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陛下と宰相さん

pv20,000突破!

ありがとうございますm(__)m

 



 私たちが王城につくと大勢のお付きの人たちが迎えに来てくれた。


 そして城内に入り、通されたのは応接間。二人の騎士が扉の前に立っていた。この中に王様が居られるらしい。

 き、緊張する……!



「クレア、そんなに緊張することはない。

 私の兄君……お前の伯父上に会いに来ただけだと思えばいい」



 え、そうなの?

 衝撃の事実なんですが、今までそんなこと言ってたっけ。あれ?私が聞いてないだけ?


 伯父……伯父かぁ……。

 うん。居たこと無いからわからないし、まず王様であることに変わり無いから


 え、あ、じゃあ待って、私と王子って従兄弟ってこと?



「お待ちしておりました、公爵閣下。陛下がなかでお待ちです」


「あぁ、扉を開けてくれ」



 そして騎士さんが扉に手をかける。


 あー!まって、まだ心の準備出来てないから!


 そんな思いむなしく大きな扉が開かれてしまった。


 あぁ、まだ心の準備出来てないのに……



 応接間は思っていた以上に広かった。

 でもなんだか想像通りかも……扉からまっすぐに赤い絨毯が敷かれていて、その先の数段高くなっている場所には豪華な一人がけの椅子があり、そこに陛下が座って……



 いない。



「えっ?!」



 つい声に出してしまった。

 誰もいない。椅子に誰も座っていない。

 早く来すぎてしまった?いや、そんなことは無いはず。外の騎士さん中で待ってるって言ってたし、あれ?


 そんなことを考えていると



「なにやってるんですか、陛下……」



 という、呆れたような父の声が聞こえた。

 そして父を見上げその目線をたどると……


 応接間の一角にこれまた豪華そうなソファーとテーブルが置かれている場所があった。

 そこには……


 ティーポットを持った、お父様と瓜二つとまではいかずとも顔がそっくりな男性がいた。

 その頭には絵本とかで良く見る王冠のようなもの。



「えっ?」



 もしかして……

 いや、もしかしなくても……あれ、いや、あの方……陛下?

 え、なんでティーポット持ってるんだろう?



「そろそろ来る頃だと思っていたぞ、アルベルト!

 王である私が直々に紅茶を入れてやろう、早くこっちに来なさい!」



 そう言って手招きをする男性。

 いや、今、自分で王って名乗ったな。

 あの方が陛下らしい……陛下なんだろうけど……え?



「緊張する必要無かっただろう?」



 という呆れた声が再び聞こえ、見上げると父が片手で軽く頭を抱えていた。






 その後、私たちはソファーに座らされ紅茶と焼き菓子をいただいた。


 あ、紅茶おいしい。



「して、その子が天才と噂のお前の娘か」


「そうですね」



 え、天才!?そうですね!?

 天才ってどういうこと?

 というかちょっとは謙遜しよ、ここで親バカ発揮しなくていいから!

 というか天才と"噂"の!?

 誰、そんな噂したの、私そんなんじゃ……



「ずっと会いたいとは思っていたんだがなぁ、私もなかなか会いにはいけないし、お前も城に連れてこないし、誕生日パーティー以外には出席させないし……。

 やっと会えたね、クレア嬢。自己紹介をしておこう。君の伯父……君の父の双子の兄でこの国の王の。アースハイド・レガリアという。よろしくね」


「あっ、申し遅れました。クレア・フロワールと申します。本日はこのような席に呼んでいただき……」


「いい、いい。そんな堅くならなくて。真面目なのはアルベルトそっくりだねぇ。

 公の場ではその口調も仕方ないと思うが、私たちは家族なのだから。親しい人の前でまでかしこまる必要はないよ」


「あ、ありがとうございます?」



 いいんだろうかそれで、いや本人がそういってるんだからそうするしかないんだけど、騎士団長といい、陛下といいフレンドリー過ぎないかこの国……



「いやー、本当にずっと会いたいと思っていたんだよ。あのアルベルトが溺愛する娘だろう?気にならないはずがない。

 魔法の書を既に理解できると聞く、アルベルトも小さい頃から魔法の書を読んでいたと記憶しているが……もう少し大きくなってからだったような」


「陛下……」


「アルベルトもその呼び方やめろって、兄上でいいぞ、兄上で」


「スリングに怒られるのは私なんですけど……はぁ、わかりました」



 それからしばらく陛下が私について色々聞いてくるのでその質問に答える時間が続いた。



 しかし私は驚きだ、巷ではフロワール公爵家の令嬢は天才だと言われているとは。

 いや、そりゃあ同い年の子供に比べたら天才だろうよ。

 だって私転生者だから、心はすでに大人だから。


 ……しかし平凡に生きてきた私がそんな今から天才とかって言われてたら日本のことわざにある、あれ。


 "十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人"


 みたいになるだろうから怖い。



 間違いなく私は皆さんの期待を裏切ります、ごめんなさい。期待しないでください、お願いします。

 といっても難しいのだろうか。

 何せ私は、あの小難しい魔法の本を片っ端から読んでいるのだから。


 最初の頃は使用人もお母様も"読めないのに一生懸命本を眺めている私"をほほえましくみていたのだろうが……


 私は数ヶ月前、お母様に本に書いてあることについて聞かれたことを思い出す。


 適当にごまかそうかとも思ったが読めることにしといたほうが書斎に行きやすくなるし、この前誘拐されたとき普通に魔法使っちゃったし……


 隠し通すのは無理と判断した私はちゃんと理解していることだけ伝えたのだ。


 別に私天才では無いんだけどなぁ。転生者なだけで……

 でも周りに「私は転生者です」なんて言って回る訳にもいかないし……


 まぁ、やってしまったことを悔いてもどうにもならないから、受け入れるしかないのだろうか。



「失礼します」



 そんな諦めの境地にたどり着いていた時誰かが応接間に入ってきた。

 振り向くとそこにはメガネをかけた頭なの良さそうな人がいた。メガネの奥にある深い青色の瞳は冷たく感じられ、少し怖い印象を受ける。


 この人……



「おぉ、スリング!

 遅かったな!」


「申し訳ありません。道が込み合っておりまして」


「クレア嬢、あれがうちの宰相でスリング・ハンスという。これがまた真面目なかったい、奴でな、怖い印象を受けるかも知れないがいいやつだから怖がらないでやってくれ」



 と、陛下が紹介してくれた。

 別に怖がるということはないけど……



「お初に御目にかかります。宰相様。アルベルトが娘、クレア・フロワールと申します」



 私はソファーから立ち上がり挨拶の礼を取った。

 なんとなくこの人にはこうしなければ怒られると感じたからだ。


 一目見てわかった。レイ様はルミリアおば様似だったからギルおじ様を見てもわからなかったけど、この人がは息子さんとそっくりだ。

 まぁ似ているのは息子が、だが。



「ほう。その娘がアルベルトの……礼儀はきちんと出来るようですね。

 しかし、陛下はかしこまるなと言ったのでしょう。主の前で私にだけかしこまっている訳にもいきません、気を緩めてもいいですよ。」



 こ、これは、合格点がいただけたのでしょうか?いや、見逃してもらえた?

 まぁ確かに陛下にあまりかしこまっていないのにこの人にだけ、かしこまるのもおかしいよな……



「ありがとうございます」


「今日は私の息子を連れてきたんです。スプリット、挨拶を」



 そして、宰相さんの後ろから男の子が出てきた。






投稿遅くなってしまってすみません。

明日は昼にも投稿できると思いますm(__)m

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