第11話 前編
歩美と分かれ、地下にあるホールを目指す茜。
「あら…。楽しませてくれるわね…」
茜の進行方向である通路には、数体のクリーチャーが待ち構えていた。
右腕が大きな刃に変異しているゾンビ、"D-S12 グラディウス"。
集団で連携を取って獲物を追い詰める事を得意としており、茜の姿を見るなり、グラディウス達は右腕の刃を地面に叩きつけて忌々しい金属音を鳴らしながら奇声を上げる。
それが、獲物を発見したという仲間への合図であった。
「多勢に無勢…ね」
通路の奥から、通路の途中の所々にある部屋の中から、次々と集まってくるグラディウス。
茜は銃を取り出すものの、流石に数が多すぎる事から、戦闘を始める気になれない。
「逃げた方が良さそうね…」
「そうでもないわよ」
背後から聞こえた、聞き覚えのある声。
「………」
振り返る茜。
そこには、鞘に納めてある日本刀を左手に持った、彼女の実の姉である女性、神崎葵が居た。
「あら?驚かないの?」
クスクスといたずらっぽく笑ってそう言い、葵は茜の隣へと歩いていく。
「道中にヒントがありすぎたからね…。姉さんがこの町に居るって事はわかってたわ」
「つまんないわねぇ…」
2人の会話を遮るように、先頭のグラディウスが2人の元に到着し、葵に斬りかかる。
葵は刀を抜刀すると同時に刀を下から上へと振り、グラディウスの腕を斬り落とす。
そして、グラディウスが腕を斬り落とされた事を認識するよりも早く、刀を水平に振って首を斬り落とし、刀をくるりと器用に回して華麗な納刀を見せた。
そのあまりの早業に、思わず呆然としてしまう茜。
また、その一瞬で歴然となった力の差に、猪突猛進のグラディウス達も足を止めた。
「さ、行くわよ。茜」
「はいはい…」
グラディウス達に向かって歩き出す、神崎姉妹の2人。
相手は2人だけであるにも拘わらず、グラディウス達はじりじりと後退していく。
しかし、先頭に居たグラディウスが突然雄叫びを上げて葵に斬りかかったのと同時に、戦闘は再開された。
口火となったそのグラディウスは葵の抜刀によって上半身と下半身が分かれて絶命したが、その背後に居たグラディウス達が間髪入れずに雪崩のように葵に襲い掛かる。
合計10体の内、茜が銃に装填されている7発の銃弾で7体を仕留め、残りの3体の首を葵が斬り落とす。
その場に居たグラディウスは殲滅したが、すぐに別の群れが到着し、2人の進路を塞いだ。
「全く、キリがないわね…」
銃に新しい弾倉を装填しながら、茜がぼやく。
そんな彼女とは逆に、刀を納刀しながら余裕な笑みを浮かべている葵は機嫌が良さそうに見えた。
「丁度良いわ。最近身に付けた抜刀術の練習になるわね」
「…抜刀?」
「そうよ。戦いはやっぱり…」
言葉を切って、襲い掛かってきたグラディウスの身体を刀を抜刀すると同時に下から上に斬り上げて縦半分に真っ二つにし、再び納刀する。
「美しくあるべきよ。茜」
そう言われた茜は、先頭のグラディウスの頭を1発で撃ち抜いた後、返答を返す。
「その意見はわからなくもないけど、私は変にこだわりを持つより、引き金を1回引くだけの楽で便利なこの方が良いわ」
「うふふ…。それもまた1つの意見ね」
葵は小さく笑い、目の前にやってきて右腕の刃を振りかざしたグラディウスの一振りを、右から左へと払うように鞘に納めた状態のままの刀で攻撃を弾き、そのまま流れるように抜刀へと繋げて追撃する。
残っている数体のグラディウスが突撃してきたものの、葵がその集団に向かって走っていき、その中を駆け抜けながら刀を左右に振って全ての個体を1回ずつ斬る。
一連の攻撃を風のような速さで繰り広げ、集団の向こう側まで駆け抜けた所で納刀する葵。
それと同時に、斬られたグラディウスの身体がゆっくりと2つに分かれ、べちゃっという不快な音を発して地面に落ちた。
「姉さん」
少し遅れて、葵が斬ったグラディウスの残骸を踏まないように気を付けながら、茜がやってくる。
「なーに?」
「思ったんだけど、ここは全部姉さんに任せて良いわよね?そっちの方が効率的だし」
「あら、自分は高みの見物って事?随分と偉くなったじゃない」
「…ま、そう言うと思ったけど」
その場に居たグラディウスは全て動かぬ骸となり、2人は先へと進む。
突き当たりの曲がり角を曲がった所で、別のグラディウスの群れが2人を待ち構えていた。
更に、先程まで2人が居た通路の部屋内に隠れていたらしい複数のグラディウス達も後方に姿を現す。
囲まれた2人は背中合わせになり、茜は銃を構え、葵は鞘に納めてある刀に手を付ける。
「茜。そっちの対処、1人で大丈夫?」
「バカにしないで。私はこれでも姉さんと同じ神崎家の人間よ」
「うふふ…。それは頼もしいわ」
奇声を上げ、同時に襲い掛かるグラディウス達。
葵は一度の抜刀で先頭の3体をしとめ、茜は一度の回し蹴りで先頭の2体を薙ぎ倒す。
そのまま葵は抜き身の刀で襲い掛かってくるグラディウスを次々と斬殺していき、茜は銃撃と体術を使い分けて数を減らしていく。
途中、葵の方の集団の奥から別の個体が現れる。
視力を犠牲に手に入れた並外れた聴力で獲物を探し、両手の鋭い爪で仕留める人型クリーチャー"D-09ハーミット"であった。
グラディウスの集団がほぼ全滅しかけた所で、ハーミットは葵に向かってゆっくりと歩いていく。
それを見た葵は左手に持っている鞘で壁をコンコンと叩き、わざと音を出して居場所を知らせる。
その音をハッキリと聞いたハーミットは、葵に向かって走り出す。
ニヤリと笑って鞘に刀を納め、柄から手を離して待ち構える葵。
攻撃の範囲内に入ったハーミットは、走ったままの勢いを殺さずにそのまま爪を振りかざした。
しかし、爪が当たる寸前で葵の身体がその場から突然消える。
消えたと思った葵の身体はいつの間にかハーミットの背後に移動しており、彼女は刀を鞘に納めている所であった。
「遅すぎる…」
葵の一言の後にハーミットは振り返ったが、その時には既に斬られた身体がずれ始めており、葵が納刀を終えたと同時に上半身が地面に落ちた。
その様子を戦闘の合間に見ていた茜は思わず苦笑を浮かべ、心の中でこう呟いた。
「(心の底から思うわね…味方で良かったって…)」
グラディウスの接近を気配で感じ取り、戦闘に戻る茜。
葵の方が敵の数は多かったものの、こちらも少なくはない。
「(次から次へと…!)」
先頭の3体を銃で仕留め、その3体の間を縫うように接近してきた1体には右足による素早いハイキックをお見舞いする。
そのまま右足を下ろさずに左足だけでその場に立つ。
そして上げている右足を巧みに使い、迫り来るグラディウスを次々と蹴り飛ばしていった。
その場に居る敵を全て蹴り飛ばし、立ち上がろうとしている生き残りに銃でトドメを刺す。
気が付けば通路には屍の山が築かれ、動く敵は1体すらも残っていなかった。
「お疲れ様。怪我は無い?」
茜よりも早く戦闘を終え、彼女の戦いぶりを見物していた葵がそう声を掛ける。
「問題無いわ。さっさと進みましょう」
「あら、焦ってるの?」
「あと数十分もしたら爆発するのよ?焦るなって言う方が無理でしょう」
そう言って、1人で歩き出す茜。
「ふふ…。まだまだね…」
葵はいたずらっぽくクスクスと笑い、少し遅れて歩き出した。
2人が進んでいる通路は、所々にある分かれ道の一方がシャッターで塞がれており、実質的には一本道になっている。
それが幸いしたのか、2人はすぐに目的地である地下ホールに到着した。
「ここね」
「そうなの?」
訊いてきた葵に、溜め息をついて答える茜。
「他に無いじゃない…」
「それもそうね」
自信の表れか、2人は微塵も警戒せずに扉を開けて中に入る。
広く薄暗いその空間に入って一番最初に視界に入ったのは、真正面にある白い大きなスクリーンであった。
「映画館…って事かしら?」
葵が呟く。
彼女の推測通り、このホールは映画館になる予定の場所であった。
「…姉さん」
茜が何かを見つけ、葵に呼び掛ける。
茜の視線の先を辿ってみると、そこには1人の少女が腕を組んで壁にもたれかかって立っていた。
「間違いなく津神の手下ね。話を聞いてみましょうか」
「………」
「…姉さん?」
葵の様子がその少女を見た途端に急変した事に気付き、彼女の顔を横目で見る茜。
すると、彼女は何も言わずに少女の元へと歩き出した。
「な、何なのよ…?」
茜は困惑しながらも、彼女についていく。
すると2人に気付いた少女がすっと壁から離れ、彼女もこちらに向かって歩き出した。
一定の距離を開けて立ち止まる、神崎姉妹の2人とその少女。
その少女の首元には、痛々しい刃物傷の痕があった。
そしてその刃物傷の痕を見て、葵はふっと小さく笑った。
「影村…雲雀ちゃん…だったっけ?」
「…覚えていたか」
影村雲雀と呼ばれたその少女は表情を一切変える事なくそう言い、腰元の左右両側に1本ずつ帯びている2本のナイフを鞘から取り出す。
「ならば言葉は無用だ。3年前の雪辱、ここで果たすッ…!」
「うふふ…。良いわよ、来なさい」
納刀してある刀の柄に手を付ける葵。
「ま、待って!ストップストップ!」
今にも突っ込んできそうであった少女と葵の間に割って入り、茜は2人を止めた。
「あなた達どういう関係なの?3年前って何の事よ?」
「話は終わってからしてあげるわ。約束なのよ」
「約束…?」
「えぇ。…健気な少女と交わした、大切な約束。だから今は、何も言わずに放っておいて?」
そう言われた茜は葵の向かいに居る少女、雲雀を一目見た後、少し間を空けてからこう訊く。
「…殺すの?」
「え?」
「あの子、殺すつもり?」
「…ふふ。どうかしらね」
「………」
当然その説明だけでは納得する事などできなかったが、茜は葵の真剣な表情を見て静かに下がった。
「…どーぞ。お気の済むまで」
「ありがとう…」
葵は優しい笑みを浮かべて茜に一言礼を言い、雲雀に視線を移した。
茜が下がった事によって遮るものが無くなった2人は、再びお互いに得物を構えて対峙する。
「別れの挨拶は済んだか?」
「意外と優しいのね。律儀に待っててくれるなんて」
「最期になるからな。挨拶ぐらいは目を瞑ってやる」
「あらあら…随分と自信があるみたいね…」
「当然だ。…この3年間、私は貴様を殺す為だけに生きてきた」
「窮屈な子ねぇ…。折角助けてあげたんだから、人生を楽しんでみたら?」
「黙れッ…!それが気に入らないんだ…!」
「と言うと?」
「ちっ…。無駄話はもういい…!死ね神崎葵ッ!」
話を一方的に打ち切り、2本のナイフで葵に襲い掛かる雲雀。
「うふふ…。ほんと、健気な子ね…」
振り下ろされた右手のナイフを葵は鞘に納めたままの刀で弾き、続け様の左手による斬撃は身体を少し横にずらして回避する。
間髪入れずに雲雀は左手のナイフを横に振り払ったが、葵はそれを身体を少しだけ反らして避ける。
攻めの手を緩めずに2本のナイフを交差させるように外側から斬り付けるが、ナイフが丁度重なった所で葵に刀の鍔で受け止められる。
鍔迫り合いのような展開になったその時、葵が雲雀を見て嘲笑した。
「貴様…ふざけているのか…!?」
「ふふ…。じゃあ訊くけど…」
葵は刀を持っていない右手で雲雀の首を掴み、言葉の続きを言った。
「私に勝つ気でいるの?」
「ッ…!」
鍔を止めているナイフはそのままに、雲雀は葵の腹部を蹴り付ける。
蹴りは簡単に避けられたが、首を掴んでいる葵の手からは逃れる事ができた雲雀。
体勢を立て直す為に後退したが、葵は素早く距離を詰め、それを許さなかった。
鞘による打撃で雲雀の頭部を狙い、それを2本のナイフで受け止められても一切動揺せずに足元を狙って小振りな蹴りを放つ。
その蹴りは雲雀の右足に命中し、彼女の体勢を崩させる。
そしてその隙を見逃さずに、右手で素早く雲雀の頭を小突く葵。
体勢を崩していた雲雀は、その軽い小突きだけで転倒してしまう。
雲雀は急いで立ち上がろうとしたが、それよりも先に葵の刀の鞘が彼女の首に突き立てられた。
「どうする?死んでみる?」
徐々に力を入れていき、雲雀の喉を圧迫していく葵。
雲雀は思わずナイフを手放し、両手で鞘を押し返そうとする。
しかし、体勢からして押し返す事は難しく、雲雀は呼吸もままならなくなっていく。
そんな状況でありながらも、雲雀は残っている力を振り絞ってかすれた声でこう言った。
「こ…殺せ…!」
「………」
目を細め、葵は更に力を入れる。
「ぐっ…あっ…!」
ついには喋る事も呼吸もできなくなり、悶え苦しむだけとなる。
雲雀の意識が飛ぶ寸前、彼女が死を覚悟したその時であった。
「………」
何も言わずにすっと力を抜き、雲雀の喉から鞘を離す。
そして咳き込む彼女を見下し、呟くようにこう言った。
「話にならない…」
その一言だけを言って、茜の元へと戻っていく葵。
茜は戻ってきた葵と倒れている雲雀を交互に見て狼狽する。
「ちょ、ちょっと…あの子、あのままで大丈夫なの…?」
「やるだけ無駄よ。早くプレゼントとやらを探しましょう」
「そ、そう言われても…」
言葉を切って再び雲雀に視線を移す茜。
すると、雲雀はふらつきながら立ち上がってナイフを拾い、よろよろした足取りでこちらに歩いてきていた。
「ね、姉さん…」
「わかってる」
背を向けたままそう言った後、葵は振り返って雲雀に向かって歩いていく。
その途中、彼女は刀を鞘から抜いた。
「姉さんッ…!」
葵を止めようと彼女を追い掛ける茜。
「仕方ないのよ。死にかけてもわからない子は、結局死ぬしか無いの」
「で、でも…」
何かを言いかけた茜であったが、足を止めて振り返ってこちらを見た葵の目を見て思わず言葉を失う。
葵はそんな茜を見て優しい笑みを浮かべ、再び雲雀に向かって歩き出した。
「これじゃ3年前と…同じだ…。だが、今回はケジメをつける…。例え死ぬ事になっても…!」
ナイフを構えはするものの、既に格付けは済んでいる事からその手付きは最初と比べてどことなくぎこちない。
そして葵は、もはや会話をする気も無くなっていた。
「死ねぇッ!」
葵の首にナイフを突き刺そうとする雲雀。
しかし、そのナイフは葵の首に届く前に、突然鳴り響いた甲高い金属音と同時に刃身が消えて無くなった。
葵の早業を目で捉える事はできなかったものの、雲雀は直感でその出来事を察する。
そして葵は無防備となった彼女の首元を狙い、刀を縦に振り下ろした。
斬られた事を確認するかのようにゆっくりと首元に触れる雲雀と、ゆっくりと刀を鞘にしまう葵。
雲雀は膝から崩れ落ち、首元の傷から滲んできている血に触れながら呆然としていた。
そこで、茜が駆け付けてくる。
「………」
雲雀の傷を見た茜は、何が起きたのかを理解できなかった。
「彼女は死んだわ。行くわよ、茜」
「し、死んだって…」
葵が斬ったのは、雲雀の首元の刃物傷の部分。
血が僅かに滲み出てくるだけの、浅い傷であった。
「ふざけるな…」
雲雀の蚊の鳴くような弱々しいその一言に、足を止める葵。
「何故だ…3年前と言いどうしてここまで私をコケにする…何故殺さないんだ…!」
涙声になっている雲雀。
すると、葵は振り返って雲雀の元へと歩いていき、彼女にこう言った。
「やり直しなさい」
「…え?」
「復讐に囚われた過去のあなたはさっき死んだわ。これからは、別の人生を歩みなさい」
「ふ、ふざけるな…!2度も情けをかけられ堂々と生きていけるワケが無いだろう…!」
「じゃあ本当に死ねば良いわ」
「ッ…」
「面白くもない意地を守り通して死ねば良い。じゃあね」
冷たい態度でそう言って、背を向けて離れていく葵。
「ま、待って…!」
呼び止める雲雀。
「私は…どうすれば良いんだ…?何を目標に生きていけば良い…?」
「もっと、今以上に強くなりなさい」
「…!」
「限界なんてものは存在しないわ。上には上が居る。だから強くなりなさい。そしてあなたが今以上の力を付けたその時は、また私が相手をしてあげるわ」
「………」
「じゃあね。影村雲雀ちゃん」
葵は優しく微笑み、雲雀から離れていく。
「行くわよ、茜」
「行くってどこへ…?」
「私達には探し物があるでしょう?それを探しに…」
「待て…!」
雲雀の声に、振り返る2人。
すると、彼女はホールの隅にある扉を指差してこう言った。
「お前達が探しているものはあの部屋にある。持っていけ」
「あら、優しいじゃない」
「…うるさい。いいからさっさと行け」
「うふふ…。そうさせてもらうわ。ありがとね」
「………」
赤くなっている顔を見せまいと俯く雲雀。
その隣を2人が通った時、雲雀は小さな声で葵にこう言った。
「待ってろよ…すぐに辿り着いてやる…」
「待ってるわ。いつまでも」
それが最後の会話となり、神崎姉妹の2人は奥の扉へ、雲雀は出口へと歩いていった。
「それで…あの子とはどういう関係なの?」
扉に向かいながら、茜がそう訊く。
「3年前、私の命を狙った子よ」
「嫌われるような事でもしたの?」
「違うわ。その時彼女は、私が受けた暗殺依頼のターゲットの護衛をしていたのよ。あの子、見た目も本当に子供だったのに」
「別に珍しい事でも無いでしょう。それで、その時に戦って仕留めなかった理由は?」
「さぁね」
「は?」
「いえ…自分よりも遥かに幼い子を斬りたくなかったってだけね。きっと」
「自分でもあまりわかっていなさそうな言い方ね」
「えぇ。でも、あなたにだって何となくわかるでしょう?普段何の抵抗も無く人を殺しているのに、不意に殺すのを躊躇する事」
「まぁね…。割り切ってはいるけど、たまに思う事はあるわ」
「うふふ…。そういう事よ」
扉の前に到着し、葵が開ける。
その部屋には様々な機材が置いてあった。
「これね」
探していた書類は机の上にわかりやすいように置いてあり、茜がすぐにそれを見つけて手に取る。
「さて…あとはあの2人がどうなったか…ね」
葵はそう呟いて、部屋を後にした。
第11話 前編 終
登場人物
神崎 葵
27歳。茜の姉である女性。容姿、口調は茜に似ているものの、自分の力を向上させる事に強い思いを持っており、その為になら基本的には面倒臭がり屋な茜と違って努力を惜しまないという愚直とも言える性格の持ち主。加えて茜のような美少女趣味も無く、彼女のその趣味については良く思っていない事から、その度に言及して喧嘩が起きている。今回は新種である不死のクリーチャー、イリシオスに興味があったという事と茜の助太刀と言う事を理由に町へとやってきた。一同の中でもトップクラスと言える戦闘能力を持っており、日本刀を用いた剣術で戦う他、素手で戦った際も彼女の右に出る者は居ない。尚、銃器に関しては使えないという事は無いものの、美学に反するという理由で一切所持していない。使用武器は"神楽"という名の日本刀。




