表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/138

亮の挑戦

「そうか・・・それは難しいわね」

ケイティは男がブルーノの娘を好きではないと

勝手に判断しその先の話は控えてしまった。


ブルーノとケイティはフラミンゴホテルのカジノに入った。

ラスベガスのホテルのロビーはカジノの奥にあり

宿泊客にカジノでお金を使わせる事がかなり露骨である。


ブルーノは祐希に電話をかけ、ロビー近くで

祐希とケンに会った。

「これはこれは可愛い日本人の女性だったね」

ブルーノは大きな体で祐希を驚かせないように

微笑んだ。

「初めまして黒崎祐希です」

「ブルーノ・ジャックマンだよろしく」

二人が握手をするとケン体が硬直していた。

「元ブロンクスのオフェンスタックル、

マッスルカーブのジャックマンさんですか?」

「そうだ、よろしく」

ブルーノがケンに手を伸ばすと

「こ、光栄です」

ケンは声を出すのがやっとだった。

「さて、話を聞かせて貰おうか」

バーに二人を誘った。

「でも急がないと・・・」

祐希が慌てているとブルーノはそれを諌めた。


「お嬢ちゃん、こんな時は慌てず作戦を練るんだ。

 もうすぐクォーターバックが来るからな」

「クォーターバック?」

アメリカンフットボールをあまり知らない祐希は

クォーターバックの役割を知らなかった。


「あのう・・・」

祐希はケイティの顔を見ていると

ブルーノが答えた。

「ああ、私の友人の娘さんでちょっと

お手伝いを頼んだんだ。ケイティだ」


「クォーターバックのお嬢さんですね」

「・・・」

ブルーノは祐希のぼけた会話に苦笑した。

「すみません、ブルーノ。

祐希は日本人なもので・・・」

ケンが謝った。


祐希とケンの話を聞いたブルーノは

事の次第を理解した。

「わかった、我々はVIPルームに入った

ザックの様子を見てくる。

 ケン、クォーターバックが来たら頼む」

「わかりました」


ブルーノがVIPルームに入って行くと祐希はケンに

つまらなそうな顔をして言った。

「私だってクォーターバックくらい知っているわよ。

ボールを投げる人でしょう」


「まあそうだな。クォーターバックのは

オフェンスの司令塔でオフェンスタックルは

 敵からそのクォーターバックを護る仕事なんだ」

「へえ、亮はクォーターバックなんだ、かっこいい」

「祐希、知っていたのか?」

ケンは驚いて聞き返した。


「それくらいわかるわよ。

ただ少し頭の悪いふりをしていた方が

 女は可愛いってママが言っていたから」

「まあ、それはそうだけどハーバード大学生じゃ無理だろう」

「なるほど、じゃあクォーターバックが

来るまで情報を集めましょう」

「OK」

~~~~~

ブルーノがケイティとVIPルームに入ろうとすると

警備の人間がボディチェックをした。

「申し訳ありませんが室内はスマフォを

使えませんし撮影禁止です」


「そうですか」

ブルーノはうなずきながら周りを見渡してザックを探した。

「あの子じゃない、この場にそぐわない青年だわ」

ケイティがポーカーテーブルに座っている

ザックを見つけてブルーノの耳元で囁いた。

「しまった。始まっている!」


ポーカーは二人から六人でするゲームで

自分の手役でチップ払いながら場を釣り上げて

他のプレーヤーをフォールドさせる(ゲームを降りる)ゲームだが

自分の手役が高くなくてもハッタリでいかにも

自分の手役が高いように見せかける

心理戦である。たとえ自分の手役がどんなに良くても、

プレーヤーがレイズして行くと

手持ちのチップが足らなかった場合は

ゲームを降りなければならない。


ブルーノとケイティはギャラリーとして

ザックの座っているテーブルに

駆け寄ってザックのポットのチップの数を数えた。

「まだ、10万ドル分のチップが残っている」

ブルーノはそれを見てホッとした。


「まさか、全部すってしまって

借りたお金じゃないでしょうね」

「まさか、大学生に金を貸す奴なんていないよ」

「そうでもないかも。ザックの後ろに

立っているあのイケメン男、親しげよ」

「なるほど、ラスベガスに彼の

知り合いなんていないはずだ」


~~~~~

飛行機の中で亮はロイに電話をかけた。

「ロイ、お願いがあるんですけど」

「なんだ?」

「今からラスベガスに行くんですけど僕の

銀行口座に保証をかけてくれませんか」

「保障?そんなに賭けるのか?」

「ええ、たぶん」


「わかった、こっちの保証もノーリミットだ」

「では、月曜日にワシントンで重要な発表があります。

それによって株価が上がる企業があります。

メールします」

「うん」

亮が送ったメールはアメリカ企業の証券コードだった。

「わかった」

「すみません秘密裡に動いていたものですから、

明日詳しい話をします」


「わかった。じゃあ楽しんで来いよ。

やるからには儲けてこいよ」

「はい、そのつもりです」

亮は電話を切るとブルーの錠剤を呑んで目を閉じた。


~~~~~

「私たちが来た事を彼に伝えた方が良いんじゃない」

「そ、そうだな」

ブルーノはウエイターにチップを渡し

團亮の友人が来たと言うメモを渡した。

そしてメモを見たザックはディーラーに

合図を送り立ち上がって

ブルーノの所に来た。


「團亮の友人のブルーノ・ジャックマンだ」

精神的に参っているザックはジャックマンが

何者か気が付くことなく

「助かりました」

「どれくらい負けている?」

ブルーノが心配そうに聞くとザックはうつむいて答えた。

「50万ドルです」


「じゃあ、ちょうどチャラか」

「いいえ、持ち金が0になってしまって

50万ドルを借りました」

ザックはそう言いながらベンの方を見た。

「なぜだ!」

ブルーノはベンと言う男の魂胆が見えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ