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そうなの?


ブクマ、そして評価本当にありがとうございますm(__)m


 


 それから私達は今まで放置されてしまっていたお菓子達に手をつけた。



「クレア紅茶いれるの上手くなったねー。美味しい」


「わかる!?

 公爵家の使用人直伝のテクニックなの!」



 そう、紅茶は私が入れさせて貰った。


 うん、美味しい。

 よくレイとお茶するから入れ方を教えてってメイドさん達に頼んだかいがあるわー。


 それから今日のお菓子はどれが美味しいだの、どこのお店だのという穏やかな話をした後、話題はこれからどうするかについての話へ。



「そういえばクレアは今ゲームに向けて何かしてるの?」


「うーん。とりあえず魔法の鍛練かな。王宮魔術師になることができれば魔法学院の高等部に入らなくてもいいと思って」



 お父様のように。

 王宮魔術師になるためにはどれかの魔法で特級を使うことが出来るか、最低5系統の魔法の上級を使えることが必須らしいからまだまだ鍛練が必要だけどね。



「なるほどね、確かに学校に行かないっていうのは良い手かも。

 じゃあもしかして今のところ俺が手伝うこともない……?」


「手伝うことが無いなんて、そんなことないよ! というかもう既に体力づくりといかいろいろ助けてもらってるし……」


「でも魔法には直接関係ないんでしょ?」


「魔法に直接関係なくても師匠との模擬戦では体力必須なの」



 本当に何度死ぬかと思ったか。

 確かに体力は魔法に直接関係ないかもしれないけど、疲れはてた状態だと魔法に集中出来なくて上手く発動しないのだ。体力大切。

 だからいつも私の体力づくりに付き合ってくれてるレイには感謝してもしきれない。



「ふーん。じゃあとりあえずしばらくは今まで通りって感じかな?」


「そうかも」


「走り込みちょっと増やす?」


「それは嫌だ」



 体力確かに大切だけど走り込みは好きじゃない……何か簡単に体力が増える方法無いかなあ。



「他にはなにかあったりする?」


「他……他かぁ。

 ……あ、なにかしてるってほどでもないけど攻略対象の人たちとはあんまり関わりたくないかなぁ」


「ぐっ……ゴホッゴホ」



 他に……と言われて、最近はオリエット殿下にもスプリットにも会っていないものだから忘れかけていたその考えを口に出すとレイがいきなり噎せだしてしまった。



「大丈夫!?」


「だ、大丈夫……え、それって俺も?」


「え?……あぁ」



 あ、レイ……レイは……



「ちょっとレイは別かなぁ。でも最初の頃はほんとに……関わりたくなかったかな」


「え、そうだったの?」


「正直」


「初耳なんだけど」



 言ったこと無いからね。

 でもレイは毎週のように公爵家に来てたし、その頻度で会う人に冷たく当たることも出来ず……というか、初めましてのときに鬼ごっこしたり、仲良くお話したりしたのにいきなり素っ気なくなるのも可笑しいと思ってしまったんだよ。



「なんか……ごめんね?」


「あ、いえいえ」



 なんか、その場のテンション色々やっちゃった私にも非があるし。



「でも大丈夫! オリエット殿下とスプリット様には今のところ全然関わりが無いし、レイはただの幼なじみだし!」


「……ただの幼なじみ」



 そう、だからレイは今まで通りでいいのです!

 まぁ、幼なじみだったら大丈夫でしょう。


 前世でも翔とどうなの? みたいなこと度々聞かれてきたけど『ただの幼なじみだよ』で何とかなってきたもんね!


 だから今のところ大丈夫、なんの問題も無い。

 まぁあとはゲーム開始かそれが終わるまでずっとオリエット殿下とスプリットに会わずにいれたら嬉しいんだけどなー。

 まぁその前に夜会とかにも出なきゃいけなくなるだろうしさすがに無理か。

 でも多分今の感じだったらしばらく大丈夫だよね!



「まぁ、オリエット殿下とスプリットには会っても無いんなら……

 あれ、でもクレア今度のお茶会でスにプリットとオリエット殿下が来るかもしれないけどそれは大丈夫なの?」



 ん? お茶会?



「私、今のところそういった催しに参加するつもりないよ?」


「……あれ、クレアなにも聞いてない?

 あー、じゃあ公爵様まだ断ってるんだね」



 そう言ってレイは笑うけど一体なんのことやら。



「なんのこと?」


「えっとね、今までクレアパーティーとかに参加してなかったでしょ?

 あれ公爵様が危ないからって断ってるせいらしいんだけど、陛下がそれじゃあクレアの世界が狭まってしまうから顔見せも兼ねて小規模なお茶会を城か公爵家で開いたらどうだ、って提案したらしいんだよ」


「え、そうなの?」


「うん。俺は父さんから聞いたんだけど、父さんは陛下から聞いたみたいだから間違いないかな。

 ……でも小規模なものだったら警備も簡単だし、何より開催場所が城か公爵家なら元々セキュリティは万全だし……多分やることになるんじゃないかな」



 わぁ、そんな話になっているのか。聞いてない。今頃お父様、何とかして断れないか考えてるのかな。

 でも公爵家なのによく5年間なにも主催せずにいられたと思うべきだと思うよ私は。

 うん。だからお茶会を開くこと自体は良いんだけど……



「スプリット様とオリエット殿下が来るかもしれないっていうのは……?」


「うん、まずスプリットね。まぁ簡単に言ったらハンス家がよくお茶会を開催したり、行ったりしてるから……かな。ハンス家の婦人とスプリットの妹がお茶会が好きなんだよ。

 で、それに巻き込まれてかスプリットもお茶会によく来てるんだ。

 開催者が公爵家ともなればスプリットも来るんじゃないかな?」


「そうなんだ……というかスプリット様って妹さんいたんだね」


「うん。僕らと同い年のね」



 へぇー、そうなんだ。スプリットの妹とか絶対可愛いんだろうなぁ。いや、どちらかといえば美人系なのかな。

 でも、そっか……お茶会開いたらスプリットも来るのか。

 ……なるべく近寄らないようにしよう。



「あとオリエット殿下だけど……なんかクレアに謝りたいって言ってるらしくて……」


「え、」



 謝りたい……謝りたい? あの殿下が?

 いや、でもそれって……昔のあれのことでしょうか。

 うぇぇ……本気で言ってるの?



「やだぁ……」


「なんかあったの?」



 ……なんだと。忘れてしまったのか、カウンセラーレイよ。

 いや、まぁ4歳になるちょっと前の話だしなぁ……あれ、約束のことは結構しっかり覚えてるのになぜ。


 とりあえず、レイが忘れてしまっているようなので、あの日の事を軽く説明することにした。

 そして、



「えぇ……そんなことあったけ。全然覚えてな……あ、いや、でも確かに寝室には入ったことあるような」



 なんでそこだけ?

 まぁいいや、今簡単に説明したから、殿下が私に何を謝りたいのかはわかってくれただろう。

 本当にこれであってるのか知らないけど……



「でもまだお茶会が開かれるって決まった訳じゃないから、いらない心配かもね」


「そうだね、お父様が断ってくれるかもしれないし」



 決まってもいないことを話続けるのも……という事でこの話は終わりになり、私たちは迎えが来る時間まで読書をなどをして過ごした。

 あ、そういえばレイいつの間にか自分のこと"俺"っていうようになったなぁ。

 なにか心境の変化でもあったのかな?



 レイのそんな変化に気づきつつ、わざわざ聞くほどのことでもないよなぁと、そのまま私は家に帰った。

 そしてその夜、私はお父様からお茶会を開くことになった、という報告を受けるのであった。



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