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転生少年、異世界へ ~鉄道の力で無人大陸に国を築きます~  作者: 四葦二鳥


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第51駅 特急! 未調査領域の探索 その2 ~未調査領域3カ所~

~バルツァー帝国side~


「派遣した部隊が壊滅?」


「は、はい。そのようで……」


 バルツァー帝国皇帝、キャロリン・バルツァーは、小国群を攻めた部隊が壊滅し、撤退したことについて報告を受けていた。


「予想よりも早くスタッキーニ王国軍が援軍に来たらしく。しかもかなりの大軍だったとか……」


「スタッキーニ王国軍が……」


 この報告は事実だろう。いくら先遣隊とはいえ、簡単に壊滅するほど弱くは無い。

 だが、なぜスタッキーニ王国軍はそんなに早く、大軍を移動させることが出来たのか?


 キャロリンはしばらく考え、ある事を思い出した。


「そういえば、スタッキーニ王国に妙な乗り物が出没したのよね?」


「はい。確か魔力鉄道と言っておりましたが……」


 キャロリンを始め帝国の上層部は、魔力鉄道の情報を掴んではいたが真偽不明の不確かな情報と認識していた。

 なぜなら、この世界の常識からあまりにもかけ離れた乗り物だからだ。


「その魔力鉄道、実在すると思っていた方がいいわね」


「ですが、魔力鉄道を目撃した将兵はおりませんが……」


「戦場から遠くの位置で兵士を降ろし、そこから徒歩か馬で移動したんでしょうね。とにかく、南進計画を位置から練り直さないと……」




~トシノリside~


 バルツァー帝国の情勢が緊迫感を増す中、僕達はまた未踏領域の弾丸調査に赴いていた。

 とにかく僕達がやるべき事は、自国の領地の特徴をよく理解し、どんな状況になっても対応できるよう武器を増やす事だから。


 今回は、セントラルシティの南、カフェマウンテンの東西にある未踏領域に駅を設置し、人を住まわせることが出来るようにすることが目的だった。


 最初にやって来たのはカフェマウンテンの西、シュガーフィールドをさらに西に進んだ、海に面した領域だった。


「事前情報の通りだね。野菜がたくさん生えている」


 この領域は、カボチャ、トマト、インゲンマメ、ピーマン、アボカドといった野菜がたくさん生えていた。

 前の世界では、主に南北アメリカが原産の野菜が中心らしい。

 この領域の名前は『ベジタブルミードウ』だね。『野菜草原』という意味。


「ここの植物、ほとんどウマいものがないし、おなかもあんまりふくれないのだー」


「好き嫌いしてはダメですよ、エディさん。それにしても、私が見たことがない野菜ばかりですね」


「次に調査する領域まで時間がかかるから、食事がてら作ってみるよ」


 そしてグラニット号での移動中、食堂車のキッチンで作って見た。


「どうぞ。ボロネーゼとカボチャのポタージュです」


「ひき肉と……トマトを合わせたソースですか? こんなパスタ、初めてです」


 ボロネーゼは、ソースを作ったのは初めてだったけどなんとか作り方を予想して作って見た。

 トマトを湯むきして、ミキサーで潰す。そこに炒めたひき肉と合わせて汁気を飛ばし、塩コショウで味を調えた。

 前の世界で食べていた出来合いのボロネーゼとはちょっと違う気がするけど、食べられるものになって良かった。


「あの硬いカボチャ、こんな甘いモノになるんだなー!」


 カボチャのポタージュは、ざく切りしたカボチャを蒸して柔らかくし、そこに牛乳と料理人がストックしていたブイヨン(もちろん固形ブイヨンではなく、スープを冷蔵していた)を合わせミキサーにかけ、さらに火にかけて加熱しながら味を調えてみた。


「よくわからない部分もあったから心配だったけど、まずくなくて良かったよ」


 後は、プロの料理人がレシピを修正してくれるんじゃないかな。




 次にやって来たのは、カフェマウンテンに東にある領域。


「うん。事前調査でわかってはいたけど、こうも密生していると壮観だね」


 この領域は、ジャングルだった。しかも生えている木は全て、茶色い大きな実を付けている。

 間違いなく、『カカオ』だった。


「領域の名前は『カカオジャングル』だね。それくらい木の密度が高い」


「カカオという植物は、何に使うのですか?」


「豆がチョコレートっていうお菓子の原料になるんだよ」


「お菓子ぃ~? エディ、あの実の豆をたべたことがあるけど、苦くてたべられるものではなかったのだー!!」


 あー、まぁ、確かにカカオ豆は元々苦いからね。とてもお菓子の材料になるなんて発想はなかなか出てこないんじゃないかな。


「砂糖と牛乳が必要なんだけど、それを混ぜる前の加工が結構大変でさ。あらましは知っているんだけど、人の手でやると結構手間がかかるというか……」


「でしたら、専門のチームを作って研究させてみるのはいかがでしょうか? グラニット王国の輸出品になる見込みがあるのでしたら、ブルネルさんも了承してくれるはずです」


 というアンの意見を採用し、後日チョコレート開発チームを作ることになった。

 実際にチョコレートの生産が始まるのは、半年ほど後の話になる。




 最後に、カカオジャングルの東にある海岸沿いの領域にやって来ていた。


「キレイな色ですね。北部大陸ではあまり見たことがありません。クジャクくらいでしょうか」


「なき声もおもしろいのだ! 鳴きまねがじょうずなのだー!」


 この領域、インコやオウムといった南国原産のカラフルな鳥が多数生息している。


「この領域、『カラフルバーズ』って名前にしようかな」


「この鳥達、好事家に向けて売れないでしょうか?」


「生きた生物の移動は気をつけた方がいいと思うよ? 予期しないトラブルとか起こるし。それに飼育方法も確立していないから、逆に人に来てもらって見物してもらう方式の方がいいと思う」


 あとは、抜け落ちた毛で装飾品を作るとか。

 少なくとも、これらの鳥のペット化は当分先だと思う。


 このカラフルバーズの調査をもって、今回の弾丸調査は終了。気付けば北部大陸の大半を踏破したことになった。

 サバンナへ向かうときは、もう近いのかも知れない。



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