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ブックマークが...ついてるΣ(゜Д゜)

もうほんと、本当にありがとうございますm(__)m



 



 あぁ、どうして私が悪役令嬢なんかに転生しているのか。


 いくらでも弱音が出てくるが聞いてくれる人もいないし……

 とりあえず自分にできることをしていこう……



 私はまず美羽に借りたゲームについて思い出してみた。


 まずその内容だが、あのゲームはいわゆる乙女ゲームと呼ばれるものだった。

 辺境の男爵家に生まれたヒロインが攻略対象である第一王子・宰相子息・騎士団長子息を攻略していくのだ。

 推しを攻略しても良し、逆ハーエンドにしても良し、まあとりあえずヒロインが攻略対象とラブラブになるためのゲームだ。


 しかしゲームには必ずライバルというものが登場する。

 その一人がクレア・フロワール

 クレアが主に登場するのは攻略対象の一人である第一王子ルート


 なぜなら第一王子の婚約者だから。


 たしか、ゲーム内でことあるごとに突っかかってくるクレアについて、宰相の息子が話していたはずだ。


 クレアは子供の頃に城で行われたパーティーに参加し、初めてお会いした第一王子に一目惚れ、母やら父……ありとあらゆる人に駄々をこね、王子も別にどちらでも……みたいな感じだったし家柄的にも釣り合うという事でそのまま婚約ということになったのだ……と。


 なるほど、そしてクレアは「婚約しているのだから王子は私のことを好きでいてくれるに決まっている」と当たり前のように思っていたのに、魔法学院高等部の時に現れた、馴れ馴れしく王子に近づき、王子の気を引くヒロインに牙を剥いたのか。


 あ、ちなみに魔法学院とは魔力を持っている子供たちがさらに自分の魔力、魔法を鍛えるために入学する学校である。


 王子に馴れ馴れしく触れる女かぁ……

 悪役令嬢側からゲームのことを考えると別にクレアの行動が間違っているとも……

 いやいや、確かに最初は王子に馴れ馴れしく触れるな、というただの注意だったような気がするが、クレアはヒロインの暗殺を企てるのだった。


 さすがにちょっとやり過ぎかなぁ……


 王子を愛しているがゆえに、王子の心がヒロインに傾いていることが、いや、気を引くことも王子の目の前に立つことすら許せなかったのか、それともただ単に目障りだったのか……

 ゲームのクレアの心境を全部把握することは出来ないけど……


 とりあえず私がクレアについて分かるのは、クレアがゲームのなかで魔法の力から家の権力までありとあらゆる方法でヒロインを陥れようとすること……

 しかも悪役令嬢クレア

 婚約者の第一王子ルートだけで登場すればいいものをなぜか宰相子息・騎士団子息ルートでも登場するらしいのだ……


 時には宰相子息・騎士団子息の婚約者に力添えもして。


 ネチネチネチネチとヒロインを陥れようとするそのしつこさといったら……!



 ……待って自分で言ってて傷ついた。


 まぁいい、そう……

 そしてなんやかんやありヒロインハッピーエンドになると……




 悪役令嬢クレアは処刑されるのだ。




 すべてのルートで。




 …………私が言えることはただ一つ。









 誰か助けて(切実)











 -数日後-


 私が転生したのはゲームの悪役令嬢だとわかりました。

 しかし私の生活は何も変わっておりません。



 ええ!何も変わらない!

 唯一変わったところをあげろというのなら寝るのを我慢しなくなった。

 それだけ。




 ………………

 ……いやだって、生後半年の赤ちゃんだよ?

 やっとおすわりができるような感じよ?

 将来処刑されるかもしれないって知ったところで何も出来ないって、しかも私あのゲーム、どのルートも攻略できてないし……

 悪役令嬢クレアのせいでな!


 ハッピーエンドではクレアが処刑されて家も没落するっていうのも美羽に聞いてただけだし……

 諦めずにもうちょっと進めればよかったなぁ。

 あー。美羽にゲームの攻略方法おしえてほしいー。もっと真面目に聞いとけばよかったー……



 あ、ちなみになんで腐女子の美羽が乙女ゲームを持っているかというと攻略対象のみならず、その周りの人たちもみんなイケメンだかららしい。

 ゲームのなかで攻略対象たちが絡むことはあまりないのだが……

 


「たとえゲームの中で絡んでなくても私の頭のなかでは絡んでるの」



 ということらしい。

 え?どういうことかって?わからんかったらわからんままでよろしい。



 あぁ……

 なんか今までは情報収集しよう!ってやる気になってたからあんまり感じなかったけど。

 こうやることもなくベッドの上でゴロゴロしてたら考えちゃうなぁ……

 もとの世界のこと……


 みんなに会いたいなー

 いきなりのことだったからお別れも出来なかったし……

 みんな今どうしてるんだろう……


 私はよくわからないけど悪役令嬢に転生してますよー

 きっと美羽が喜ぶ状況だよー




 ……はぁ……

 ほんとに何で私なんだろう……

 私が転生したところで何も出来ないよ……

 転生するのが美羽や翔だったらよかったのに……

 いやみんなに死んで欲しい訳じゃないんだけどさ……


 美羽はゲームのことよく知ってるからこれからどうすればいいかわかるだろうし、なんなら第一王子だけじゃなくて宰相子息も騎士団子息も攻略していきそう……



 翔が悪役令嬢にっていうのも面白いけど翔はやっぱり勇者かなー

 もともと強いし転生者特恵も貰えてこっちでは無双してそう……





 ………………





 ……ん?勇者と言えば異世界へ召喚されるっていうのも王道だよなぁ。




 …………召喚……

 …………ハッ

 



 そのとき私はひらめいた




「あーぶっ(しょうかん)」




 召喚すればいい。




「あーぶっ(しょうかん)」



 それができれば美羽と翔をこっちに呼べる!

 美羽がこの世界に来てくれれば百人力だ、私の死刑やフロワール家没落も回避できるかも!それになにより、絶対喜ぶから!むしろ呼ばなかったことを怒られそうだよ!

 翔……翔は……よくわかんないけどとりあえず私元気だよって伝えたい(転生してるけど)



 大丈夫、呼んだまま帰れないなんてことにはしない!

 呼ぶ前にちゃんと帰れる方法も探しておこう!!





 よし!私の今後の目標は決まったぞ!!

 そうと決まれば……!






 …………。


 …………そうと決まったけど……どうしよう。

 まず召喚魔法とかあるのかな?

 ……え、これ私まだ情報収集続けないとダメなやつじゃない?



 …………えー。

(いや、やることないなぁとは思ったけどさぁ)


 先の見えない目標に、私は未だ思うように動かない手で頭を抱えた。






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