七夕の願い事
今回は七夕にちなんで、書き上げました。
織姫と彦星、神様とのやり取りをお楽しみください。
星々が流れる天の川、こと座に住む織姫とわし座に住む彦星は、七夕の日、川の中州で、願い事を拾う。
「今年も、願い事が沢山流れてるわね。」
「だよな、皆んなリア充してないんだな。」
織姫は、1枚の短冊を拾う。
「この短冊、お金が欲しいって書いてあるわ。」
「お金が、願いを叶えてあげたいけど、小判で良いのかな…。」
「だめよ、お金は稼いでナンボなのよ。」
「だよな〜。」
「彦星さん、お忘れかしら、貴方がお金を稼がなくなったから、七夕しか会えなくなったのよ。」
「あっ、そうだった…。」
【実際は、お互いがグウタラしたからである。】
彦星が短冊を拾う。
「これなんかどうだ、織姫様と彦星様に会いたいだって。」
「まあ、私達に会いたいなんて、ぜひ会いに行きましょう!」
織姫の言葉に、慌てて彦星は。
「ちょ、ちょっと待ってよ織姫、今から行くのかい!?」
「そうよ、何か問題でも?」
「大有りだよ、今から行って、何年後に着くのさ…。」
「20年後だけど?」
「でしょ、20年後なんかに会いに行ったって忘れてるよ。」
「そうかなぁ…。」
織姫は首を傾げ、彦星は諦めるよう念を送る。
「まあ、突然来られても困るだけか。」
彦星は頷く。
「さ、次の短冊見てみようよ。」
彦星は、その場に落ちていた短冊を織姫に渡した。
「うん…、M−1グランプリで優勝したい…ヒッキーズ、らしいわよ。」
「聞いた事の無いコンビ名だね。」
「面白いのかしら。」
「さあ…、見てみれば分かるんばゃないかな。」
彦星は、家に戻ると、テレビを運んできた。
ピッ!
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ザザ・ザ・ザー…。
(パチパチパチパチ!)
拍手して登場する2人。
山田・中村「皆さん初めまして、2人で漫才している『ヒッキーズ』です!」
山田「僕が『山田』で、こっちのアホ毛が『中村』です。」
中村「どこがアホ毛やねん、ヘアースタイルや。」
山田・中村「それじゃあさっそく始めたいと思います。」
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山田「なあなあどうしてコンビ名『ヒッキーズ』にしたんだっけ?」
中村「そりゃ、前まで引きこもり生活してたからだよ!」
山田「俺、引きこもりしてた記憶無いんだけど…。」
中村「引きこもりしてたじゃないか、公園の隅でダンボールの中て。」
山田「いやいや、あれは引きこもりじゃなくて『ホームレス』だから。」
中村「あれって引きこもりじやないの、ダンボールの中でゲームしてるのって?」
山田「ゲームはしてたけど、ちゃんとバイトもしてたぞ。」
中村「何のバイトしてたんだよ?」
山田「新作ゲームのパグ探し。」
中村「やっぱりゲームして引きこもってるじゃん!」
山田「いやいや、引きこもりじゃないし…。」
中村「そのバイト今もしてるのか?」
山田「やってるぞ。」
中村「何時間くらいやってんだ?」
山田「10時間くらい…。」
中村「漫才とゲームのバイト、どっちが大事なんだ!」
山田「そりゃ、バ…、漫才に決まってるじゃないか!」
中村「今、バイトって言おうとしただろ!」
山田「いやいや、漫才だよ…。」
中村「本当かなぁ…。」
山田・中村「ありがとうございました。」
(パチパチパチパチ!)
ザザー・ザザー・ザ…。
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彦星は、首を傾げつつ。
「まあまあだね。」
「ねえ、夢が叶うように、運を上げてあげましょうよ。」
織姫は、ポンと手を叩いて答えた。
「じゃあ、神様、神様!」
モクモクと煙が現れ、神様が出てきた。
「ゲホッ、ゲホッ!煙が目に…。」
咳き込みながら、神様が表れた。
「儂が神様じゃ、2人とも決まったのか?」
織姫と彦星は膝をつき。
「はい、今年は、ヒッキーズと言うコンビの夢をと思いまして。」
神様が、目を閉じると、体が光りだした。
「ふむふむ、M−1グランプリで優勝したいと…。」
「神様、優勝を叶えさせてあげたいですが、それでは楽しさが消えてるしまうので、運を上げて、優勝の確率を上げてあげてください。」
「うむ、そうじゃな、それでは運を上げてやろう。」
神様は、また目を閉じると、体が光だし、両手を上げると、光が飛び散った。
「これで、良いじゃろう。」
煙が現れ、神様が煙に包まれ消えていった。
「これで、今年のM−1グランプリが楽しみね。」
「そうだな、運が良くなり、優勝出来ると良いよな。」
ゴーン、ゴーン、ゴーン!
突然、宇宙に鐘の音が響く。
「もう、七夕が終わるのか…。」
「そうみたいね、また来年だね。」
織姫と彦星は、お互いに、橋を戻り、手を振っていると。
ゴゴゴゴ!
大きな音と共に、橋が消えていった。
織姫と彦星は、来年の七夕の願いを楽しみに、家に帰って行った。
◇おしまい◇
お読み頂き、ありがとうございます。
登場する、ヒッキーズは、自ら作成した架空のコンビです。
ネタは、以前投稿したネタを使っています。
そちらの作品も読んで頂けると幸いです。