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それぞれの変化


ブクマ&評価ありがとうございますm(__)m


 


 それからは特別大きなイベントもなく、平和な日々が続いた。


 そして3年ほど月日が流れた。


 私の身長もぐんぐん伸び、結構女性らしい体つきにもなっ……たはずだ。

 でも私の生活サイクルほとんど変わってないんどよねぇ……簡単に私の生活サイクルをご紹介すると、こんな感じ。


 月曜日:朝から城で魔法の特訓

 火曜日:朝から淑女教育

 水曜日:朝から城で魔法の特訓

 木曜日:城か家に籠って読書

 金曜日:午前ダンスレッスン 午後淑女教育

 土曜日:お父様お母様と魔法の特訓

 日曜日:オリビエ、レイと遊ぶ



 ……こうやって書き出してみたら結構ハードな……というか充実した生活送ってるよね私。


 何気に火曜日の淑女教育が大変なんだよ。作法とかだけじゃなくて普通に歴史とかの学問も込みだからね。

 8歳くらいまでは余裕だったんだけど最近どんどん難しくなってきまして……正直苦痛で苦痛で仕方ないけどやるっきゃない。だって公爵令嬢だから。

 あ、こんなことどうでもいいですよね、すみません。頑張ります。



 ……と、まぁ。初めてのお茶会から今までで変わったことといえば、生活サイクルにオリビエの名前が入ってきたことくらい?

 あ、あとね、日曜日にオリビエが遊びに来たらそのまま公爵家でお泊まり会をするようになったの。超楽しい。

 し・か・も、聞いてください皆さん。最初はね、月曜日に私が城に行かないといけないから朝早くにバイバイしてたんだけど、しばらくすると、オリビエが私を『魔法の鍛練頑張って下さい』って送り出すようになって、お母様と一緒に私のお弁当を作って昼には城まで届けてくれるようになったの! ……幸せ。


 変わったことといえばそれくらいかなぁ。相変わらず基本は公爵家と城の往復。で、時々グラディウス家かハンス家に行く。


 あ、そう。スプリットに会うかもしれないと思って恐る恐るハンス家にお邪魔したんだけどね、スプリットって基本自室に籠ってあんまり出てこないらしくて全然会わなかった!


 そしてスプリットには許嫁ができたのだ。許嫁の名前はシンディ・キャロル 、公爵家のお茶会に来てくださっていたシャンビー・キャロルの妹さんだ。

 この名前を聞いたとき『ああ、そんな名前だった』って思ったのでおそらくこれはゲームのシナリオ通りなのではないだろうか。


 最近私が転生してきたからか色々とシナリオと違って凄く戸惑うんだよね……

 だからスプリットの許嫁がシナリオ通りでちょっとほっとしている。




 突然だが私は今日、12歳の誕生日を迎えることとなった。


 誕生日おめでとう私!

 そう。晴れて今日この日、私はこの世界において成人を迎えたわけだ。


 今まで私はほとんどお茶会にもパーティーにも参加してこなかったが、残念なことにそれも今日までである。


 世の中には子供にしか許されないことがあるのだ……

 オリエット殿下とも会うしスプリットとも会う……あぁ憂鬱。

 あ、でもシンディ様とは少し話してみたい。


 まぁ、その手始めとして本日。私の盛大な誕生日パーティーか行われる。

 3歳の時からやってないから実に9年ぶりのパーティーだ。


 緊張するなという方が無理だろう。


 仕方がないことなんだけど、なぜ久しぶりのパーティーが私主役のものなのか。

 もっとこう……レイの誕生日パーティーとかさ、色々あったと思うんだよ。



「相変わらず凄い緊張してるね」


「大丈夫ですか、クレア様?」


「ううぅ……」



 私を挟んで両脇に座るレイとオリビエが背中をさすってくれる。

 私の緊張を少しでも和らげるために二人とも午前中から公爵家に来てくれているのだ。


 私たちの関係性はあれから何一つ変わらない。何一つだ。相変わらず世話をやかれ続けているとも。ありがとう。


 先ほど言ったシナリオと異なると言う点がこれ、まずこの二人の間には婚約話なんて上がっていないそうなのだ。

 これからなのかもしれないが、レイにいたっては婚約の話は一切受け取らないようにしているらしい。一体何が。


 オリビエもオリビエで、婚約者がまだいないオリエット殿下の婚約者候補として名前が上がっているらしい。


 でもまぁ、婚約の話は家同士の話でもあるし、私の知らないところで色々起こっているのかもしれない。

 お似合いなのになぁ、オリビエとレイ……


 こんな風に私が悩んでもどうしようもないことがなんとも悲しい。

 でもオリエット殿下に婚約者がいないのってもしかして私のせいだったりするのかな。というかゲームだったら既に私が殿下の婚約者になってるのかな。


 まぁそんなこと考えてもどうしようも無いんだけどね。



 さて、私たちの関係性は全く変わっていないが、それぞれに変化したところ、成長したところは沢山ある。



 レイとか凄いんだよ。

 レイはこの数年でどんどん強くなった。既に騎士団員に引けを取らない……というか、既に何人かに勝てるくらい強くなっているらしく、10歳になると冒険者ギルドに登録し(ギルドに登録できるのが10歳から)、ギルおじ様と魔物退治などにも行っていた。

 そして今年、レイが成人の儀を迎えると正式に騎士団に入隊することになった。

 もちろんこれは前代未聞。今まで騎士団に入隊した人の最年少記録は17歳。

 成人の儀を迎えたと行ってもまだまだ子供。それでも騎士団に迎え入れたいと思わせるほど強いということだ。

 ただレイも魔法の適性があるからこれから魔法学院に入らなきゃいけなかったり、本来ならまだまだ遊んでいていい年頃……という事で、人手が足りないときなどに駆り出されるような形に落ち着いている様子。


 でもレイについてちょっと気になることがあるのだ。私が前世の話をした辺りからかなぁ……レイが時々可愛い仕草をするのだ。それはもう可愛いものを。

 上目遣いをしてきたり、時には寂しそうにしゅん……としてみたり……。そして極めつけはギルおじ様がどこから貰ってきたのか買ってきたのか知らないが笑いながらレイに各種ケモミミをお土産と言って渡した時のこと……

 レイは一瞬固まり、速攻姿を消したギルおじ様を怒りに行くかと思いきや、ケモミミをひとつ手に取って自分の頭に付けて私の方を向き『どう、 似合う?』とそれはそれは可愛らしい笑顔で聞いていたのである。

 ここは天国かと。


 しかしそういったことをした次の瞬間には、顔を真っ赤にして俯いて手で顔を隠してしまうのだ。

 いや、それも可愛いんだけど、いったいどうしたんだ。

 ちなみにケモミミは即座に外され、地面に叩きつけられてしまった。残念。

 しかと最近はその頻度が少なくなってしまっていて誠に残念である。本当に。


 まぁ、そんなレイの奇妙な行動に驚きつつも、脳内カメラを連写するということにもなれたので、この話はこれくらいにしておこう。



 続いてはオリビエ。


 オリビエは初めてあったときは自分の好きなこと、特技……絵のことを恥ずかしそうに、どこか隠したいと言うように話していた。

 でも私の家に頻繁にくるようになり、我が家の人だけでなく、レイやグラディウス家の人にまで、オリビエが絵が上手ということが知れ渡り、みんなに『オリビエのこんな絵が見てみたい』『また見せて、楽しみにしてる』といった言葉を聞くうちになんだか自信がついていったようだった。


 最近ではどこから話が伝わったのかわからないが、他の家の人にまで『絵を書いてほしい』とか『絵を買わせてほしい』と話しかけられることもあるらしい。

『そんなことをやる暇があったら勉学に励め』という冷たい言葉を投げ掛けられることも少なくなったととても嬉しそうに話していた。


 オリビエを認めてくれるひとが増えて嬉しいのに、なんだがオリビエがみんなにとられた見たいでちょっと寂しいっていうちょっと複雑な心境です。


 でもこの前オリビエが私のこと"親友"って言ってくれたの!

 もう、嬉しくてかわいくて思わず抱きついちゃった。


 オリビエの親友の座は誰にもわたさないからな!



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