引き継いでました
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「ごめんね、レイ……」
「いいよ、別に。クレアとはこうやって城で会える訳だし」
私の成人式から数日後、オリエット殿下の誕生祭の余韻も落ち着いて来たので、私は魔法の、レイは剣の鍛練を行うために城に来ていた。
「でもお菓子1ヶ月抜きは辛いよう……」
「あぁ、そっち。でも1ヶ月で済んでよかったと思うけどなぁ」
「ただお話してただけなのに……」
「あはは、公爵様も心配したんだよ、あとちょっとは危機感持てってことだと思うよ」
「でもレイだよ? 幼なじみのレイだよ?」
「…………ソウダネー(なんでこんなに俺の信頼度高いんだろう)。
まぁ、とりあえず、他の男の人の時は気を付けてね」
当たり前だよ。幼なじみでもない男の人と部屋で二人っきりになる事っていうのがまず無いし。
「で、今日はどうしたの?
これからセヴェール様と魔法の鍛練でしょ?」
「うん……そうなんだけどさ。
その前にちょっとこれを見てほしいんだ」
「これ?」
「うん……"ステータス"!」
「ん? ステータスがどうかしたの?」
どうしたもこうしたも無いんだよ。
私はレイの質問にはあえて答えず、ステータスを他者にもすべて閲覧出来るようにして、レイに見せた。
「……うわ、凄いね」
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name:クレア・フロワール
job:公爵令嬢 セヴェールの弟子
HP:17,586
MP:895,137
火魔法(中∇)
水魔法(特∇)
大地魔法(上∇)
風魔法(上∇)
無属性魔法(上∇)
極氷魔法(特∇)
錬成魔法(特∇)※下・中・上級をクリアしていません。
聖魔法(中∇)
闇魔法(下∇)
従属魔法(下∇)
空間魔法(上∇)
創造魔法:リンク∇(錬成魔法・特級に分類します)
称号:氷魔法を極めし者
譲渡スキル:神の言霊∇
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あの日は私も色々ありすぎて、ステータスをわざわざ確認している場合では無かったし、次の日もオリエット殿下の誕生祭だったものだからそんな暇無かった。
そして落ち着いた頃に、そういえば自称神が、『一周目の頑張りを受け継がせ、恩恵を一つ与えている』とかって言ってたなぁ。
どんな恩恵なんだろう、ちょっと確認して見よう。
……そう、軽い気持ちでステータスを開いて見ていたらこれだ。
私は思った。
……なんだこれ、と。
突っ込みどころが多過ぎて何から話したらいいのかわからないから、上からどんどん突っ込んでいこう。
まず水魔法、私はセヴェール様の弟子になってから特級を使ったことは無いし、上級もまだ終わってない。
次、氷魔法。……なに隣についてる"極"の字。なに、極めてるの? 既に全部終わってるの?
でももちろんこちらも水魔法同様、特級を使ったことは無いし、上級もまだ終わってない。
次、錬成魔法。……私これほぼほぼ手付かずなはずなんだよね。だから錬成魔法の隣には(下)って書かれてるはずなの。なに(特)って。 あと、※の後の文章、なにこれ。意味わからん。
次、空間魔法。まだ中級ですけどなにか。
次、創造魔法:リンク……なんだこれ。
次、譲渡スキル:神の言霊……なんだこれ。でも多分これが自称神様が言ってた恩恵。
……本当突っ込みどころが多すぎ。しかもランクの隣にある∇押したら今までに使ったことのある魔法の名前とどんな魔法かが簡単には書かれてるんだけどね。
これ専門魔法の(下)ところも知らない魔法がたくさんなの。
完璧身に覚えがあるのは基本魔法の水以外と聖魔法のみ。
……私が最近限界を迎えた、もしくは覚えが悪くなった彼らである。
私は確かに思った。まるで今までは復習しているようだった、と。
まさしくその通りだったのだ。
そしてそんな風にどんどん突っ込んでいっていたら、一周目の記憶が呼び起こされた。
魔法に関する記憶だ。
そして一周目で使ったことのある魔法の魔法各種の魔方陣や詠唱、本の内容までこと細かく。
よく一周目はこんなに本を読めたな……と思うけど、おそらく才能もあったし、実践的な訓練や体力作りをしていない分読書に時間を費やせたということだろう。
「ねぇ、クレア、このリンクって何?」
よくぞ聞いてくれました。
一周目の私、本当に意味のわからないことに、創造魔法を行ったようなのだ。
それが創造魔法:リンク。
隣の∇を押してみるとこんな風に出てくる。
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リンク∇
錬成魔法・特級に分類。
魔法の重複において、同名の魔法を繋ぎ、一つの魔法としてカウント。
創造年月日:$+$ね%ゴ@$%$.カ
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はい、もう。どこから説明すればいいのかな。
私は一周目でこの魔法を16歳の時に作ったらしい。創造年月日がバグってるのはたぶん未来の話だから。
このリンクの魔法がこの世界に既にあるのか、まだ無いのか定かではない。
……しかし私はこの魔法を無意識でも使うことが出来る。
私はこの魔法をかつて花火を打った時に使ったらしいのだ。
おそらくその理由は創造主だから。
この魔法を簡単に説明しよう。要はこの魔法。同じ魔法なら何個でも何人にでもかけれるかけられると言っているのだ。
例えば10人に"ウォーム"をかけようとすると、普通これは10個の魔法を重ねかけしているとされるから。まぁ多分無理。師匠でも無理。
しかしこのリンクを使えば、どれだけたくさんの人に"ウォーム"をかけようと使っているのは"ウォーム"×1と"リンク"×1の計2個だけ。
もちろん消費魔力量はこっちの方が少ないし、術者への負担も少ない。
ちなみにこの魔法は錬成魔法の特級に分類されているのでその下のクラスの下・中・上も使うことが出来る。
師匠の言っているフィルター論に則っていうと、特級の粒子が通れる穴をその下のクラスが通れない訳がない。
で、その特級を順序を踏まずやっているから※みたいな表記があるわけだ。要は飛び級だろうか。
……はぁ、私はこいつをどうすればいいのだろう。
いや、ありがたく使わせていただきくいただくけどさ。




