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やっと

予定よりも少し更新が遅くなってしまいました!

ブックマークありがとうございます(*´ω`*)

 


 美羽と翔をこちらの世界に召喚するという目標が決まったあの日から早半年が過ぎ、私は一歳になりました。



 進展はあまりない……



 でもね……仕方がないの。さすがにベビーベッドの上だけでの情報収集には限界があった……


 だって周りにいる人たちの会話とかからしか情報が得られないから。


 日常会話で召喚の儀式がなんたらとかって言う話する?

 しないでしょ?

 それこそ本当に誰か召喚されたとかだったらまだしも……


 まあ少なからず私の周りで召喚の儀式とかって話はなかった

 あ、でも全く収穫がなかった訳じゃない。



 私が一歳になる少し前のこと。

 私のパパさんが私の誕生日にあわせて一ヶ月くらいの長期休暇をもぎ取ってきたらしい。

 お父様は公爵であり外交官的な役もやっているらしく多忙ななかでもぎ取った休暇……しわ寄せはいったい誰に……

 まぁそれは置いといて、

 休暇入ってからパパさんは私がいる部屋にほぼ一日中ママさんと一緒にいて、その時にパパさんはママさんと"赤ちゃんと話せる魔法"について話していた。


 目的はなんとも言えないものだったがそこで話されていたものは私にとって聞き捨てならないものだった。


 この世界の魔法は才能さえあれば創造できるということだ。


 そのためには既存している創造魔法というものがなければいけないらしいのだが、その情報を手に入れただけでも上出来だと思っている。


 まあその前に召喚魔法があれば創造魔法を取得する必要もないのだが、私が読んだ小説や漫画のように帰る方法は無いということも考えられる。

 帰る方法がなければ二人を呼ばないと決めているので知っていて損のない情報だ。


 そして一歳の誕生日を迎えてからはよくお母様達が絵本を読んでくれるようになった。



 しかし私はもっと高度な本が読みたい。

 特に魔法の本。


 ちなみに今も本を読んでもらっているのだがありきたりなお姫様と王子様の出てくる絵本……

 正直ありきたり過ぎて面白くない。

 というかこの本読まれるの何回目だろう……



 うーん……

 仕方ない

 まだつたないからあんまり話したくないのだが……



「かーひゃま、みゃひょーにょにょみゅたぁです

(訳:お母様、魔法の読みたいです)」


「うんうん、そうだねー」



 といってふわっと微笑むママさん。

 ママさん美しい超癒される……じゃない。

 たぶん、というか絶対伝わってない、これ。

 私も本気で赤ちゃんと話せる魔法ほしくなってきたわ……


 なんだ"みゃひょー"ってこんなに拗音がたくさんあったら伝わらねーわ……どうしよう。本が読みたい。

 読み聞かせてもらえなくてもとりあえずここまで持ってきてくれたら自分で読むから……


 あ、ちなみに文字だがやっぱり転生者補完なのか勝手に読めた

 でも日本語でふりがなをふってるとかそういう感じじゃない……

 うーん。伝えにくいが普通に読んで書ける(たぶん)

 英語とかで言う文法とかもちゃんとわかった上で読めているのだ

 外国語をパーフェクトにマスターしてる感覚?

 英語のテストはまるでダメだったのだが転生者補完ということにしておこう。

 ありがとう転生者補完。


 でもこの状況どうするべきか……

 うーん……




「めでたし、めでたし

 どう?クーちゃん面白かった?

 ふふふ、クーちゃんはご本が好きだからもう一冊読みましょうか


 それになんと、じゃじゃーん

 新しいご本でーす。パチパチパチー」



 考え事をしているうちに今読んでいた本が終わったようだ。

 ママさんが新しい本だと言って取り出したのは



『白い魔女と黒い魔女』



 という絵本。



 こ、これは……!

 内容はわからないが間違いなく……



「かーひゃま、みゃひょー!みゃひょーちゅきゃう?みゃひょー!(訳:お母様、魔法!魔法使う?魔法!)」


「え?"みゃひょー"?魔法のこと?

 ええ、たくさん使うわよ

 ふふふ、クーがこんなにはしゃぐなんて珍しいわね

 気になる?」


「気ににゃる!」



 ママさんは"この本が"気になる?と聞いたのだろうが私は"魔法"が気になるのだ。

 でもこの絵本があれば魔法について知りたいと言うことが切り出しやすい!

 誰がこの絵本を選んだのか知らないけどナイスセレクト!!



 そして私は魔女の絵本が読み終わったときやっと切り出した。



「かーひゃま!みゃひょー!もっとしゅりたい!」




 これを伝えるのにどれだけ時間がかかったことか……

 長かった。

 私はまだ召喚魔法についてなにも知らないに等しい

 ゲームの開催までに間に合うのか……



 いや!

 間に合わすのだ!

 私の体はまだ子供、伸びしろは大きいはず!


 それにこの発言からなのか、魔法のことになると私がはしゃぐからなのかはわからないが、あれからママさんが魔法の本を持ってくることが多くなった。



 しかし

 "こんな魔法もあるんだよ~

 すごいね~"

 みたいなゆるーい、簡単なやつばかり。



 全然勉強にならないのでお母様に


「もっと、もっと!」


 とねだっていたらついに魔法の書を持ってきてくれた。



 でもこれは声に出して読んでしまうと魔法が発動してしまうから

 みるだけね?

 とのこと。


 危ない。

 わがまま言った私が言うのもなんだけどそれほんとに子供に見せて大丈夫?


 でも私は嬉しい。

 ありがとうママさん。


 しかもママさん、使用人の人もいるし読み聞かせの必要がないから別にずっといなくても大丈夫なのに私と分厚い本を膝にのせてずっと一緒にいてくれた……


 ママの膝の上あったかい……

 前世……成瀬さくらのときは親なんていなかったから新鮮……

 翔のお母さんのこともお母さんみたいって思ってたけどそれとはまた違う感じ……


 なんだか安心するなぁ……


 その後、ほっといたらずっと本を眺めている(私はちゃんと読んでいる)からと、使用人の人に読書は一日二時間だけ、と決められてしまいながらものんびりとした日常を送って早一年以上。



 私は三歳になった。



 もちろんのんびりとした日々を過ごしながらも沢山勉強することが出来た。


 初級は見させ終わったのか最近では中級の本をみることもしばしば(といっても皆眺めているだけだと思ってるだろうが)


 でもさすが幼児の頭脳、吸収力が違うね、日本にいたときは何度も読まないと理解できなかったのに今は一発で理解できる

 まるで一回理解したことがあってそれを復習してる感じ。

 いやー素晴らしいね。


 そして私、結構自分だけで歩けるようになったので最近は屋敷の中を探検することも多くなった。

 読んだ本の中に体力が増えれば魔力の貯蓄量も増えるって書いてあったから運動も大切なのだ。

 というか公爵家の屋敷が広いから迷路みたいで楽しいって言うのもある。

 あ、しかもその途中で書斎を発見した。それからは時々書斎に行って勝手に本を読むことも増えた。



 でも今日は読書なんてしてられない。



 なぜなら今日は私の誕生日、

 たとえ前世がただの平民だったとしても今は公爵令嬢。

 本格的にマナーの講座を受けるのは五歳か六歳からだが、テーブルマナーや挨拶の仕方などはすでにやんわりと始まっている……


 転生者の私でも小さな体は動かしにくく難しいのに普通の子にとってはどれ程大変なのか想像もできない……


 今日は私の誕生日という事で当たり前のようにパーティーが開かれている。


 去年、一昨年はまだ歩くことも危うかったのでパパさんかママさんに抱っこされて貴族の方々の挨拶を受けていたのだが今年は違う……


 今年はつたないながらも話せるため少しだけ挨拶に回ることになったのだ。



 そしてそのなかには当たり前のように王様もいる……

 未来で私を断罪するあの第一王子もいるのかはわからないが王様というだけで私の緊張はMAXだ。



 いつもとは違うフリル一杯のひらひらのドレスに着替えさせられた私はついに今日の会場についてしまった。



 私の頭上では両親が、



「クレアは今日元気がないな」


「ふふふ、緊張しているんですよ」


「緊張しているということは

 これから行うことに責任感を持っていると言うことだ。

 まだ小さいのに素晴らしいな我が娘は」



 などと笑いながら話しているが、本人にとっては笑い事なんかじゃないのだ。



 どうか無事終わりますように……!



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