運動神経
久しぶりの更新、失礼いたします。
(別名義でイベント参加などしておりました……)
次の更新はもうちょっと早めに出来るように頑張ります!
「あー、ゆかりんって……ほら……ね?」
「……あ。」
「いいのよ。はっきり言ってくれて構わないわ、運動音痴って」
運動神経が死に絶えていると、前世から言われてる人間だもの。
「大瀧さん、すごいキリッとした顔で砲丸投げを真下に落としたから」
「あれでもまだマシになったのよぉ!!」
いつと比べてマシかって言ったら前世だけど! ちなみにあの時はあわや大惨事、足の甲に砲丸を落としそうになったからね!! すんでのところで足を引っ込めたからなんとかなったけど……しばらく心臓がドキドキしたし、今も思い出してドキドキしてるわ。
ね? それに比べたらマシでしょう?
「女子の平均より遅いもんなぁ」
「てか、大瀧の出来る競技ってなんだ?」
「玉入れ……なんて高等科にはないよな。綱引きは全体競技だから出てもらわないと困るんだけど」
ガヤガヤとクラスメイトが私をそっちのけで相談を始めてしまって、羞恥心で死んでしまいそう。
「それで結局、私は二人三脚になったけど……って秋月くん笑いすぎじゃないかしら!?」
「ぶっ……くっく、いやだって、競技ほぼ全滅とかやばいだろ」
私を迎えにきてくれた秋月くんとの下校中に、今日のあれこれを話していたら大笑いされてしまったわ。
なんでかこれもルーティーンになっているのよね。最初は期末テストの前だったかしら? 部活がないから真っ直ぐ帰るしかなくて、それなら一緒に帰るかって話だったんだけど……テストが終わってからも部活がない日は一緒に帰ってる。というか部活もほぼ自主製作になっちゃったから、毎日一緒なのよね。いやべつに良いんだけれど。
「他に帰る人がいないのかしら……?」
「あ?」
相変わらず学校だと一匹狼なのよ。萱島さんや亘理さんとは少し打ち解けたのに、自分のクラスメイトとはあんまり関わってないみたいなの。
「そっちのクラスはなにをやるか決まったの?」
「さぁ? まぁなんとかすんじゃねーの? 俺はなんか着て立ってろって言われたわ」
「なにそれ」
他クラスがなにをするかは夏休み明けに発表になる。だからそれまでは自分たちで情報を収集するしかないんだけど、その相手がこれなんだもん。自分のクラスに興味がなさすぎでしょ。