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ゴルフウエア

エンジェルは黒人であるが故に

自分の夢を断った話をした。

「僕たちアジア人にとって黒人の足の長さは羨ましい」

「ありがとう」

亮はマリアとエンジェルの肌の色の違いや

骨格の違いを感じエンジェルの

父親が白人であると確信した。


「面白い」

亮はマッサージをしながら色々な人種が

交じりあっているアメリカでは、黒人にもかかわらず

アジア人の特徴の内臓が骨格の中に入り込む

可能性が有り新たな病気が発症する可能性が

あってその研究の必要があると思った。


「どうしたの亮?」

マリアが微笑んでいる亮に聞いた。

「ええ、エンジェルの骨盤が比較的小さいので

人間の体って面白いなあ思ったんです」


「ええ、エンジェルの父親は日系アメリカ人で

おばあさんが日本人でした。私はアメリカ人の母と

ハイチ人の父親のハーフなので特徴が違っている

のかもしれないわ」

マリアは真剣な面持ちで答えた。


「ああ、どおりで僕と初めて会った時」

「はい、複雑な気持ちでした。私も何度か

日本に行った事があるし日本が好きです

 だからスタジオD/NYの話を

聞いた時乗り気だったんですが、

いざ亮に会ってみると想像と違っていたから」


「えっ?どんなふうに?」

亮が聞くとエンジェルが顔を上げて言った。

「素敵だったのよね。ママ」

「エンジェル!」

マリアは照れながらエンジェルを叱った。

「日本人の男って亭主関白なんでしょう」


「エンジェル、誰に聞いたの?」

亮はエンジェルに優しく聞いた。

「パリで会った日本人のモデルよ」

「エンジェル、日本人の男も優しいよ。

ただ日本人の女性が大人しいから

 亭主関白に見えるだけだよ。

いやいや、男が変わるのかな?」

亮は返事に困って混乱していた。


「エンジェル、亮を困らせてはだめよ」

マリアが注意をすると

「エンジェル、少し待ってくれ。

僕は日本人の男が世界でどう思われているか

 調べて報告する」

亮はエンジェルの首を回し

「コキッ」と音をさせ背骨を捻って

背骨の音を立てた。


「大丈夫?エンジェル痛くない?」

「凄いわ、バキバキ言っている」

「かなり背骨がずれていたから自然に

痛みの出ない方向に首を曲げたり

背中を丸めたりしてしまっていたんです」

亮は自分の施術に自信を持って言った。


~~~~~

「スルニあのアキラ・ダンを調べてくれ」

キンバリーはスルニ・チャンドラバブ・チャトルヴェディに

亮の素性を調べるように指示をした。

「はい、あの日本人に何か?」


「うん、ロイ・ブラウンがあんなに若い

ダンに全幅の信頼を寄せているようだ。

 何かあるに違いない」

「はい、承知いたしました」

「しかし、ダンのあの目は研究所にいる

ロバートにそっくりだった」

キンバリーは腕を組んで考え込んでいた。


「確かに似ていました。そう言われてみれば

ロバートは東洋人とのハーフですね」

「もし彼がロバートの父親だったら

面白い事になるとりあえずダンの

経歴を徹底的に調べてくれ」

「はい」

~~~~~

エンジェルの施術を終えた亮に感謝をしていた。

「亮、エンジェルの治療ありがとうございました」

「いいえ、エンジェルの大学はどこに?」

亮はエンジェルに聞いた。


「コロンビア大です」

コロンビア大学はニューヨーク大学よりレベルが

高いのでエンジェルは頭がいい亮はそう思った。

「じゃあ、拠点をこちらに?」

「ママがスタジオD/NYの仕事をするので

お手伝いしようと思っています」


「それはいい事です。ママの力になって

ください。社長の仕事は孤独でつらい

 プレッシャーもある」

「はい」

ニッコリと笑うエンジェルに亮はメモを渡した。

「これなんですか?」

「筋肉トレーニングのメニューです。

背中、腰、肩の筋肉が少し弱いから

 ウエイトトレーニングをしてください」


「ありがとう」

「そうだ亮、ゴルフウエアのデザインが

出来てパターンを日本に送ってあるから

試作してください」

マリアが依頼された仕事の報告をした。

「ありがとうございます」


亮はデザイン画を見てアメリカナイズされた

ゴルフウエアを佐久間陽子に早く着せてみたかった。

「それでデザインはどなたが?」

「実はバークリー大学ファッションデザイン科の

 学生のインターンがデザインしたのよ。

 それを私たちがちょっと手直ししたの」


「すごいですね、才能が溢れているって感じです」

ゴルフウエアは襟付きが絶対条件なので、

色とポイント、パンツ、スカートバリエーションを

考えなければならなかった。


中身が観えそうなタイトミニを履く韓国人

女子プロゴルファーが居るがそれは紳士のスポーツ

のゴルフでは色気よりむしろスイングの時に

スカートが波打つようなフェミニンなデザインと

素材が理想と考えていたところ、学生たちは

理想的なデザインを描いていた。


「良かったわ、デザインはどんどん

描いているから夏にはお店に商品が

並んでオープンするわ。

 それと専属モデルのオーディションもするから

 亮も審査員で来てください」


「エンジェルは?」

「オーディションは公平よ」

「あはは、厳しいお母さんだ」


そこに亮の元に千沙子から電話があった。

「亮、今何処?」

「マリアの家に来てエンジェルの

施術が終わったところです」


「マシューとイーサンが手伝ってくれて

部屋の掃除が早く片付いたの」

「お疲れ様でした。それでエドは?」

亮が様子を聞いた。

「コリーンとエドは朝からここに

来て手伝ってくれたわ」


「わかりました。すぐにそちらに行きますから

二人に待っているように伝えてください」

「ええ、わかったわ」


「マリア、帰ります」


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