ご提案
平日は少し更新が開いてしまうと思います。
今回も楽しんでいただければ幸いです!
別に学校の文化祭程度じゃ強制はされていなかったはずだけど、出し物をする側も招待される側もいいところの方々となれば念には念を入れる必要があるのかもね。ただそんなご子息ご令嬢は便を提出することに忌避感があると……だからの外部委託? でも大人になったら健康診断で小も大も出すことになるんだけど、そのあたりは良いのかしら?
「外部に委託はしたくない、飲食系も難しい、となると映え系とか? 教室をフォトスポットとして飾り付けちゃえば、当日はほとんどやることがないと思うわよ??」
「あー、それもありかなぁ」
「あとは、そうねぇ……」
フォトスポットに風船を使うならバルーンアートも楽しいかもしれない。細長い風船を膨らませてキュッキュッと結んで作る犬なんかが有名どころかしら。ちょっと練習が必要だけど。でも私としてはハンドクラフトも絡ませたいわよねぇ……うーん。
「あ。こういう時ってご実家の援助は見込めるのかしら?」
「どの程度かにもよると思うけど……縁さん、なにを思いついたの?」
「ほら、うちのクラスの羽多野くんって大きな手芸屋さんの息子さんじゃない? そういうところから買う時に割り引きとかしてくれるかしらー……なぁんて」
さすがにタダで貰うなんてことはしないけど、割引をしてくれたらラッキーよね。こういうのってどれだけ原価を下げて、皆が気軽に楽しめる価格帯に抑えるのが定石でしょ。でもここの学生の手軽な価格ってどの程度なのかしら……?
「なになに? 大瀧くんってば、なにを考えてんの?」
「あら、羽多野くん耳が早いわね」
「そりゃお得意様だもん。手芸部でもたくさん買ってもらってるしねー……ってことで面白そうだから言ってみてよ」
ワクワクしてる羽多野くんには悪いけど、そこまでの粗利は出ないわよ。たぶんね。
私が思いついたのは、秋月くんにお願いされた瑛舞ちゃんへのヘアアクセサリー。編み物までするのはハードルが高いけど、フェルトを決まった形に切っておくだけなら簡単でしょう? それをお客さんが選んで貼り合わせたら体験型のイベントになるかなぁって。
「あんまり華やかじゃないかもしれないけど」
「いや、そのくらいのほうがハードルは低いかな。準備のほうを頑張ってもらえれば、文化部の人たちも気兼ねなく部活のほうに顔を出せるだろうし……」
「飾り付けはさっき言っていた風船や銀テープを垂らせば出来そうよね」
なんだか話が決まっていってる気がするんだけど大丈夫かしら?? ついでに他のクラスメイトも周りに集まって来ちゃってるし! そこで頷いていないで!!
「いや、あの……もっと他の案も考えて欲しいんだけど……」
「ゆかりん、あの黒板をもう一度見て、それ言える??」
「……亘理さん」
それを言っちゃ駄目だと思うわ。そりゃあ外部委託よりはマシでしょうけどね!?