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本音が……


ブクマ、そして評価!

本当にありがとうございますm(__)m



 


「わしはのクレア……お主の未来に興味がある」


「きょ、興味……ですか?」


「そうじゃ……わしが魔法を使いだしたのは5つの時じゃった……それからここまで上り積めたのじゃ! 今では張り合える者もほとんどおらん……そんな時にお主が現れた!

 わしは感動しておる、運命じゃと思っておる! わしを越えてみるんじゃクレア、お主はまだ3つ、こんなに心踊ることが他にあろうか!

 わしはお主を最強の魔導師に育てあげるぞ!このわしが腕によりをかけて鍛えてやろう!」



 私はいきなり熱く語りだした師匠を見てポカーンと口を開けたまま思った……


 こ、この人見かけによらず熱血なおじいちゃんだったー!




 その後、


「あ、じゃがわしも歳じゃから早めに頼むの」


 と言われたが知ったこっちゃない。


 そんな『おじいちゃんひ孫が早く見たいのー』みたいなノリで言われましても!

 嫌だよ私、別に最強目指して無いもん!

 翔と美羽を呼びたいだけだもん!

 死にたくないだけだもん!


 そんなに心の声が届いたのか……いや多分届いてないけど、師匠は取り敢えず落ち着きを取り戻してくれたようだ。


 そして一応

「師匠……私は最強は目指しません……」

 とは言っといた。……笑って流されたけど。




「さて、ではいきなりじゃがクレア、わしの手を握ってみよ」


 …………



「はい?」


 手?

 よくわからないけどとりあえず言われた通り師匠の手を握る。


 すると、


「……え、うおぉっ!」


 いきなり頭の中に何か入ってきて驚いてしまい、なんともレディらしからぬ声をあげてしまった。



「ほっほっほっ。懐かしいのぉ、アルバートと同じリアクションじゃ」



 あ、じゃあ、セーフ。なわけあるか!

 父様と違って私レディなんだよ。淑女なんだよ。「うおぉっ!」何てびっくりしたらだめろ、そこは可愛く「きゃっ!☆」くらいに…………無理だけど。


 って、じゃなくて



「な、なんですか今の……」


「まぁ、説明は後じゃ、とりあえず落ち着いて目をつぶってみよ」



 質問にも答えて貰えず、理解も追い付かぬままとりあえず言われた通りにしてみると頭の中に文字が浮かんだ。

 ……これは。



「今頭の中に浮かんどるのがお主のステータスじゃ、成人の議までは体が未熟ということでHPとMPしか知ることが出来んがの。

 どうなっとるお主のステータスは?

 この年で魔法を使う化け物のステータス……きになるのぉ」



 と、師匠がワクワクとした表情で私を見てきた。

 でもこれは……





 --------


 name:クレア・フロワール

 job:公爵令嬢 セヴェールの弟子


 HP:248

 MP:126,538


 --------



 えっと……

 私のジョブって公爵令嬢とセヴェールの弟子なんですね。公爵令嬢ってジョブなんだね……


 うん。えっと、HPとMP……これはいったい。

 HPが少ないのか? それともMPが多いのか?


 いやMPが多いことは予想してたよ。だって明らかに魔法を重複させ過ぎてたもんね。

 多いだろうなぁとは思ってたよ。でも基準がわからないからどれだけ多いのかわからない……


 うーん……



「師匠……このHPとMPって普通どれくらいなんですか?」


「む?焦らすのう、うーむ。3歳児の普通なんぞ知らんぞ。そうじゃのぅ、HPはわからんがのMPは12歳の時に魔法が使えるやつは1000~2000くらいにかの」


「1000~2000!?」



 たった!?

 それだけで普通はいいってこと?



「ちなみにアルベルトはMP1万近くあって魔力暴走を起こしかけとったんじゃよ」



 1万……たしかに普通に比べたら多いのかもしれないけど、私はそれよりも……


 聞かなくてもわかる。

 おかしいですよね、わかります。


 私は言葉を発することが出来ず目をそらして黙り混む。



「クレア、はよ教えてくれんか」



 師匠は興味津々というようにもう一度きいてきたので仕方なく。



「MPは……12万くらいあります」



「…………」


「…………」


「……じゅ、12万?」



 よほどあり得ない数字だったのか、師匠が私をじろじろと見てくる。



「…………」


「…………」


「そんなにじろじろ見ないで下さい!」



 そして私は開き直った。


 あるもんはしゃーない……!


 と。


「いや、すまん……じゃが12万は……化け物じみとるのぅ」


「じゃあ師匠はどれくらいあるんですか!」


「1億くらい……」



 桁がちがった。


「って、師匠の方がよっぽど化け物じゃないですか!

 人のこと化け物って言った方が化け物なんですよ!」



 おそらく師匠が言っているのは『その年で』ということなのだろうがそんなことどうでもいい。

 とりあえず、私はこの話から抜け出したい。



「ちなみにHPは248でした」


「少なっ!」



 黙らっしゃい、こちとら3歳児だぞ!



 ……言っていることがめちゃくちゃなのは目をつぶっていただきたい。



 ------



 その後も二人でギャーギャー騒いでいたらいつの間にか11時になっていた。なんだか今日1日ですごい師匠との距離が近くなった気がする。


 でも今日はお昼に帰る予定でお迎えも頼んでいるのでそろそろ失礼しなくては。


 あ、その前に師匠とちょっと打ち合わせ。あれだ、何曜日に城にくるかってやつだ。



「うーむ、本当にいつでもいいんじゃがな……」


「本当に大丈夫なんですか?さっき私に片っ端から魔法を使えって言いましたよね。ここでやるんですか?訓練場とか借りなくていいんですか?」


「あぁ、なるほどの。じゃがわしの権力があればいつでも……」


「だめです!」



 訓練場だって使う人たくさんいるんだから!

 権力でなんでも進めようとしたらどこかで無理する人が出てきちゃうよ。



「うーむ。では月曜日と水曜日かの。その日は毎週全体訓練をしておるから空いとる訓練場が多い」


「わかりました!じゃあお城には月曜日と水曜日に来ますね!」



 師匠もその日は私が来るって忘れないで下さいね。と念を押して部屋を出た。


 大量の魔法の書の間を通るうちに読みたい欲が沸いてくるが我慢だ。

 お迎えが来る前にお城の使用人さん達に、『私が毎週月曜日と水曜日に来るけど慌てないで下さい、案内も要りません』って伝えなければ。

 近くにある時計をみるとあと30分くらいで迎えが来る。それまでに今日朝馬車を降りたところまで行かないと、心配されてしまう。


 城の使用人さん達に伝えたいことがある時ってどうしたらいいんだろう。

 とりあえず、またあった人に片っ端から聞いてみた。するとお父様を探す時とは違いすぐにどこにいけばいいかわかった。

 何でも城のそれぞれの区画には使用人のサブリーダー的な人がいてその人に伝えて置けば数時間もすれば城中に伝わるんだそうだ。

 そして今私がいる区画のサブリーダーさんはここから少し離れたところにある管理室にいるとのこと。大人の足で歩いたら5.6分で着くらしい。


 うん。本当にちょっとだけど遠いな。


 取り次ぎましょうか?

 とも言って貰ったのだが断った。

 別に行けれない距離でもないし、私のわがままで城にお邪魔しているのだ。城の皆さんの仕事の邪魔にならないように、自分にできることはしていかなくては。


 そして歩いて、歩いて約十分。

 疲れた……さすがHP248……レイ様との鬼ごっこの日で少し体力がついたと思っていたのにまだまだだったようだ。


 少し息を整えて扉をノックすると中からメイドさんが出てきてくれた。

 その人に、毎週月曜日と水曜日に来ること、けど慌てないでほしいこと、案内も要らないことを伝えた。


 メイドさんに時間を聞くとすでに11時50分らしい。急がなくては、お迎えが来てしまう。そんな時……



「おい」



 聞いたことがある声に呼び止められた。

 振り向くそこには第一王子のオリエット殿下。


 急いでいるとはいえ相手は王子静かに息を整えて淑女の礼をとる。



 でも何かひっかかるな、何かを忘れているような……



 …………


 ……あ!

 思い出した!なんかよくわからないけど私が殿下に婚約を申し込もうとしてるとかなんとかって言う話になってるんだった!

 それをお父様に相談してどうにかしてもらおうと思ってたのにすっかり忘れていた!


 え、まだその話進んでないよね?大丈夫だよね?



「婚約の件だが、どうしても私と婚約したいのならば正式に申し込むといい。父上に公爵家からの縁談なら受けてやらんこともないと伝えておいてやったぞ」


 な、何てことしてくれてるの!?

 いや、別に婚約なんてしたくないですけど。



「あの、殿下!」


「この私と婚約することが出来るのだ。女性としてこれ以上に喜ばしいことはないだろう。特別に私のことを名で呼ぶことを許してやらんでもない……」



 そしてなぜか第一王子の自慢話が始まった。


 あぁ、もう。急いでるのに。

 あなたなんて好きでもなければ、うざいとすら思っているのに……!


 イライラ、イライラ、イライラ……


 少しずつだが着実にイライラが募っていく。そして……



「なんだ、こんな私と婚約することができて、嬉しくて言葉もでない……「黙れナルシスト!!」



 …………。




「……は?」




 あ、やばい。心の声が漏れた。




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