鬼ごっこ
ブクマありがとうございます!
「おにごっこ……?」
そういってレイリストは首をこてんっと傾ける。
話し方ものんびりとしていてこれまたっ……
か、可愛いっ
キーホルダーにして保存しておきたいっっっ!
ハッ、危ない危ない、どこかにトリップしかけていた。
「なぁにそれ?」
「鬼ごっこは……」
あ、この世界に鬼ごっことかないのかな、じゃあ説明してあげよう!そう嬉々として説明しようとして気づいた。
……待って、なんと言うお誘いしてるんだ私ー!
仮にも公爵家の令嬢が鬼ごっこに誘ったらだめだろ!しかも今、屋内だ!私も服が……別に鬼ごっこくらいできるな。いや、それに人もいない……勝手に使用人のみんなを巻き込もうとしてたけどダメだダメ!中止!
「す、すみませんレイリスト様、これは外でやった方がいい遊びでしたわ。別のものにいたしましょう」
「ふーん、外でするあそびなんだ、どんな?」
そしてじっと見つめられ、耐えられ無かった私は鬼ごっこの説明をした。
すると
「じゃあ外いこ」
「え、」
「今日お日様が出てるからそんなに寒くない。
それに君のお家の庭綺麗に掃除されてるから雪も少ない」
外で遊べるよ
と言われ、私は言い出した手前強く否定することも出来ず、レイリストに手を引かれるままに外に出た。
あ、確かにそんなに寒くない。
途中で使用人にもっこもこのコートを渡されてきたけど、これ鬼ごっこしてたらめちゃくちゃ暑くなるぞ。
「鬼ごっこって何人くらいでしたらいい?」
「じゅ、10人くらいでしょうか?」
「じゃあうちの使用人あと4人くらいつれてくる。待ってて」
そう言ってレイリストはなかに戻り本当に4人連れてきた。
ちなみにここにいるフロワール家使用人は強制参加だ。
あ、先日からつけられている護衛は除く。
「使用人のみんなと僕たちとじゃ足の長さもスピードも違うから、みんなは走らず競歩でいい?」
とレイリストが使用人のみんなに提案する。
あ、確かに、ぜんぜん考えてなかった。というか君まだ三歳なのに難しい言葉知ってるね。
ちなみに鬼ごっこの説明もレイリストがみんなにしてくれた。三歳にして有能過ぎませんかレイリスト様。
でも巻き込まれた使用人さんごめんね、仕事の邪魔して、これも仕事だと思って頑張って……
そして使用人たちからOKも出たので、早速始めることになった。
「では、最初の鬼は私がやります。
20秒数えるので皆さん私から離れてください!
いーち、にーい……」
一斉にみんなが私から離れて行った。
こんなの久しぶりだからわくわくする!
よーし、やるぞー!!
---------
つ、疲れた……!
結構長い時間やってるような気がするぞ。
というか私足おっそい、走りにくい、いや私はまだ三歳なので当たり前かもしれないが、それは同じ三歳のレイリストも同じだと思うのだ。それなのになぜ、なぜ彼は余裕そうなのだろう。
目の前には少々息をあげながらもまだまだいけるというように走り回っているレイリストがいる。
げ、元気だなレイリストっ……
く、悔しいぃーーー
そんなことを考えているとレイリストが使用人にタッチされた。
と思っていたらレイリストがこっちに近づいてくる。
え、まさか、いやまさかもなにもないけど……
「鬼さんはこっちこないでー!!」
「あっ、まて!」
レイリストが私を追いかけてくるが誰が待つもんですかっ
走る、走る、走る。
でも元々レイリストの方が足は早いし私はもうへとへと。
だから結構距離が空いていたはずなのにすぐに近づかれてしまった。
お読みいただきありがとうございます!
今回ちょっと短くなってしまいました...




