きっかけ
期間が空いてしまって申し訳ありませんでした。
なるべく更新はしたいのですが……平日は難しいかもしれません。
言い訳はこれくらいにして!
本日分も楽しんでいただければ幸いです!
その時、ちょっとだけ沸き立った私の頭をがっしりとした何かが掴んだ。目の前の萱島さんは目をまん丸にして、口元に手を当てている。え? なに?
「萱島、余計なことを言うな。大瀧は余計なことを考えるな」
秋月くんだったわ。いやぁね、昔の写真を見られたくないからって恥ずかしがっちゃって。でも萱島さんはそうは思わなかったらしく、顔を真っ青にしていた。
「ちょっと、秋月くん。私の友達をいじめないで? あなた、自分の目つきの悪さを自覚したほうが良いわよ?? ……って、いたたたた!!」
フォローをしたつもりなのに、頭に掛かる圧力が高まったわ。そんな私と秋月くんのやり取りを見て、萱島さんはちょっとだけほっとしたようだったけど。
「久しぶり、秋月くん。縁さんと仲が良いのね」
「……退屈はしない」
「ふふふ。……私とも、また話してくれると嬉しいわ。もちろん美佳も同じ気持ちだと思う。勝手な言い分なのはわかっているけれど」
少しトーンを落とした萱島さんの声は、なにかしらの後悔を秘めているようだった。とはいえ、それも仕方ないと思うのよね。狭い世界の同調圧力ってどうしてもあるだろうし。特に多感な年代だしねぇ……って、精神年齢高めな私は思っちゃう。
「今まで通りは難しくても、萱島さんが迷惑を被らなければ良いんじゃない? 秋月くんはそれも心配しているんでしょ??」
「!」
「さて、お迎えが来たから私はもう行くわね。萱島さんも時間は大丈夫?」
なんでか萱島さんも秋月くんも驚いていたけど、たぶんそういう部分もあったと思うのよ。最初はちょっとのすれ違いから始まっても、時間が進めばどんどんその差は大きくなってしまう。どっちも悪くはないのに、自分の中で不安視してしまったりして戻れるきっかけを見失うの。
時間が解決してくれる部分もあるけど、私がそのきっかけになれたら良いと思う。どっちも大切なお友達だしね!