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『日曜日、午前中早い時間』
アリー、ここかな?
うん。ここにしよう。
ここに、貼ろう。
応援段幕よ。
「じゃあ、俺達はここな!」
「はいはい、タクミ」
「私達はここだぞ」
「はい、サクラさん」
みんなも、着々とはってるよ。
……アリー、レイコを見に行かないか?
ついて来て欲しい。
……正直、あの男には会いたくないけど
わかったよ。
今回は私がガードしてあげる。
いや、普通にしててくれ。
レイコの気を散らしかねない。
クリスもそれくらいは、わかるはすだ。
わかったわ。
『控え室』
控え室とは言っても、ただの体育館だ。
候補棟の体育館に来ている。
「おーい、カズキ!」
レイコの声だ。
あっ、いた。
あそこよ。
クリスもいるよ。
……うん。
「おはよう、二人!今日はしっかり目に焼き付けてくれ」
自身満々だな。
「フフフ……」
……
「カズキ?」
レイコ、心配するな。
顔に出てるぞ。
レイコ、今日勝ってね。
「うん!」
「マイロード、ここではもたつけない、決めてしまいましょう」
……
……
「カズキ、レースプログラムよ。私達は少し後にレースよ。しっかり見てね」
「……」
へえー、ミドルスタンスに出るのか!
番号は9番ね。
茶色ローブか。
「……お前達に一つお願いがある」
なんだ!クリス
カズキ!
目を釣り上げてはダメよ。
「君達は、注目相手を中心に見すぎてないか?正直、それではなかなか他人に伝わらない。中心選手ではなく、全体を見るんだ。全体を見て、みんなに説明をしないといけない……正直、わかりづらいんだ!」
くっ!
……わかったわ。
もう少し、噛み砕いた説明が必要になるのね。
「そう……それは君達のレースにしてもだ。注目相手を追うやり方を変えたまえ。まあ、忠告だ」
……わかった。
アリー、詳しく教えてやろうじゃないか!
クリス!勝てよ。
負けた相手の説明は、嫌だからな!
「わかっている」
「カズキ?なんだか、怖いよ」
レイコ!
ご、ゴメン。
レイコ、カズキは男衆同士の話し合いなのよ。
アナタの知らないカズキよ。
これにも、慣れていかないとダメよ。
「……わかったわ」
「おはよー、レイコ!」
「ナタリー!来てくれたの?」
「もちろんよ!勝ちなさい!」
「……そういうことです。マイロード!」
「クリス、アナタが絶対1番か。レイコ、すごいのと伴侶の契りを交わしたわね!」
「……」
「クリス、挨拶しなさいよ」
「失礼しました。マイロード!よろしくお願いします」
アリー、そろそろ、ローランとミネルバ先輩の所へ行こう。
レイコ、少し他に行くよ。
「わかったわ。いってらっしゃい!すぐ、戻って来てね」
カズキ、すぐだって!
「マイロード、時間的に彼等は戻れません。次合うときはレース後です。……勝利して彼等を迎えましょう」
「……わかったわ。クリス、勝ちましょうね」
「はい、マイロード」
……行くよ。
アリー行こう。
うん、レイコじゃあね。
「行きました……カズキ、アリー、あの二人は強いです。マイロード、私はクラスが違っていることを感謝しています」
「うん、あの二人は強いよ。なんだか……うらやましい、そして、悔しいよ。カズキの伴侶がアリーってことが!」
「マイロード!あれはあれです」
「カズキ、待ってね!すぐにアナタに追い付くよ!形は違えど私達を認めてね」
「……レイコ」
「あっ、ナタリー、ごめんなさい。気にしないでね」
「……」
ムーラン、ミネルバ先輩の周りには、タクミ先輩、ルリア先輩、ストーク先輩、イルイザ先輩、サクラ先輩、そしてライフがいる。
ローラン、少し爪弾きね。
ライフと話しているけども……
ムーラン!大丈夫かい?
「カズキ!ムーランも、俺と同じくスプリントらしいぜ!」
あっ、なるほど
だからか。
ライフ、アナタは槍呪では先輩なんだから、堂々してなさいよ。
「そうだぜ、ライフ!俺だって本当は……」
ムーランが俺を見る。
???
カズキ、クラシックに適正が欲しかったのよ。
そうよね、ムーラン。
「ああ、クラシックは槍呪の華だからな」
「おい、ムーラン!お前、スプリントが嫌なのか?お前そんな気持ちでいるのか?」
「ライフ……説教はあとだ!」
「サクラさん、すみません」
「ムーラン、アナタはアナタよ!ライフちゃんだっけ?」
「はい、なんですか?」
「ムーラン共々、よろしくお願いね」
「は、はい」
「ミネルバ、さすがだな」
「エヘヘ!」
こちらも、大丈夫そうだね。
うん。
アリー、そろそろミドルスタンスが始まる。
……うん、しっかりと実況しようね。
ああ、クリスには負けたくない!
さて、行こう。




