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織田信長に仕える料理人だった男、持ち前の料理スキルで現代を生きる。

作者: 原書

初めて料理ものに手を出してみました(笑)

 俺の名前は織田信長二十七歳、戦国大名だ。最近、隣国の今川義元さんが攻めて来た。ぴえんぴえん。

 しかし、それは三千年も前の出来事。


 世はまさに!



 大山賊時代である!



 俺は山賊王、織田信ナリ。最近、隣国の今川焼さんが攻めて来たナリ。ぽろんぽろん。敵の兵力は二万五千ナリ。小生の兵力はたったの三千ナリ。困ったナリ。

 少数の戦力で多数の敵を囲む戦略が誕生するのは、数年後出版される書籍の中であり、現在の信に救いはない。

 そのため信は隣の山からバハムートを呼び出す準備をすべく、百人の呪術師を連れ、山へ向かった。


「ピンチなり。小生とってもピンチなり」


 しかし、そう騒ぐ織田信に不安はなかった。MOCO‘Sキッチン会員である自分の知略を信じていたからである。


「小生はエリートナリ。小生は戦略に強い山賊ナリ。なんでかって言うと、小生はモコズキッチン会員だからナリ。小生より格が下な今川はこの理論上滅びるナリ」


 その自信は根拠のないものではない。彼は富士山の頂上からであってもオリーブオイルを目的の料理にかける事が出来るからである。

 

なんやかんやで今川に負けた織田信は、生まれ持ったオリーブオイルをかけるチートスキルによって、お料理教室で無双していた。

 今日も今日とて彼は、生徒たちに自慢のオリーブオイルのかけ方を教える。


「きみ、それは市販のオリーブオイルナリね。小生は言ったはずナリ。使用するオリーブオイルは、一本八千円のものを使用するようにと」


「でも、それでは家計が……」


「買えないならやめなさい」


 指導の様子を見れば分かる通り、今日のレシピはオリーブオイルの素揚げである。


「オイルを揚げたら火の車ってか。おもしれぇじゃねぇか」


 その甲斐あってお料理バトル選手権に招待された小生は、ライバルの「今川」、「伊達」、「ねね」と共に会場へと足を運んだ。

 

すると、その入り口では上杉謙信が待ち構えていた。


「私は毘沙門天の素揚げで勝負です。早く材料を用意しなさい」


 なんやかんやあって、小生はクッキングマスターした。その技で会場の全員が全滅。ライバルが一人も残っていない会場で小生は、オリーブアイルの素揚げを作っていた。


「今夜はこれで優勝していくわね。ギトギトのサラダ油にオリーブオイルを潜影蛇手!」


 織田信の部下Aは、織田信に尋ねた。


「信さん! 今から何が始まるんです?」


「第三次大戦ナリ」

 

その戦いで世界が滅びる事になるが、それは海越の妄想にすぎない。

織田は第三次大戦に向けて準備を進めた。まず、近所のスーパーのオリーブオイルを買い占め、オンラインのオリーブオイルもかき集めた。

これが俗にいうオイルショックである。

織田信の第三次大戦という妄想は、全世界にオリーブオイルをもたらした。そしてとうとう死者を出した。


もこみちである。


「このオリーブオイルは死ぬほどうまいな。おっさんこの店のオリーブオイル全部くれよ」


「この店のオリーブオイルは死ぬほどまずいな」


 一見正反対の発言に見えるが、どちらの発言も実は的を射ていた。

何を隠そうとこの店の食べログ評価


【星2.5。】


最高と最低の―狭間―


織田信、豪遊!


三万五千オリーブオイルの損失。




オリーブオイルの借金を抱えた信。再び地下へと戻される。


「どおおおおしてだよおおおぉぉぉ!」


 目の前では、坂田のおっちゃんがオリーブオイルの滝に呑まれ落ちていく。


「こんな時、海越ならこのオイルをペットボトルに詰めて八百円で売るんだろうな」


 絶望に打ちひしがれていた織田信の前に、ある男が現れた。


「お前は――利根山!」


 その手には一通の封筒が握られていた。その中身に織田信は驚愕の声を上げる。


 お料理大会 第二回 開催決定


 しかし、招待されていたのは織田信ではなく利根山だった。織田信はぼっちになった。


 友達と呼べるものがいない織田信は、友達を作るために大学のテニスサークルへ入る事を決めた。


「そ、それはMOCO‘Sキッチン会員証っ!」


 織田信の持つ会員証はそこですさまじい力を発揮した。女は彼の前に侍り、単位は全取得。これも全て、会員証をくれたケンティーのおかげだ。


「はっはっはっ。なったんだ。俺は神になったんだ」


 織田信は高笑いをする。


 しかし、そこに一石を投じる男がいた。


 投じられた一石は弧を描き、織田信のマスクに当たる。


 その意思はマスクを貫通し、織田信の歯に致命的な致命傷を与えた。


 織田信の目の前には一人の美しい少女がいた。彼女は信に向かってこう言った。


「すね毛気持ち悪いね」


 その瞬間、師の言葉が頭をよぎった。


『どうも、社会人二年目系ユーチュバーのケンティーです! 剛毛男児のあなた』


(やめてくれ……)


 耳を塞ぐ信。


 更に追い打ちをかけるように少女は言う。


「私、ニキビ酷い人無理なんだ。信くんってさ。口元イボガエルだよね」


 これには流石のケンティーも白旗を揚げる。


 信は絶望し、自分でニキビの薬を開発するためにアメリカへ向かった。


 しかし、飛行機は墜落、織田信は海のオリーブオイルとなった。


 そして転生した織田信は生まれ持ったチートスキルで無能に成り下がった


この料理には釣り上げられた魚が使われています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 躍動感が戻ってきましたね! [気になる点] 気になる点が多すぎるのが魅力です。(笑) [一言] 2日続けての投稿お疲れ様です!
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