国家安全保障局
「ええ、ADMAと覚醒剤所持こっちは
一般人だから口を割るのが早いと思う」
「わかりました。よろしくお願いします。
基地を出たらまた連絡します」
美咲との電話を切った亮は
「さあ、続きをやりましょう」
亮はにっこりと笑って絵を描き始めた。
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亮の無事な情報は美咲から仲間に伝わった。
翌朝、雪が提出した誘拐犯人の芝公園
から品川駅に至る逃走経路を
元に会議が開かれた。
美咲は亮たちがやった捜査方法を隠し
亮が偶然に品川駅に手配された車を
Nシステムで発見して、その行先を推理し
横浜マリーナで発見した説明をした。
捜査員は偶然が重なり過ぎて捜査内容が
理解ができないまま、
次々にアジト発見に出て行った。
「原警視、警視庁公安第3課桜田です。
質問が事があります」
若い刑事が緊張して警視庁の刑事が
美咲と雪が座っている席に来た。
「なんでしょう?」
美咲はにっこりと笑って答えた。
「今日うかがった話にはあまりにも偶然が多すぎます」
「ええ、詳しい部分は捜査上の秘密です」
「この捜査の指揮を執っていた團捜査官
は今どこにいらっしゃいますか?」
「どういう理由で?」
「自分は2時間余りで誘拐事件と以前の爆発テロを
解決した團捜査官に会ってみたいのです」
「爆発事故に合って今入院中です」
「以前も兜町の事件でも活躍されたとか聞いております」
精悍な顔立ちの桜田は亮の活躍にあこがれていた。
「桜田さん、階級は?」
「はい、巡査部長です」
桜田は美咲の背筋を伸ばして答えた。
「そう、彼はいつも秘密任務に就いているので
会うことはできないと思うけど、
彼は素晴らしい人よ。見習って
職務に励んでください」
「はい」
桜田は秘密任務という言葉に体が震え
美咲に深く礼をした。
「おい、桜田」
上司の大野が桜田に声をかけた。
「はい」
「原警視と何の話をしていたんだ?」
「今回の指揮を執っていた團捜査官
の話を聞きに行っていました」
「ああ、團捜査官はすごいイケメンだっていう噂だ、
しかも警察庁のどこにも席がなく会った人も
ほとんどなく顔もわからない謎の人物だそうだ」
「なんか、ジェームズ・ボンドみたいですね。
常に現場の第一線にいるなんて」
「うん、犯人のアジトを見つけたら
團捜査官に会えるかもしれないぞ」
大野が桜田の肩を叩いて笑った。
~~~~~
亮が描いた絵は大型モニターに映し出された。
「これが僕が見たEMP爆弾の絵です」
クリスを含めた7人があまりにも
綺麗に描いてあるそれを凝視した。
一人の男が設計図のような物を
取出しクリスに見せ
クリスは亮を呼んだ。
「團、この一番下にあったコードの色は?」
トニーが設計図を見ながら亮に質問すると
「黒です」
「うん・・・」
悩んだ様子でうなずいた。
「この爆弾はバッテリーの電圧を上げるために、
コンデンサーが何個もつけられています。
現在のバッテリー性能ではこの
コンデンサーは必要ないと思います。
つまり、この爆弾は10年くらい
前に設計されたのではないでしょうか」
亮はそう言ってクリスの顔を見た。
「團さん、あなたはいったい何者なんだ」
トニーが呆れた顔で亮の顔を見つめて、
亮の対処にほどほど困っていた。
「少佐、いいですか?」
クリスがトニーの了解を得ると
「團さんの言っている事は本当です。
この爆弾は8年前に描かれた
設計図にそっくりです」
「ええ、どうりで形が古いと思っていました」
亮はそう言って、爆弾は核爆弾が
爆発した時の電磁障害を参考に作られた
初期型EMP爆弾と確信した。
7人は亮の顔を見つめたトニーが亮に質問した。
「團さん、もしこの爆弾を作れと
言われたら作れますか?」
トニーが言うと亮は悔しそうな顔をして答えた。
「いいえ、私は専門が薬学なので
作るのは到底無理です」
亮は作るのに核物質が必要であると
言えなかった。
「そうですね。もしすべてを知ったら
本当にここを出られないところか
機密保持の為に命を失うかもしれませんよ」
トニーは亮を脅かすように言った。
「それは機密保持の書類にはいつでもサインします」
亮が素直に言うとトニーは部下に
機密保持書類を持ってくるように命令した。
「團さん、隣の部屋でコーヒーでも
飲んで待っていてください」
~~~~~
亮が出て行った会議室ではトニーが頭を抱えた。
「あの男をどうすれば良いんだ?」
「テロリストに設計図を売る様子も
自分で入手困難な核物質を使って
爆弾を作ることも無いと思います」
クリスが言うとトニーがうなずいた。
「では、解放後にNSA(国家安全保障局)に
監視させましょう。
行動に問題があった場合、彼を処理すると言う事で」
トニーの隣にいたフリップ中尉が重い口を開いた。
※国家安全保障局はアメリカ国家の安全を
護るためアメリカ軍の中将がトップなる、
世界のありとあらゆる通信を傍受・盗聴する組織である。
「うん、そうしよう」
トニーがそれに同意した。
それを聞いていたクリスは何としても
亮に対する盗聴を避けたかった。
「ちょっとトイレに」
クリスはそう言って亮がいる部屋に入った。
「亮!」
「ああ、クリス久しぶりです」
二人はがっちりと手を握り合った。
「亮、やばいぞ。NSAがお前に付くかもしれない」
「えっ、監視と盗聴ですか?」
「ああ、スマフォ、有線電話、ひょっとしたら
自宅にも盗聴器を付けられる可能性がある
そしたらのんびりとエッチもできないぞ」
「あはは」
亮は毎日相手の女性を変えたら盗聴している人間が
どう思うか想像すると可笑しくてしょうがなかった。
「笑い事じゃないぞ、亮。プライバシーが
無くなってしまうぞ」
「はい、そうですね。それよりクリス、
EMP爆弾の改良点をメモしていました、
参考にしてください」
「ん?これは・・・」
クリスは亮がEMP爆弾対して
新しい理論を考えていたので
驚いていた。
「なんでこんな事を考えているんだ?亮」
「どうせ爆弾を作るなら核爆弾より
人を殺さなくていいじゃないですか」
亮がクリスに向かってほほ笑んだ。
「まあ、そりゃそうだが。爆弾が爆発したが
場所のすべての金属が1ヶ月間磁気を帯びて
通信が不可能になるなって誰も思いつかないぞ」
「目の前で爆弾が爆発しなきゃ思い付きませんよ。
これをテロリストのアジトの頭の上で
爆発させれば、人は死なずに通信機器だけではなく
すべての武器も使用不可能になって
みんなアジトから出て行く」
「あはは、それはおもしろい」
「それで取引だ、クリス」
亮は真剣な顔をして言った。
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取調室で樫村に取り調べを受けている清水大作は
アフガニスタンから麻薬をアメリカらMDMAを
密輸して投資家と夜な夜な乱○パーティ接待に使ったこと
そのために、与謝野と接触した事を自供した。
「与謝野というんだな」
「はい」
清水大作はオドオドと返事をした。
「それで他の連中の素性は?」
「わかりません、接触したのは
あの男だけでしたから」
「それでボートを貸したんだな」