文化祭の話し合い
7月になりました。
今の文化祭ってどんな感じなんでしょうね~
梅雨明けのタイミングに期末テストがあって、学校全体で悲喜こもごも……なんてこともあったけど私は一応五十位以内を死守しました。こういうところもちょっとチートっぽくて申し訳ないんだけど、そろそろ学業について行けなくなりそうだったりします。え? 趣味の時間を勉強に費やせば良いだろうって? それが出来たら前世でもっと勉強が出来たと思うわ。得意を伸ばすほうが良いと思うしね!
「大瀧さん、今ちょっと良い?」
「あら? 話し合いは終わり?」
「今はアイスブレイクってことで、少し休憩を挟んだんだよ。あのままだとあまり良い案は出てこなそうだったし」
ぼんやりと暑いなぁなんて考えてた私に声を掛けてきたのは、クラス委員長の鳴河くん。その隣には萱島さんがいて「縁さん、もう少しこちらにも興味を持って」と眉を下げている。
「興味と言われても……私、文化祭は部活のほうに詰めっきりになりそうだから……」
今は文化祭でおこなうクラスの出し物を話し合う時間だったんだけど、クラス側にあまり参加出来ない立場としてはあれこれ提案するのが申し訳なかったのよ。学生の身でどこまで出来るかって線引きも、去年の文化祭を知らないからわからないし、そもそも外部生だし。
「部活のある人は優先してシフトを組むから、変な遠慮はしないで欲しい。僕としては外部生の視点であれこれ言って欲しいんだよね。……見てよ、あの一覧を」
鳴河くんが指差したのは教室の前にある黒板だった。えーっと、バンド演奏、ポップアップショップ、美術展示、ケバブ、シュラスコ、マグロ解体ショー……全部が全部、外部のなにかや誰かに頼るものばっかりだわ。いやそれはそれで良いと思うけどね? ただ自主性としてのあれこれを求める学校側からは却下されるでしょうね。
「せめてフレッシュジュースくらいにすれば良いのに」
ジューサーや果物、氷の準備は必要だけど、それなら現実的だと思うの。でも鳴河くんは「飲食は……」と否定気味。なにか問題があったかしら?
「その……ほら、検査がね……あるから……」
「あぁ、検便ね?」
「縁さん!!」
いやそこをぼかす必要はないでしょう。