なのに。何故か。
思い付いたがままに書き殴っております。
くれぐれも、真剣に読まないように。
私は我が儘だ。
なのに、引っ込み思案。
ややこしい。
分かっては、いる。
自分でも。
今も。
隣に座っている異性に抱く好意を気付かれぬように振る舞っているが。
高鳴る鼓動には嘘を突き通せない。
誤魔化すようにして辺りを見渡せば、薔薇の花が私にせっついているようだ。
誰も気にすることはない。
早く、想いを伝えてよ、と。
確かに、彼を呼び出したのは私だ。
一言も発せずモジモジしては挙動不審な私を、彼は決して嫌な顔ひとつせず。
柔らかに包み込む空気のように、優しく見守ってくれていた。
「あ……あの……っ」
意を決した私は紡ぐ言葉も拙く、やがて耐えきれなくなり、口を閉ざしてしまう。
ぎゅっと握られた拳、ただ一点を見つめては恥じらい。
夕映えと同化したかのように、鮮烈に紅潮してしまう。
「ん。どうしたの?」
そんな私に気さくに話し掛けてきた彼は、目線を合わせようとしない純情ぶる私の顔を覗き込んできた。
「…………っ!?」
思わず、そっぽを向き。
ふるふると身体を震わせ、昂る体温を制御しようと試みる。
なのに、彼は優しく私の拳に掌を乗せて、甘やかに囀ずるのだ。
「大丈夫?」
するりと伸びてきた逞しくも華奢な指先が私の額に添えられた。
熱が伝わり、より一層に全身は彫像の如く固まる。
汗が滲む。
緊張は高まり、胸の鼓動が収まらない。
締め付けられる想いが痛い。
そんな私の葛藤など露知らず。
通行人達はありふれた日常を楽しんでいるようだ。
公園のベンチで、愛の告白を告げようとしている私を無視して。
「○○さん。今日はなんだかいつもと違うね?」
くすりと笑い、あっけらかんとした表情で彼は言った。
そう、いつもなら高慢ちきな態度で接するであろう。
浅く溜め息をつき私は彼に、普段の自分ではない部分を吐き出した。
「先生……。わたしだってただの女の子ですよっ」
うまく誤魔化せただろうか。
募る想いをひた隠しにして。
教師と生徒。
決して結ばれぬ恋。
況して彼は既婚者である。
叶わぬ想いだとは分かってはいたが、目にする度に我慢は限界に近く。
人知れずして枕を涙で濡らす日々を送っていたのだ。
決着をつけよう。
開かれた口からは、純粋に愛が零れてしまう。
「好きです。 先生」
やらかしてしまった。
だが、後悔はない。
真剣に彼を見つめ、答えを待つ。
「……そっか……」
先生はふいに空を仰ぎ、感慨深そうに長い溜め息をついた。
それがどういう意味なのか知らず、いや、分かりたくもなく。
結果を真摯に受け止めようと固唾を飲み、私は瞳に力を籠める。
そして、待ってもいなかった、予想だにしていなかった答えが返ってきた。
「 ──────ッ!?」
柔らかな唇と唇が重なりあう。
震える指先。
驚愕に見開かれた瞳。
そして、私は眼を閉じる。
ああ、この時が永遠に続けば良いのに……。
「これで終わりにしよう」
突如、投げ掛けられた終焉が私に現実を突き付ける。
脳裏で鳴り響く悲壮な旋律。
だが、分かっていた事だ。
報われない事だと。
たった一度の接吻は、自然と涙を溢れさせた。
「ありがとうございます」
なのに、何故か。
感謝の台詞が止まらない。
いつか、いつの日にか。
私は彼を奪ってやるのだ。
クリスマスにあげる作品じゃあないな……(爆)
年の差、不倫?
愛憎劇風味です。
≡3 シュッ