、ちょっとションボリとしたわんこみたいな空気を出さないで欲しいわ。でもそうよね。先輩だとしてもまだ十代なんだし、うっかりと失言をしちゃうことだってあるでしょう。ふぅ、とため息を吐いてから「良いわよ、許す」と返せば、相手も少し肩の力を抜いたようだった。
「俺も、こういうのは好きなんだが……その……」
「まぁ堂々とやるには勇気が必要かもね。私は気にしないけど」
だって好きなんだもの。誰に迷惑を掛けたってわけじゃないんだし、私は私として好きにやっちゃう。ただ男の子全員がそう出来るかって言ったら別問題よね。特に思春期の多感な時期だと。
「別に、あなたがやっていたって誰も気にしないと思うわよ」
「……親がうるさい」
「あらまぁ」
ついでに言えば、興味はあってもやり方がわからないらしい。聞く相手も居ないし、クラスの女の子がやっているのを遠目に見るくらいしか出来なかったと言われて、むしろ同情してしまった。現に、私がさっきまで編んでいたものをつんつんと触る手つきは優しいの。嘘をついていないとわかるわ。
今日、ちょっと眠気が酷くて無理かもしれない……と思ったのですが、
なんとか書けました。
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@Kishi_Raika