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暇をもて余す


投稿遅くなってしまって申し訳ございません!

大変お待たせいたしました(T△T)

 


 話を聞いたレイは「ふーん……」と呟いた。


 私の話が終わり、それをレイが理解したということを感じとったのだろう。

 日本語が分かればその会話は私が行う一方的な事情説明。もしくは言い訳なのだが、彼女達がそれをどう受け取ったのかはわからない。


 そして、レイに目を向けられた令嬢達はさらに顔が強張らせた。


 ゲームのように注意でもしてくれるのかもしれない。



 …………私がヒロインのようなか弱い女の子であれば。



 ところがどっこい、悲しいことに、わたくしまかり間違ってもか弱い女の子とは言いがたい。

 骨を幾度となく折られても血だらけになってもなお、立ち向かうか弱い女子がいてたまるか。あ、ちなみに修行での話だが、そこら辺ステルよりも激しいやられようだと胸をはって言えるから!

 ……ってそんなことはどうでもよくて、とにかく問題はそれをレイもわかっているということだ。


 そう、だからこそ。



「取り敢えずこんなところで突っ立てると邪魔だから君達は教室に入りなよ。

 クレア……先生は時間まで待機」



 ……だからこそ。ここでレイが私を庇うなんてしてくれなかった。



「えっ!?」



 しかし、今。この瞬間まで少しだけ期待もしていたのだ!


 だってステルを庇うレイのかっこよさったらなかったのだから!

 見たいじゃないか、"生"レイの勇姿を! いや、わかっているよ、ゲームのレイとこのレイが別だって。でもそれでも……!

 それとこれとは別だ! 私の、超タイプな、王子様が、私を、守ってくれる……! そんな幸福滅多にないじゃないか!

 もうそれは単なる奇跡! 『見たい!』そう思わずにはいられない。


 いや、理解はしているのだ私とステルの大きな違い……

 しかしそれでも私は言う!


 あれ?! 私は守ってくれないの? ほらほら、ヒロインの時は「もう大丈夫だよ」とか言ってくれてたじゃないか!

 あれ、私には!?



「えっ、じゃない。非常識でしょ、こんなに早い時間に制服着て教室に来る教師なんてどこにもいないよ」



 しかし現実はとても、とても無情である。

 いや、わかってるけど……!



「で、でも……」


「大体クレアは"公爵令嬢"なんだよ? わかってる? 可哀そうなのはむしろこの子達の方だよ。

 まぁ、俺から注意はしとくから。

 あとはピンクゴールドの髪の制服着た女の子だよね。その子が来たら声かけとくよ。

 ほら、こっちは大丈夫だから研究室で時間まで待ってて」



 う、ううっ……反論できない……!


 どうやらレイはステルを守ってはくれるらしいみたいだけど……いや、それはとても嬉しい……嬉しいけど、さらに言うのならば私にも甘ぁい言葉を一言、一言くらいくれてもいいんじゃなかろうか。

 私さっきまで色々言われてたよ? ……まぁ、自業自得かも知れないけれどさぁ……


 …………



「はぁーい……」


 

 私はなにか言おうと何度か口をパクパクさせた。しかし音となることはなく押し黙る。

 しかもすでに怯え切ってしまっている令嬢達が目に入ってしまい、ここで私が騒いだらもっと目立ってしまうな……と思い静かに研究室に帰ることにしたのだった。


 とぼとぼと研究室に帰った私は小さくため息をつき、大きなソファーに腰を下ろした。


 あ、一応この研究室というものについて説明しておこう……

 研究室とはこの学院内に用意されている、教員専用の部屋である。まぁ、大まかには日本でいう研究室と変わらない。大学とかに行ったらあるのかな? ちょっと私の通っていた前世の学校にはなかったらよくわからないけど……


 取り敢えずこの学院には教員一人一人に部屋がある。しかも私やらレイみたいな"特別"に採用されている教員の部屋はそれはそれは豪華。

 机だけでなく、ベッドも調理スペースもあり、余裕で生活が出来そうな広々とした一室である。


 ただ、豪華さなどは劣るものの、生活ができそうな部屋というのは全職員共通である。

 というのも私の前任者含め、ここの教員の皆様は時々この学院に泊まることもあるからなんだとか。


 なんでここに泊まるような事態になるのかというと、この学院の先生方は大体"研究"をしているからだそう。

 テーマは様々だが、部屋自体"研究"室と言われているのだし、皆何かしらの研究があるわけである。


 ただ、かわいそう(部屋が)なことに私はその研究というのをやっていない。

 しかも授業も少ないから準備という準備もないく、もちろんここに泊まる必要なんてないから毎日家(公爵邸)に帰っているため、研究室にいる時間の少ないこと、少ないこと。

 あぁ、かわいそうな部屋。


 あまりにも部屋がかわいそうだから、何か研究した方がいいのかとも思ったけれど、前世からも合わせて生まれてこの方研究なんてやったこともない。

 一周目でそんなことをした記憶も無い。(戻っていないだけかも知れない)


 まぁ、やるとしたら一応興味がある分野である"魔法"に関する分野かもしれない。ただ、一言で魔法の研究といってもいろんなものがあるらしい。

 しかも研究とかなにからどう手をつければいいのか。

 師匠の手伝いですらほとんどしていないから初っぱなからちんぷんかんぷんだ。

 まぁ、いずれ……いずれやるだろう。たぶん。いつかね、うん。やれって言われたらでいいと思う。



 あ、ちなみにレイの研究室だが、レイも研究なんてしておらず、授業の準備もほとんどなく、生徒扱いでもあるから寮に強制収用されているので、そこをレイが使っているところはほとんど見ない。

 同じく豪華な作りになっているのにもっないったらありゃしない。


 しかしレイの研究室にある物は日増しに増えている。

 なぜか。


 まぁ、あれだ。簡単に言えば物置になっているのだ。

 あ、物置っていうのは失礼か……


 しかし今日も増えていることだろう。

 ……主にファンからの手紙とか贈り物とかが。


 昨日入学式及び新任式だったのにそれより前からこのモテ様……

 研究室の有り様をみていると、寮の部屋はどうなっているのかちょっと気にならないこともない。

 しかも寮は二人一部屋らしいから同室の子に迷惑かけてないか幼なじみとしては心配である。



 おっと。どんどん話がそれてしまったが、話を戻そう。取り敢えず現在私は研究室に帰ったところでやることが無いのだ。

 美羽もまだこちらに来ていないから一人暇な時間を過ごすことになる。


 私は研究室に入って小さくため息をこぼす。正直少し寂しいので、あのまま教室にいたかったと思わないでもない。


 ステルは大丈夫だろうか? 何て言わない。

 レイがああ言ってくれたのだから、あの令嬢達もなんとかしてくれるだろうし、これからもなんとかなるのだろう。

 ただ、なんだか仲間はずれにされた気分なのだ。

 レイだって一応教師のくせに私だけのけ者にしなくてもいいじゃないか。同い年だぞ私も。


 騒ぎなんて起こさなければよかったなぁ。制服を着るにしてもさっきはせめてローブを羽織っていくべきだったかも……

 でもまぁ、やってしまったものは仕方がないし、最善なんて誰にもわからない。


 さて、気を取り直してー…………………………うーん。やることが無いよねぇ。


 魔法の書を読み進めるには時間が足りないし、優雅にティータイムをする気分でもない。

 どうするか……



 "トン トン トン"


「……ん?」



 どうしようかと、ため息をつこうとした時、研究室の扉が叩かれた。




読んでくださりありがとうございますm(__)m

大変お待たせしてしまい申し訳ございません。また定期的に投稿したいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします!


私がここ1ヶ月ほど、作品を投稿出来なかった間にもブックマークが少しづつ増え、800を越えることができました。これからも少しでも読者の皆様に楽しんでいただけるものを欠ければと思っております!


後書きに長々と失礼いたしました。

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