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転生少年、異世界へ ~鉄道の力で無人大陸に国を築きます~  作者: 四葦二鳥


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第39駅 発見! 待ちわびた物 ~ファイバーランド~

 その後、リットリナさんに試作した有蓋車やホッパ車、家畜車を見せて貰った。

 有蓋車は列車の土台に倉庫をくっつけたような物なので、比較的簡単だったらしい。換気用のスリットも付いていた。

 ホッパ車はさらに簡単。積み荷の詰め替え用の仕掛けはあるけど、リットリナさんにとってそんなに難しい物では無かったらしい。


「ちょっと苦労したのは家畜車だね。車内で水を使えるようにしなくちゃいけないし、抜け毛やフン、血液なんかの汚れを簡単に掃除できなくちゃならないから。まぁ、出来たけど」


「すごいね。ところで、どの車両もボギー車になっているけど、これも作れたの?」


「ああ。確かに複雑ではあったけど、魔道具ほどでは無かったね。それと、列車の運行に必要な機材もきちんと完成している」


 鉄道の運行には、安全性が不可欠。そのために色々な装置がある。信号とか通信装置なんかがそれに当たる。

 それもすでに開発していたとは。リットリナさんは天才と言われるだけある……!


「今開発しているのは、コンパートメント車だ。あれはソファを変形させてベッドにするからね。で、その仕組みはほぼ開発出来ているんだけど、どうしても足りない物が……」


「繊維だね」


 そう。前々から探している繊維が、ここでもネックになっている。

 スタッキーニ王国からの輸入だけでは、どうしても足りない。


「実際にクッションを付けないと完成しないからね。それに、骨組みのままでの変形は問題なくても、クッションを付けることで思わぬ干渉が起きるかも知れないからね。だから、早く見つけて欲しいんだけど……」


「そうだね。魔力鉄道の量産が始まれば僕達もある程度時間が取れるから、もうちょっと探索に力を入れられるかも知れない。まぁ、運次第ってところには変わりないけど……」




 数日後、僕達は南部大陸の探索を行う旅に出ていた。

 目的地は、グレインハイランドの西の領域。


「う~ん……」


「どうしたの、エディ?」


「今から行くところって、あんまり面白くないというか……だまされた事があるのだー」


「だまされた事?」


 だまされた事ってなんなんだろう? 南部大陸は、最近まで人が入ったことはないし……。

 もしかして、かなり狡猾な生物が生息しているとか?


「あのなー。バナナっぽい木があったのだー。けど、種がたくさんあって食えたもんじゃなかったのだー!」


「バナナっぽいけど、種がたくさんある木?」


 あれ? これって、もしかすると――。


「トシノリさん。何かお気づきになったんですか?」


「まぁ、もしかしたらって感じだけどね、アン。ただ今は推測でしかないから、実際に目で見て確かめないと」




 領域に到着し、駅を設置すると、早速連れてきた冒険者達と一緒に探索に出た。


「これこれ。これがバナナっぽい木なのだー!!」


「やっぱり。これって……」


 エディが指し示した木は、確かにバナナっぽい。

 実がなっていたけど、青く、種がたくさんあって食べにくそうだった。

 そして細かくその木を見ると、僕の頭の中で近い植物が思い浮かんだ。


「イトバショウだ!」


「イトバショウ……ですか?」


「うん。僕のいた世界では、食用バナナの祖先の一つと考えられている植物だよ。でも、利用されているのは実じゃ無くて――葉だよ」


 葉から繊維を取りだし、布を作る。この布は『芭蕉布』って呼ばれてて、薄くて軽い、汗をかきやすい土地にピッタリな布になる。

 まぁ、繊維を取り出すのに結構手間がかかるけど……。


 沖縄で栽培・生産されていて、国の重要無形文化財に指定されていたはず。


「では、これで念願の繊維が手に入ったんですね!」


「うん。そういうことだね」


「トシノリー、アンー、こっちの木はどうだー?」


 エディが呼び出した場所に生えていた木は、確かにバナナの仲間であることには違いなかった。

 ただ、茎が何重にも鞘状に包まれている。


「これはたぶん……マニラアサだね」


 名前の通り、フィリピンで主に栽培されている繊維植物。『アサ』って名前だけど麻の仲間じゃ無い。れっきとしたバショウ、つまりバナナの仲間だからね。


「茎を包んでいる部分から繊維を取るんだ。かなり強くて、織物の他にロープや紙も作れる。そういえば、僕のいた国では紙幣の原料になっているって聞いたことがある」


「紙幣ですか? 一部の経済学者が紙幣を流通させる理論を提唱しているのは知っていましたけど、トシノリさんの世界ではすでに実用化されているんですね」


 アンと軽く話した程度だけど、どうやらこの世界、紙幣の理論だけは存在しているらしい。


 その後も、この領域の調査を続けた。



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