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秘密捜査官

「それは船の中に大型爆弾が搭載されていると

言う情報が入ったからです」

美咲が答えると巌が英文の書類を渡辺に見せた。

「アメリカ軍から・・・」

それを読んだ渡辺は顔色が変わり

急におとなしくなった。


「続きます、翌々日4月28日白金台に

犯人のアジトを発見し証拠品を押収

 その中に対人地雷2個、爆弾5個、

拳銃3丁、サブマシンガン2丁が

発見されました」


美咲はEMP爆弾の設計図が

発見された事は言わなかった。

「それで首謀者の瀬川昭夫はどうしたんだね?」

大方が美咲に聞いた。


「はい、瀬川昭夫はは誘拐に失敗したために

自爆しその時に船底に穴が開き

 船は沈没、瀬川の遺体は回収できませんでした」

「それで引き上げの予定は?」


「そこは水深1000m以上あるために

引き上げが不可能かと思われます」

「なるほど・・・それで爆弾の確認は?」

大方はしつこく爆弾の事を聞き出そうとすると

「大方君、それはもう良い」


渡辺はアメリが軍との絡みの

関係でそれ以上追及するのを止めた。

「それで捜査に当たった捜査員は何名ですか?」

「それは・・・」

住田警視庁捜査1課長が聞くと美咲は

困って巌の顔を見た。


「現場に出ている秘密捜査員がいると言う噂だが、

まさかその人物が今回の事件を一人で

解決したと言うんじゃないでしょうね。

現場で危険な職務に就く事は問題ですよ」

住田の強い言い方に巌は口を開いた。


「それは私の命令で動いている男です。

そしてその男が今度の事件を解決した」

会議室は巌の話の驚きで一瞬静まりかえった。

「それで、捜査員はどこに?」

「船と一緒に沈んで行方不明です」

~~~~~

「亮、さっき電話があって例の設計図は

無事横須賀基地に届けられたそうだ」

クリスが亮の肩を叩いた。

「クリス、これで安心して酒が飲めますね」


「ああ、ところで亮あの三人と今から飲めるのか?」

クリスはシンディとモニカとケイトを指差した。

「ええ、姉さんのお許しが出たので」

亮は千沙子の方を見て言うと

ロビンとクリスが亮の肩を抱きしめた。


「一緒に行っていいか?」

「もちろんです」

「やったー、デビッドも連れて行こう」

ロビンはスーパーモデルと飲める事で

テンションが上がっていた。


「デビッド、以前みんなで行った

ロアー・イーストサイドのBlvdへ

行きませんか?」

亮は昔デビッドとローラと白尾尚子と稲田純子たちと

行った事を思い出していた。


「おお、よし行こう!」

デビッドが言うとロイが言った。

「私も連れて行ってくれ」

「はい」


「亮って、意外と人付き合いが良いのね」

マリアが言った。

「ママ、亮の彼女ってあの中の誰?」

「わ、分からないわよ。そんな事言ったって」

「いいなあ。私彼女になりたい・・・」

「私の方がなりたいわ」

「えっ!」


「冗談よ。もしもシンディが彼女だったら

 どうする」

「私・・・シンディでも負けない」


~~~~~

亮はロアー・イーストサイドのBlvdへ

みんなを先に行かせ千沙子とホテルに

向かった。

「マシュー、イーサン、

コリーンを守ってくれてありがとう」

亮が礼を言って二人とがっちりと握手をした。


「とんでもない、これが我々の仕事です。

それより部屋の中を壊してしまって

 申し訳ない、修理代はDHSが支払う様に

上司に報告をします」

マシューは千沙子に謝った。


「良いんですよ、それに修理代は亮が

集金してくるから大丈夫よ」

千沙子は微笑んでマシューたちに答えた。

「えっ、せっかくDHSが払うと言っているのに・・・」

亮はせっかくDHSが支払ってくれるのに

千沙子が面倒くさい返事をしたので困っていた。


「姉さん、コリーンの本当の話を聞かせてください」

「やっぱり、ハウスクリーニングの嘘はバレた?」

「はい」

「実は私がこっちに着いた時、マンション前で

 コリーンがうずくまっていたの、よく聞いたら

 三日も食事をしていなくてシャワーを浴びさせて

 食べ物を食べさせてあげたの」


「あはは、姉さんらしいや。

人助け好きは團家の伝統らしい」

亮は呟いた。

「コリーンは上司の誘いを断って

バイトを首になって、家賃を払えなくて

アパートを追い出されたそうで気の毒になって」


「そうですか・・・」

亮は昔のロビンの話を思い出した。

「それで昼間は学校と新しいアルバイト、夜には

 家に泊めていたのよ。でもニューヨーク大の

学生なのは本当よ」

「了解です」

亮はコリーンの脇に立った。


「コリーン、お兄さんの借金は

いくらあるんですか?」

亮がコリーンの耳元で囁いた。

「10,000ドルです」

「そう」

亮は10,000ドルの小切手を

切ってコリーンに渡した。


「これって・・・」

コリーンが驚いて亮の顔を見た。

「捕まった男達の罪は罪、借金は借金、返さなくちゃ、

 そうしないとまた同じような事が

起きて被害者も犯罪者も現れる」

亮は微笑むとコリーンは困った顔をして言った


「でも私の今のアルバイト料

じゃ返すのに何年もかかります。大学の学費も

あるので」

「もちろん、お兄さんが働いて返すんです」

「兄は無職ですけど・・・」

コリーンは顔を曇らした。


「大丈夫ですコリーン」

亮はニッコリと笑った。

~~~~~

警察庁公安部にある自分のデスクに

戻った美咲の元に樫村が来た。

「お疲れ様です」

「ええ、疲れたわ。警視庁の奴ら前の事件

(証券取引所爆破未遂事件)以来、

私を目の敵にしているから今回の事件で

私の粗探しに躍起になっているの」

「大変ですね、こんな事前例がありませんからね」


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