友達?
本日二度目の更新ですー!
明日以降は少し不定期になると思います(平日なので……)
他の生徒にだって反抗期はある。でも元がいいところの子たちだから、大きな問題に発展することは少ない。……その中で際立ってしまったのが秋月くんみたい。
「でも、その夜の繁華街でっていうのは噂なんでしょう?」
だっていいところの子たちが夜の繁華街を出歩くことなんてないはずだもの。ただそこは横の繋がり、誰々のお父さんが見掛けたなんて尾ひれがついてしまうと一気に信憑性が増してしまうようだった。
「どこまでが本当かはわからない。ただ本人も壁を作っているというか、孤立するようにしているというか……」
「……孤立」
なんだか違和感がある。孤立したがりで自分から壁を作っているような人が、初対面の人にズケズケと絡んでくるかしら。私が外部生だから話しかけやすかったとか? 趣味が一緒の――外見性別としては――男だから??
「不思議ねぇ。……私、このあと秋月くんのおうちにお邪魔するのよ」
「えぇ?!」
妹さんが、私の作ったヘアアクセサリーを思いのほか喜んでくれたらしくって、一度会ってみたいと言ってくれたの。もうすぐお誕生日ってことも知っているから、スイカとは合わないだろうけどシュシュも作っちゃった。学校をお休みすることが多いらしいし、ベッドで寝ている時に少しでも気分が晴れますようにって気持ちも込めて。
「だから萱島さんの言ってる秋月くんのイメージがちょっとよくわからなくって……でもそうなると、私と秋月くんの関係ってなんなのかしら?」
おうちに遊びに行くんだから〝お友達〟で良いのかもしれない。でもお友達っていうほどあれこれ話しているわけでもなく……だって片方は黙々と手芸をしていて、片方はコーヒー片手にそれを眺めているのよ?
「ごめんなさい。それなら、私の質問は配慮に欠けていたわ……」
「ううん、気にしないで。心配してくれているのはわかっているから。彼、ちょっと目つきが悪いしね」
かといって愛想の良い秋月くんって考えられないんだけど。それはゲームのイメージもあるのかしら。スチルで少しだけ目尻が下がってる? かな? というのはあったけど、基本的には殺し屋とかスナイパーって言われていたもの。
「秋月くんの満面の笑顔、見てみたいわねぇ」
「あら? それなら初等科の卒業アルバムに載っていたはずよ?」
「え、それって私も見れるかしら?!」